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魔王城への侵入

最近忙しくて、投稿が遅れてしまいました。

すみませんm(_ _)m


更新はまだまだ続かせていきますのでどうか長い目で引き続き読んでくださると嬉しいです。


よろしくお願い致します。

 僕らは数分の時間をかけて数キロある戦場を走って横切り、紫色の葉を揺らしている巨大な木々に覆われた森へと到達した。

 魔王の城をドーナツ状に取り囲むように生えているこの特徴的な樹木は触蝕樹(マンチニール)と呼ばれていて、この木の幹や葉に触れると触れた箇所から麻痺性の毒が全身に巡り、数秒足らずで痺れて動けなくなる。

 触蝕樹(マンチニール)の毒で人が死に至ることはないけれど、大量の魔物がいる敵地で動けなくなれば間違いなく動けなくなったところを狙われ、ほかの隊士たちの足でまといになる。

 痺れて動けなくなるのは他の隊士にも影響を与えるので死ぬよりもタチが悪い。

 触蝕樹(マンチニール)は地肌に触れなければ問題ないので、隊士たちは全身をフード付きのマントで覆い、顔の下半分を布で覆うことで触蝕樹(マンチニール)の毒を防ぎ、降ってくる落ち葉や地面から伸びている木の根などに気をつけながら不気味な紫色の森の中を進んでいった。

 三十分ほどの時間が経っただろうか。

 先行している第二部隊が敵を上手く引き付けてくれているのか、僕らは魔物と特に出会うこともなく、触蝕樹(マンチニール)の森を抜けることが出来た。


「でかいな……」


 触蝕樹(マンチニール)の森を抜けると、巨大な城が目の前にそびえ立っていた。

 これまで遠目からしか見たことがなかったけれど、まじかで見るとかなり大きい。

 真上を見上げても頂上を確認することが出来なかった。


「っ……!」


 前の隊士たちに続いて、城の外壁に沿って歩いていくと、まるでそこだけぽっかりと無くなったかのように城の外壁に巨大な穴が開けられていた。

 外部からの侵入を阻害するために張られていたであろう結界もその部分だけ綺麗に破られている。

 今回の作戦説明の時、ルクス隊長は結界に関しては自分がどうにかするから気にしなくていいと言っていたけれど、言葉通り本当にどうにかしたらしい。

 ルクス隊長の実力に改めて感心しながらもその巨大な穴から城内へと侵入していく。

 城の中に入ると、あまりの廊下の広さと天井の高さに圧倒された。

 等間隔に城を支えている円柱の柱なども巨大なせいでまるで自分が小さくなったかのような錯覚を覚え、頭がクラつく。

 第四部隊から配属されてきたクレア隊長を初めとした数十人の隊士たちは既に伝承鳥を飛ばし、【代眼(インステード・アイ)】を使って城内を探っているようだった。

 その周囲には護衛役としてつけられた隊士たちが待機していて、魔物が来ないか警戒している。


「十三班、行くぞ!」


 十三班のリーダーであるダンさんのその声で僕ら十三班は入り口から左側の通路へと進んで行った。

 予め一班から十班は入り口から右側、十一班から二十班は左側へ行くと決まっていて、各班、【代眼(インステード・アイ)】を施した伝承鳥を一羽ずつ連れて行き、分かれ道がある度に樹状に分かれて捜索をしていくことになっている。

 城の中も外と同じように魔物で溢れかえっているかと思っていたけれど、城内には魔物が一体もおらず、僕らの足音だけが静寂に包まれた広い廊下にただ響く。


「妙だな」


「ですね」


 外にあれだけの魔物がいたにも関わらず、城の中に魔物が一体も見当たらない。

 外の警備はもちろん固めるべきだが、城内はそれ以上に警備を固めるのが普通だ。

 それなのにまったく魔物の姿がないというのはどうしても違和感があった。

 しばらくそんなモヤモヤとした気持ちを抱えながら、第二階層に続く階段を探して城内を捜索していると、遠隔での会話を可能にする中級魔術【周絡伝送(インフォルモ)】によって連絡が来た。

 頭の中に入り口付近にいる第四部隊の女性隊士の声が響く。


『第二階層への階段を発見。今のところ被害班なし。戦闘もありません。十三班十名、案内に従い、第二階層へと向かって下さい』


「被害どころか戦闘なしだと……?」


 二十班でこれだけ捜索して戦闘自体が一度も起こっていないというのは、この城の一階層部分には魔物が一体もいなかったということになる。

 外にあれだけの魔物がいたにも関わらず、城内にまったく魔物がいないというのはどう考えてもおかしい。


「いったいどういうことなんでしょうか……」


「……わからん。考えても仕方がない。行くぞ」


 考えたところで答えが出るわけじゃない。

 僕ら十三班は【周絡伝送(インフォルモ)】で伝えれる案内に従い、第二階層へと向かった。

 敵地の中心でありながら全く魔物を見ないのはなんだか不気味で、わざと誘い込まれているんじゃないかと不安に駆られたが、第二階層に上がると骨の戦士である骸兵(ボーンリッター)などの魔物がちょこちょこと現れるようになった。

 骸兵(ボーンリッター)は数は多いものの強さのレベルで言えば下級の魔物。

 この城に侵入している隊士たちの中でそんな雑魚魔物に手こずるような人は一人もいない。

 戦闘にほとんど時間を取られることなく瞬殺し、捜索を続け、次々と階を上がっていった。

 階を上がるごとに魔物の種類と数が増えていき、魔物自体の強さも上がっていく。

 後半になるにつれて戦いに手間取る時間も増え、捜索もスムーズには行かなくなっていった。

 捜索しているほかの班の隊士たちは何人か欠けてしまい、七班に関しては全滅してしまったようだった。

 少なくない犠牲を出しながらも、僕ら十三班は一人も欠けることなく、とうとう城の第七階層まで来ることが出来た。

 第七階層もそれまでと変わらず、広々とした廊下を突き進んでいると、まるで行く手を阻むかのように見慣れない物体が廊下の中央に佇んでいた。

 警戒しつつ、直ぐに巨大な円柱の柱へと身を隠す。


「……なんだ、あれは……」


 その物体は形状からして全長四メートルほどの四足獣のようで、全身が無数の太い触手に覆われていた。

 あんな姿の魔物はこれまで確認されていない。

 どれほどの強さなのかも全く不明の未知の魔物だった。

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