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僕は捨てられた。けれど、僕は幸せだ。  作者: 小鳥遊 雪都
雨月と情景。
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底知れず。

流石は小料理屋の店主が認めただけの男ではある・・・。


この男はそこいらの妖《よう》よりもよっぽど質が悪い・・・。


下手を打てば格上の妖《よう》である俺でさえも首を取られかねない危ない男だ。


「雪《せつ》には雪《せつ》の生きる道がある。俺がどうこう言うべきことではあるまい」


俺はそう言ってその男・・・高杉の目を凝視した。


クスクス・・・。


高杉が笑った。


本当にこの男は質が悪い。


俺のことを妖《よう》と知りながら高杉は俺を挑発し、笑う。


それだけならまだしも小料理屋の店主にも訳隔たりなく接する。


俺でさえも憚ることの多い相手なのに・・・だ。


「そうかい。そいじゃ雪《せつ》が望むなら俺が剣術なんかを教えてやるよ」


高杉のその申し出に俺は瞬いた。


本当に何を考えているのかわからない男だ・・・。


そこがまた底知れず恐ろしい・・・。

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