Ⅰ 5-7
Ⅰ-5「おばあちゃんといっしょ篇」再起動
其の日、貴教はオフィスワークに従事していた。
すると突然、社長室の扉が開け放たれた。ノックもなければ、入っていいと言った覚えも無い。正面に立っていたのはふみこであった。
「ばあちゃん」
最近はいきなりバタンとドアを開けられる音がすると、テ○アイの黒服が出てきそうで内心少しトラウマとなっていた。向こう側に立っていたのがふみこだったので少々ほっとはしたのであるが…。
ばあちゃんを追ってきたスタッフが「困りますよ!」と言いながら駆け寄ってくるのが見えた。彼に向かってふみこは言った。
「申し訳ありませんが、たーぼーと二人にして貰えませんか?」
温厚で親切なおばあさん――それが彼女を良く知っているとはいえない身内以外の目に映るふみこである。ところが、此の時は少々感じが違った。真の通った強さというか、何かしら怒りを秘めている様に感じられた。其れを見て取った貴教は、
「いいよ。戻って。相手は僕がするから」
社員はぺこりと貴教に会釈をすると社長室の扉を閉じた。
貴教は社長室に入って貰った祖母にソファをすすめた。対面に腰を下ろし、
「ばあちゃん、一体どうしたの?」
其の言葉を待っていたとばかりに、
「たーぼー! あんた、いったいなんてことをしでかしてくれたんだい!」
「なんてことを」と言われても全く身に覚えが…、
!
あった。
だけど、どうして其れを? 而も、此の人が?
「あ、あのね。ばあちゃん…」
マスコミとかも全く気付いている気配が無いというのに。
「一体、どこの誰に…」
貴教は平静を懸命に保ちながら、
「…何を吹き込まれたの?」
「そんなことはどうだっていいんだよ!」
「いいわけないやんか!」
ついつい大声になってしまった。
“あの事”だとしたら、ちっともどうでもよくなんかないのだ。
「あの優しかったたーぼーが…。そりゃ、反抗期って言うの? そのくらいの時分には変に色気づいて妙に不良ぶってるっぽいとこはあったけど…」
(そりゃ、田舎の十代のガキなんてもんは「変に色気づいて妙に不良ぶる」なんてのはデフォだろ。それよりも問題はそこじゃあなくて…)
ましてやSIGAである。
(そこじゃあなくてだな…)
西川氏のお誕生日、新生 FEST.INAZUMAに間に合わせたかったのですが…。何分書くのが遅くて…。
Ⅰ-5ほぼ毎日更新して終わり迄いく予定です。
物語の完結は未だ先ですが…。
だって、今迄に張った伏線とかでは“V-MAX”、全く読んでる方には予想がつかないレベルだと思いますし。当然、未だ出てきてませんし。




