Ⅰ 4-17
だから、貴教には最近の歪なルッキズムなんぞは到底理解出来ないのだ。顔面を弄くり倒して似たり寄ったりというよりも殆ど同じ、見分けがつかない様な御面相に収斂していくのはまだいい(本当は全くいいとは考えていないが)。
其れはいい(ちっとも良くないが)。
だが、あのマ◯ジャロというのは何なのだ?
お手軽に痩せる為に糖尿病の薬ーーマ◯ジャロを使うというのは一体何なのだ?
均整の取れた美しいプロポーション、美しいボディを作りたいのならば、適切な量の食事を摂り、必要とされる栄養素を摂取し、適切なトレーニングをすれば良い。そんな事は別に筋トレに傾倒する前から貴教はやってきた。
だが、そんな努力がイヤだからからのマ◯ジャロ。
本人は副作用に耐える覚悟をしているというが、そんなものは金に飽かしてお気楽でお手軽な手段を選択した様にしか貴教には見えない。大体からしてそんなもので得られるのは美しさでは無い。やつれて衰えただけに過ぎ無い。
多くの男性が若い女性に魅了を感じるのは、元気な子を産んでくれそうな者を求める本能からであろう。其れがとりもなおさず、若く健康な女性なのである。断じて窶れたーー而も不自然に、といよりは明らかに不自然に痩せこけた女性なのでは無い。その様な事を言い出せば、「美を追求した結果だ」という反応が返ってこよう。だからはっきり断っておこう。行き過ぎた痩身、トリガラの様な肢体に、ほぼ全ての男性はこれっぽっちも美しさなんぞというものは認めてはいない。
其れは丁度、少女漫画みたいに目をバカみたいデカくすれば、カマキリかガ◯ジみたいに顎を矢鱈にとんがらせれば、より美人であるなんぞというのが、女性同士のマウントの取り合いでしかないのと同じである。改めて断言しておこう。全く美しくなんぞは、無い。寧ろ、醜い。不気味である。そっくりなレベルで周囲の美の基準に合わせ自らも“量産型”とする、そうさせる精神性も、そうして拵えた顔面同様もまた、醜悪だとしか言いようが無い。揃いも揃って似たり寄ったりのカマキリか宇宙人のグ◯イかの如き御面相を晒し、「(整形に)何百万、何千万かけた」と自慢出来るメンタルとは一体何なのか? はっきり言って、全身タトゥーでびっちりのイキリ散らかしているヤンキーと同じ臭いしかしない。或る意味精神を病んでいるのではないかと邪推してしまいたくなる。同系統の中毒ではなかろうかとすら思える。
だが、女性の美容というのはヤンキーのタトゥーなんぞよりも遥かに恐ろしい。其れがルッキズムの本場たるお隣りの整形大国からの直輸入である「脚をよりスリムに美しく見せる」という意識高い系の施術である。「ふくらはぎの神経を切断し、筋肉を融解、若しくは変容される」というのである。
ふくらはぎの筋肉は下腿三頭筋と呼ばれ、主にアキレス腱に繋がる腓腹筋の其の深層にあるヒラメ筋の二つから構成され、第二の心臓とも呼ばれている。血液を心臓に押し戻すポンプの作用を担っているである。そんな“第二の心臓”に進んでダメージを加えようというのだ。“美容整形の本場”ですら、「これってヤバくね?」となっているそうではあるが、こんなものは考える迄もあるまい。
そんなものはアウディの大腿四頭筋、そして其の腓腹筋の躍動から、筋肉の強さ美しさ逞しさ、ひいては生命の素晴らしさであり偉大さを思い知らされた貴教からしたら狂気でしかない。狂ってしかいない。




