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僕は捨てられた。けれど、僕は幸せだ。  作者: 小鳥遊 雪都
雪と雨月。
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小心か豪胆か。

「木々が・・・芽吹き出しているな」


雨月うげつ様は春がお好きなんですか?」


せつの問いに雨月うげつは何も答えなかった。

特に好きな季節があるわけではないのだ。


「・・・雨月うげつ様・・・アレは一体・・・なんでしょうか?」


せつは遠慮がちにそう言うと林の中にある一本の大きな椋木を指差した。

その椋木の太い枝に何かが不気味にぶら下がっているのが見てとれる。


「・・・アレに関わる必要はない」


雨月うげつはそう言い終わるよりも早くにせつを抱き抱えたまま歩き出していた。


「なんでしょう? 何だかすごく・・・嫌な感じがします」


せつは独り言のようにそう言って雨月うげつの黒い羽織を強く握りしめた。


いつもこうだと雨月うげつは思う。


せつは害を及ぼすようにひどく敏感でそれに気づくと必ず自分にしがみつき、離れようとしなくなる。

しかし、しがみついた自分の方が余っ程、それらのようよりも害があると思うと雨月うげつは苦い笑みを溢さずにはいられなかった。


せつは小心なのか豪胆なのか全くわからない子供だと雨月うげつは常々思う。

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