ゾンビと犬とナンパ橋。
「そろそろ案内しすぎて喉も渇いたわ、お茶でも飲もか?」
言うが早いか、こっちの返事も聞かず犬がペタペタと橋の真ん中に座りキョロキョロと何かを物色を始めた。
そして二人連れのリュックちゃんに目を付け、突撃を敢行する。
「嬢ちゃん茶ーしばかへんか?」
ああっ!なんと言う事でしょう、あの全くやる気も覇気も無かった不細犬が!
見違えるように尻尾を振って、
けんめいに可愛さをアピールしているでは有りませんか。
「とか思わず劇的なBefore・After気味な感想を」吐いてしまった。
「ゴメンね~この犬、馬鹿だから。こわがせちゃって」
怯える少女達から犬を引き離し、思わず川に落としそうになった。
ゾンビの愛想笑いは、少女達に悲鳴を上げさせるにてきした気持ち悪さであった。
ヒッ・・真っ青なリュックちゃん達はジリジリと後にさがり、距離を広げてから
一目散に走っていった。
(目を離さない逃走方法です!私は猛獣ですか!)
マスクをしているのに・・やはり少しこの布マスク・・小さかったでしょうか?
もらい物を悪く言ってはいけませんね。
「なんや!ワレ!この橋は通称[引っ掛け橋]っていうんや!
ここでは女の子はもちろん、異性に声をかけても許される聖地なんや!邪魔すんな!男二人でみっくすジュースも無いやろが!」
「ナン・・ダト?そんな素晴らしい場所が世界にあるなんて」知らなかった。
さすが異世界、信じられない場所を神は用意する。
ロメ雄の背後では、看板の男が両手を挙げて応援している。
そう『君達もゴールせよ』と。
そして二人の男達の熱き戦いが始まった。
・・・・・・・・
男と雄が、どったんばったん大騒ぎ。そうして結果、わかった事があった。
それは『正し、いい男に限る』と、ゾンビと不細犬では怖がらせる事はあっても
喜んで付いて来る子はいない。
いたらそれはソレで[本当に大丈夫か?]と心配にはなる相手でしょう。
クソッ「あのジャーマンシェパードの奴、横取りしやがって」
ロメ雄とパグが少女に悲鳴を上げさせ、その隙にゴールデンレトリバーや甲斐犬達のしゅっとした奴らが女の子をかばう様につれて行く。
コーギーやポメラニアン・トイ プードルにも吠えられた、あいつら顔だけの癖に。性格悪いくせに、ド畜生だよ。
コケケケケェェ・・どこかで鶏の笑い鳴く声が聞こえる、きっと少し離れたところで悪い顔で笑っているのでしょうね。
「コレが敗北の味か」
雄二匹がペットボトルのお茶をすする。
[美味し~いお茶]は、いつ・ドコで・誰と・どのように飲んでも美味い。
私は一気に飲み乾し、液体で胃袋をたぷたぷさせた。消化する要素の無いゾンビの排泄はどうなっているのでしょう?
「ゾンビはトイレをしません」とか
一昔前のアイドルのような事を言い出しましょうか?
ソレはさておき、私達はゴミをキチンとゴミ箱に捨てる。
当然です!ゾンビや犬でも『ゴミはゴミ箱へ』くらいは生き物?として当たり前。
こんなに綺麗な町ですから、明るくて変わった奴らは多いけど、ポイ捨てするような人間は一人もいない。なんて良い町でしょうか。
様々な女子にアピールした結果わかった事が有ります。
少女達の基本は動物や植物から変化した【友達】と呼ばれる存在、
そして雄は全て人面種である。
スーツケースに男の顔がくっ付いた、[人面ケース]が適当に生えた茸のような手足で歩いるのもその為です。
ヱルメスの人面高級スーツケースは無駄にイケメンなのは、外側だけで無く、
中見も紳士だった。
(紳士の魂が物にも宿っている?そうだとすれば・・・この犬は???)
テニスラケットの通称【テニス君】はガットに顔が張り付く不気味さがあるが、
テニスラケットの【友達】は金髪のドリルお嬢様だった。
その二人?が仲良くテニスコートで試合をしてる姿は一目の価値がありますよ。
「なに言うて、夏に良く出る【海パン】なんか公序良俗違反で捕まる奴もおるんで!」
「なら・・もしかして・・ビキニの【友達】も居る・・のか!」
人面パグは嫌な顔で笑った、それはそうだろう。男ならだれでもそう思うよ。
戦艦や戦車の【友達】がいるんだ、車・バイク・航空機・はむろんあらゆる制服も【友達】に有り得る。
「自分、【擬人化】と【友達】は違うんやで?多分・・」
私の脳ではリュックちゃんや帽子ちゃんの【友達】とヘッドホンや眼鏡の【友達】の違いがわからない。
なぜです!私はドコで間違えたのでしょうか?




