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Ⅰ5-2

食材で遊ぶのは如何なものでしょうね。

 成功したことで世界に冠する三ツ星店やら 色々な超一流料理店での食事に招かれる機会も多くなった貴教であったが、「素材の良さを殺した上で成り立っている絶品料理」等というものには此れ迄お目にかかった事が無い。其れは別に特別に気取ることなく普段何気なく出入りしている様な街の飲食店に於いてもまた然りである。其れは五十年ーー食うや食わずの極貧の時もあれば、そんな時代を経て、経たからこその、大富豪と言っても差し支えない今もあるーー以上生きてきて、尚一ミリも揺らがぬ真理である。「高くても安くても旨い物は美味い」。悪く言ってしまえば、自分から料理の値段のみに盲従するバカ舌になる必要は無いのである。無意味と言っていいレベルのパフォーマンスも個人的には不要だと考えている。見せる事を全く否定するつもりは無い。だけれども、何故飲食店に足を向けるのかと言えば、美味しい料理を食べに行くのであって、味覚には関係のないバカげているだけのショーを観る為、同調圧力に無理強いされる“アゲアゲイベント”に加担させられる為に行くのでは無いのだから。ましてや、店側が扇動する“アゲアゲイベント”が高額な料金に含まれているとしたら、馬鹿げているという他はないではないか。

 ピカピカキラキラやらハイブランドやらを見せつけて無闇矢鱈にマウントを取るりたがる様な輩にはなりたくないし、事実、そんな事を嬉々としてやりたがるのは、本物の金持ちというよりは見栄っ張りな成り金の類である事を、仕事から此れ迄色々な世界の様々な人々と接してきた中で貴教は十分過ぎる程に垣間見てきた。たっぷりと学んできている。

 「旨い物は美味い」――筋トレに傾倒する様になってからは食に於けるプライオリティーが必ずしも味ではなくなってしまった処のある貴教ではあったが。勿論、純粋に食事を楽しむことだってなくはないのだが、そんな時でも摂取している栄養素や後でこなすべきトレーニングが気になってしまうのはまるで職業病である。

 ここで忘れてはいけないことがある。南方貴教という人は超敏腕な経営者あり、且つ超有能なビジネスマンだということである。アーティストである事も含めて三つの顔を持っていることである。いくら多くの優秀なスタッフに囲まれ、多くを任しているとはいえ、他の人間と同じく一日二十四時間の縛りの中で、その全てを、莫大な量の仕事をこなし、確実に結果を出し続けているという事実である。


シャンパンファイトやビールかけはやっている本人達は心の底から楽しんでいるのかもしれないけれど、それを「させてやってる」からと彼らから料金を取るような存在は無いですよね?

食用菊をバラまかせてやるのものサービス料金の一部として食事の料金に含まれているであろう何処かの某会員制レストランと違って。

食べ物や飲み物を無駄にさせることで金を稼いでいるのはシャンパンファイトでもビールかけでもなく、某レストランだけなんですよ。

節分? あれを大豆という食材を大量破棄させる事で経済を回す一大行事だ等という人はまともな日本人ならいないでしょう。どう考えても、商いとしてのイベントというよりは歴史的伝統的な行事です。あれで誰が大きな利益を得るというのは少なくとも無いと思います。少なくとも、某会員制レストランの様に暴利をせしめるということはないでしょう。金儲けの為のイベント、金儲けの為に拵えたイベントだとは私には思えません。


もっと例が挙げましょうか?

取り敢えず、あんな暴利を得る為だけの食材破棄なんていうのは…。

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