Ⅰ3-14
何時からああなったんでしょうね。
(警察ってのはそんなに腐っているもんなのか? いや、実質六〇年代のUSAのこと言っているからか? いや、それよりも…)
「俺が、自分が中心になって仕切っているイベントを、何で自分でぶっ壊すようなことをする必要がある! 何で自分でブチ壊す必要がある!」
「それはあれだな。“茶髪の風○児”とか呼ばれて、マスコミでちやほやもてはやされたヤツと一緒だな」
「“茶髪の風○児”…」
「テレビに出たての頃は歯に衣着せぬ論客…っぽかったな。それ以上に庶民の味方って感じだった。タダ同然で仕入れた破れた革ジャンを、三万から五万くらいで売りつけて、破れていたのがバレたら、『騙されて買ったヤツが悪い』とかやってたって武勇伝語っていたな。学生時代の学費稼ぎとかで。それはともかく…。…“右”だった…。少なくとも右寄りじゃなかったか? 元々アレは。少なくても当時は。それが政界に打って出たらどうなった?」
(本業は確か…)
「抜群の知名度で地元自治体の長となり、地域政党、次いで国政政党結党。代表を務めていたが、今は政界を引退している。あくまで表向きだけで院政を敷いているって噂もあるけどな。で、今はコメンテーターをやっているな、“茶髪の風○児”って呼ばれてた時以上にオールドメディアに出まくっているな。で、今現在、ワイドショーなんかでアイツがほざいていることといえば、明らかに、“左”だよな。極めて分かり易く。『寄っている』どころじゃあねえ。どこからどう見ても“左”だ。どこかの国、どこかの政党の代弁者かってぇくらいに。何があったんだろうな? 政治家をやっているうちに、『理想だけじゃやっていけない』ってことで徐々に現実路線にシフトしていったのが今のザマって話もあるけど、それにしたってな…」
「今度は何だ? 何が言いたい!」
「『田舎モンの不良のロッカーが革命家を名乗り、ブルジャワに成り上がったら、ついでに狗に成り果てた』ってことだ。特にカネとかオンナとが絡めばな。ブルジャワになんぞに成り上がったら、成り上がっていったら、そんなもんにいくらだって繋がっていくし、パイプが出来ていったりする。何なら資産階級が嫌いな筈の界隈からだってな。色々癒着していったりするんじゃねえのか? 故郷の評判を失墜させるようなことだってするんじゃねえのか? 自分の利益になるように。政治権力を持った奴が国家や国民の公的財産を勝手にハゲタカみたいな連中に切り売りする様なことやって、自分の懐に入れたり…、それはアイツの、“茶髪の風◯児”の仲良しだか、政治の師匠の方だったか? ともかく、やっていたな。どこかの外国や企業に入札とかで便宜を諮る、そうとしか見えないようなことを。地域と住民の為になんぞは全くもっていないクソみたいな…」
「お前っ!」
貴教の逆鱗に触れた。テ◯アイに殴りかかっていた。金の亡者扱いされただけならば、貴教はにこやかな表情のままやり過ごしただろ。しかし、“愛する故郷”を“売る”など言われてはその限りではない。貴教にとっては以ての外、到底有り得ない。いくら日頃は温厚で知られる彼も、此の時は昂った。思わず殴りそうになった。
「それとも何か。どこかの民泊みたく、自分や人民のことばかりでなく、地元の、ひいては自国と自国民の利益も考えてあげたけど、『ちょっぴり想ってたのと違っちゃった。てへっ』ってか? 結果は『地元を売った』以外の何ものでもないがな」
飛びかかった筈の貴教は組み伏せられていた。
元・“茶髪の風◯児”。
何処かの誰かの弁護をしているかの様にさえ見える。




