女神の果実、魚魚の実・古代種[人面魚・モデル、シーマン]現る!
危ない危ない思わず、
[中指を立てた右手の甲に、目を付けたマスク]を被ってしまいそうです。
[友達]になってしまう所でした、二十一世紀にもなってソレは無い。
(いくら【友達】と[友達]になりたいからといって・・それは・・ねぇ?)
閑話休題
不思議動物のワンダーランドを通り抜け、天然の堀に挟まれた中の島。
二つの川に囲まれた島ですが・・
「ここにいる主は人面町の中ボス級の大物!人面魚界のカリスマ!
お前等、よその奴でも知ってる超メジャー級の人面魚さんやで!
【シーマン】様だ!知ってるやろ?」
偉そうに犬男が言うのも解ります。
[シーマン]・・・それは[夢を守る奇魚]とも呼ばれた存在。
私達は石のライオンが欄干[らんかん]を護る橋の直ぐ横で、
川幅を無視し・意思の無い目で通行人を写す巨大魚。
[サイズにして7m~10m]が立ち泳ぎして顔を覗かせている。
顔は縦に4・5m程?何か言いたげな表情の怪物がロメ雄を捉えていた。
・・・・「自分、そんなに見んなや・・・見せもんちゃうでーーーー」・・・・・
「見ているのはそっちだ!」
と突っ込む事も忘れ、一旦【シーマン】が水中に沈むのを見守る。
こいつ肺で呼吸していないのか?顔が人面だけに違和感しかない
(口は飾り?魚なのか?両生類だったような記憶が・・・)
「【シーマン】様はああ見えてエラ呼吸さんや、顔出したら息が出きん様になるんや」
なら顔を上げるなよ!と、私は二度目の突っ込みも飲み込んだ。
「ああーー苦しぃ、人生の大海はどんな魚にも試練を与える・・・・」
ゴボーーーーと水面を泡立て顔を出す【シーマン】
だが私の異世界を生きる為の現代知識?が、
「お前!淡水魚だろ!何が大海の試練じゃ!」
思わず口が滑った、よし解った闘争だ!
そうだろう?そうだよな!かかってコイや!魚類!
「・・・・ああシンドイ・・帰ってなうぉ・・」
返事も無いままに、また潜っていった。
そう言えば当時のCPUのスペックでは、会話の認識度はそれ程だった。
思い出したよ、魚類だしそんな感じだった。
【シーマン】は今を遡る事20年ほど前、一大ムーブメントを起こした珍魚の悲しい一匹である。
14インチのブラウン管に飼っていた当時の飼い主が、大きく育ち過ぎた彼をこの川に放流した事が悲劇の始まりだ。
捨てた方の飼い主は生きる環境の違いで【シーマン】は生きてはいけないと考えられていたらしい。
だが【シーマン】を生み出した男達の強く熱い魂が!
彼?の死と消滅を遠ざけた。
【シーマン】はこの川に住み着く事に成功したのだ!
在来種を食い尽くす外来魚とことなり。
食事を必要とせず、時折水面に浮かんでは以前の飼い主を探していると噂される
『健気さ』
だが、あまりの無表情で真偽の程は現在も不明である。
ただあまりに不細工で不気味な事から、一時は狩猟されるか?
「一丁狩っとく?」と気軽に法案にも上がったが。
多摩川のアレ[海獣]が良くって【シーマン】が殺されるんはおかしい』
と声が上がり、
その上危険を察知すると、直ぐに川の底に身を隠す性格が幸いして、いつの間にか住民票を与えられた。
そしてその危機回避能力を買われて、この先にある建物に入る人間が、危険かどうかを判断する一種の危険物探知魚となった。
ちなみに地方公務員である・・・・公務員?
「お前は無害そうやな!【シーマン】様もそう言うとる」
パグが吠えた。
危険の無い相手には【シーマン】はやる気の無い挨拶と、小粋なジョークで困惑させる。人面町の小粋な挨拶と言うわけですって。
「つまり、私は今この時になってようやく、この町に認められたと言う訳ですか」
ならも皮肉なジョークで返しましょう、お前達にとって私は無害かもしれません、がこの町に取っては最大の敵、侵略者だからね。
航海はいつも晴天から始まる、この橋の向こう側、そこにロメ雄が倒すべき敵が待っていよう事は、殆どの人間が理解していた・・・つづく。




