Ⅰ3-13
あの対応は無いです。
確かに最初から滅茶苦茶だった。裁判とかいって曳き出されたのは裁判官も検事も弁護士もいない文○大革命の批○大会みたいな場と観衆。ロックやってるヤツは不良で、SIGA県民はヤクをヤッてるのが常態のヒッピー扱いで、SIGA県自体がカウンターカルチャーの本場で聖地呼ばわり。人民を虐げている資産階級ーーブルジョワみたいに罵倒されたと思ったら、次の瞬間には極左だの左翼過激派だのレ○ド・パージ擬き――左右から豪快に往復ビンタを喰らっているようなものである。しかも、正面から普通の空手の正拳づきどころか、複雑に握り込んだ古流拳法の拳でど派手にどつかれてからの流れで。
これではまるで受信料を徴収している公営放送が、戦後八十年の節目を謳った年末の歌合戦で、司会に綾○はるか、有○弘行(共に広○県出身)、紅組のトリにM○SIA、白組のトリ前に福○雅治(共に長○県出身)を揃えておいて、たとえファン向けアプリにであったにせよ《i bought a pretty light ~~~how is it?》(※非常に不謹慎、「人としてどうなのか?」としか謂い様の無い事を曰わっています。此の場合は。「ガキの頃から歌ったり踊ったりしかしてないと、そこまで無知で無教養に仕上がるものなのか」と言いたくなるくらいには)のメッセージとともに“きのこ雲”を模した卓上ランプの写真を投稿したメンバーを含むa○spaを出演させる――十数万もの出場停止の署名があったにも関わらず其れを汲むことなく(受け取りを拒否)――くらいには、ちぐはぐ、いやチグハグを通り越してムチャクチャではないのか? このメチャクチャ具合は? 「国営放送局だか公営放送局だか知らないが、あれは一体どこの国の放送機関なのか?」と言われても仕方があるまい。加えるのなら、a○spaの曲の歌詞は“原爆”を想起させるワードを複数含む――
…一体、何がやりたいのだろうか?
時代も場所もまたヒッチャカメッチャカである。何しろ舞台は九月のSIGAどころか、二十一世紀のニッポンですらない。六九年十二月のUSAのオ○タモント山道でありサ○フランシスコのヘ○ト・アシュベリーも兼ねてるときている。嘗ては合法だったなどというのは付録みたいなものである。
「当然、本職の売人は東海岸から連れてきた。いつもなら通常品を売っている奴らだ。東海岸から動員された警官が警護していたのは実は奴らだ。ステージに立つアーティストとかじゃない。奴らも商売でな」
「商売って、警官は警官が仕事じゃないのか?」
「ああ。貴様の本業はあくまで祭りの神輿の頂上でド派手に踊ることであり、カトリックの頂点に立ち、天に向かって神と語ることを生業とする教皇の様なものだったな。持ち前の祖父との関係性で身に付けた抜群の愛嬌――“甘える力”を駆使して現場を実際に捌かせているのは、取り仕切らせているのは、神輿を担いでいる連中であり、教会を支配し、統括・運営しているのは側近の聖職者どもだ。現場の実務まで担当していたわけじゃあないから、そこまでは把握してはいないということか」
「神輿とか、教皇とか…」
「東海岸の警察官――あれは非番で小遣い稼ぎに来ていたのさ。顔見知りの売人を商売敵の地元の西の売人から守り、現地の警察にパクられないようにガードするのが仕事の高額バイトだ。貴様をガードするふりをしてな。そりゃそうだろ、貴様が主催するようなビッグイベントは稼げるからな。公務員――警察官の薄給なんぞ比べモンにならん」
あそこまでして強行するとは…。




