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Ⅰ 5-8

バレて〜ら

というお話です。

「まさか本物の不良になっちまっただなんて!」

 !

(今、このばあさんは「本物の不良になっちゃった」って言った。過去形…。つい最近迄、俺はばあちゃんにとって文字通りの「自慢の孫」だった筈だ。なんたってあれだけアピールして自慢しまくっていたんだから。だけど、“過去形”っていうのはそれがそうでなくなったってことだ。だとしたら、それがそうでなくなったのはごく最近ってことだ。その結果、「自慢の孫」が「本物の不良」へ…)

「本当の不良って…。お茶でも入れてもらうから、まあ、落ち着いて…」

「まさかあんたが捕まるなんて!」

 !

(知ってんの?)

 思わず声に出そうになった。

 が、耐えた。

「えっ? な、何のことかな?」

 そして、

「たーぼーそんなん知らんで。見たことも聞いたこともないで」

 すっとぼけた。

 お茶目に切り返したつもりだったのだが…、

「あんた、黒服に身柄を確保されたんでしょ?」

 !

「あんた、告訴されてるんでしょ?」

 !

「何ならもう予備審問には引きずり出されてるんでしょ?」

 !

(アカン! バレてる! カンペキにバレてーら!)

 心の声の言い回しが最後何故だかコミカルだったことに貴教は自らに腹が立った。

(それどころじゃねえ!)

 貴教は心の動揺を落ち着ける様に無駄にネクタイをなおすと、

「…おばあ様はどうしてそのようことを…」

 胡麻化しても無駄だと考えたのでそこまでいいかけたのであるが…、

(いや、そりゃ、国とか司法とかから聞かされたんだろ。肉親なんだし。何親等迄の血縁とかどうたらこうたらは知らんけど。だから、マスコミには知られていなくても、ごくごく近い肉親は知っている…、という事だろう。んなこと外部に、マスコミに知られたら恥だろうからな。ウチの家系は勤勉・実直そのもの、真面目もいいとこな田舎者だからな。隣近所に他紙する体面とか滅茶苦茶気にするから、外に情報を漏らす…、幾ら金を積まれてもいるとは考えられない…)

 貴教自身、自分が何で訴えられたのか知らないのだけれど。

 問題はそう! そこである!

 貴教は質問を途中で切り替えた。

「何だって言ってた?

 そ、そのう…、俺が何をどう…」

「あんた、何をしでかしたんだい?」

「へっ?」

(ということは…)


この事態をマスコミが嗅ぎつけているかというと…。

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