↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
僕は捨てられた。けれど、僕は幸せだ。  作者: 小鳥遊 雪都
終わりとはじまり。
PR
63/65

意思。

「お前のお陰で俺は変われたし、救われた。二十年前のあの日、俺はお前を拾い、救ったつもりでいた。だが、実際は違った」


未だ俯き涙を流す雪《せつ》の頭を雨月《うげつ》は優しく撫で付け、微笑んだ。


それに答えるかのように雪《せつ》は垂らしていた頭《こうべ》を上げ、雨月《うげつ》の僅かに紫がかった猫か蛇を思わせるその瞳を臆することなく見つめ見た。


「あの日、拾われ救われたのは俺だった。お前があの日、あそこに居なければ俺は自死を賜っていただろう」


雨月《うげつ》のその言葉に雪《せつ》は涙を流すのを止め、息を詰まらせた。


どうして?


その一言さえ苦しさから出てこない・・・。


「長きに渡り生きると無意味に死にたくなることがある。お前も妖《よう》となれば味わうことだろうが・・・」


苦笑しつつそう言った雨月《うげつ》に雪《せつ》はまた涙を滲ませた。


雪《せつ》は本当に優しい子だ。

その優しさがこれからも枯れぬようにと俺は願う・・・。


「さて。どうする? 本当に妖《よう》となるか? 痛みを伴い、恐怖を感じても」


雨月《うげつ》のその言葉に雪《せつ》は涙を拭い、大きく頷いた。


「はい。僕は僕の意思でそれを望みます」


そう答えた雪《せつ》の目は真っ直ぐで澄んでいた。


大丈夫だ。


雪《せつ》のその目に雨月《うげつ》は否応なくそう感じさせられた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。