マーフィーとロメ雄の友情、正解なんてないさ。
どのくらい登ったのか・・・それとも下っているのか?暗くて景色も同じで足元の感覚も同じで・・ゾンビでも疲れるよ。(気分的に)
ココ「ここの扉を」蹴って開ける!
暗闇から飛び降りて来るように人影が飛び出した!
「しねぇぇ!!って・・・ウワァァァ!!バケモノォォォォ!!」
「バケモノはソッチだぁぁぁ!!」
亡霊のような人影は着地してから直ぐに飛び退き、ロメ雄の様子をうかがっている。
「掛かって来ない・・?」敵じゃないのですか?
「・・・そっちこそ・・オレを殺さないのか?」
影から見える目には、明らかな怯えの光り。ゾンビを見れば誰もかれもが、恐れ
おののき、遠ざかる・・しかたない事とはいえど・・ゾンビ傷つくよ?
「こう見えても、常識がある方ですよ?私は。敵でも無く、会話の通じる相手を殺すなど、悪党かケダモノのするようなこと・・しませんよ」
・・・
「そう・・なのか?顔を出したらいきなり首を飛ばすなんてこと、しないでくれよ?」
「こいつにそんな技量があるもんか、・・あるんか?」
「うわっ・・犬がしゃべった!??よく見たら顔が人間?バケモノォォォ・・」
「おい、犬・・驚かせてどうする。もう少しで会話も可能だったのに」
「うるさいわい、ゾンビっていうバケモノがヒトをバケモノ扱いすんなよ」
・・・・やはり、一度犬には上下関係をハッキリさせるべきではないだろうか?
「・・あ~~よく見て下さい、確かにこの犬は言葉を話しますが・・顔は、バグ・・そうパグですよ・・おっさんでは無いので人語を話す、おっさん顔の犬なだけです」
・・・
「?・・?・・じぃぃぃぃ、確かに犬・・かなぁ?」
パグという犬種は少し変な顔のおっさんの顔、そう・そんな犬種だった・・はず。異世界のパグはそんな生物です。
「たしかに・・それに、モンスターが話すのは普通です・・か・・?亡霊の私と会話が成り立っていますから、・・・きっとそうなのでしょう」
ようやく顔を出した亡霊は、疲れた顔で青白くやつれた顔と痩せた姿だった。
「始めまして・・私はマーフィー、昔くからゴーストをやっている・・・やらされている者だ。この部屋に飛び込んだのだからしっているだろう?」
はぁ?「有名人ですか?私は・・ロメ雄です・・本名では無いようですが」
ご丁寧に自己紹介をする幽霊に私も名乗らねば・・・不作法というもの。
「私をしらない?・・時代が変ったのか?それとも・・もう許されたのか・・」
ゴーストは少し嬉しそうな・・そして寂しそうな表情で笑っている。
マーフィーと名乗るゴーストは、とある事情で存在を迷宮に封じられ冒険者達と戦う事を強制された悲しい怪物。
扉を開き、入る事で何度も復活させられ、そして何度も倒される。
何度も・何度も・何度も・何度も・何度も何度も・・・・・・
永遠と呼ばれる時間、無限とも思える多くのif世界で生まれて来る戦士や冒険者に戦闘経験を積ませ、僅かな金も与える。そんな存在。
「後列の魔法職は魔法を憶える事ができますが、・・前列の戦士職は・・体力と腕力・早さが上がるだけですから・・上級の忍者や兎に一発で首を切られるんですけど」ははは・・
「いくら生き返るからって・・」ヒドイ話です。
「仕事ちゃ仕事ですから・・・で、どうします?」
戦うか・・退くか、私には戦う意味は無い。けど、そのまま去る事もなにか違う。
・・・「戦いましょう・・」正し!下らない仕様とやらに!
ロメ雄の手には拾ったツルハシがある、マーフィーに背中向け、そのまま壁にある扉をぶち壊しにかかる。。
バキバキとボキボキと、何度も何度もツルハシを叩き付け、完全にその形が無くなるまで打ち砕く。
「扉が無ければ、開けて入る事は出来ないでしょう?」当然閉める事も出来ない。
つまり、彼は一度倒されたら復活は無くなる・・多分。
「壁を壊す道具があったから、扉だって壊せると思ったら大当たり」
試験管が壁を壊すって、そんな馬鹿な!
・・・・
扉の開いた場所から通路の明かりがもれてきた、
「ああっ・・部屋の外はこんな感じだったのですね」
閉じ込められたゴーストは、薄暗い外を愛おしそうに手を伸ばす。
「もし、これから誰かにたおされたら・・」このゴーストは消滅するだろう、彼をこの場所に縛っていた運命・・永遠に殺され続ける運命を破壊したのですから。
永遠の復活すら奪ってしまった気がします。
「いいんですよ、ここの私は成仏しても。どこかの私はまた殺されつづけるでしょうから・・でも・・いつか・・私のように、扉の向こう側を見る事ができたらきっと」
微笑んでへたり込んだゴーストは、少しだけうれしそうに笑った。
・・・・・
「それじゃあ・・私達は上に行きます、お元気で」
「・・まちなさい・・私の魂を開放した者に、なにも返さず立ち去らせるのは
マーフィーの名がすたると言うもの。今、殺されるて成仏するのは無理ですが・・
この塔の情報を、私が知る限りの情報を聞かせてあげましょう」
これでも塔の建設当時から住んでいますから。
・・・・
「マーフィー、それは駄目だ。旅をするもの・塔を登るものに攻略法を教えるなんて事はしては駄目だよ」
男は攻略本を片手に冒険をする事は出来ない、格好悪い。
冒険とは、悩み・迷い・間違い・引き返し・謎を解いてこそ冒険だ。
「いくら親切心からでも・・」私は首を振る。
「なら・・せめて握手だけでも」
ロメ雄が元扉をくぐる時、振り向いて握手する。
「ゾンビと幽霊の握手なんてぞっとしない話ですね」
「はははは・・え?ゾンビ!!!・・そんな種族も選べる様になったのですか・・
時代は変ったんですね・・」
ゴーストに強く握られる方がおかしくない?とか思ったり思わなかったり。




