戦乙女現る!ゾンビのハートはときめかない!
私の上げた、両手の平を確認し、襲撃者の動きが止った。
よかった、降参しても殺しに来る蛮族では無いようです。
交渉の意思有りと受け取り、多少低くなった穴からゾンビのように這い出した。
やはり空を飛んでいたのは女性だった。
ただし羽根飾りの兜・青と緑で彩られたプレート鎧・腕に丸い小型盾。
完全武装状態だ!武装錬金だ!
ゾンビに『腹綿をぶちまけろ!』とか言いそうなくらいの武装です!
「戦乙女?」はて?私はエインフェリアに選ばれたのでしょうか?
私の隠された英雄値が、いつの間に高まっていたのでしょうね。
ふふふっ・ようやく私、主人公っぽくなってきたかな?
「不死者め!滅せよ」気迫が嵐の如く刃に乗りロメ雄を襲うのであった。
・・・アレ?もしかして・・この状況は・・
素早く間接を外し身体を逆曲げる、人体を超えた可動域は時に風に揺らぐ柳・
海にただようわかめと成りえる。
蛸か雨虎[あめふらし]のように人智を超えた身のかわしで猛攻を凌ぎ続けた。
(どうよ、この動き。英雄っぽい?)・・かな?
軽快なフットワークと、一応はキラリ☆歯を光らせ、格好良く決めたつもりだった。
火に油を注ぐと言うのはこの事か?烈火・もしくは猛火のごとく、いきり立ち振り回す神剣の勢いと鋭さを増した。何故だ!?
はぁ・・はぁ・・「最早・・容赦・・ならん、粛々と消滅させてやる」
ご立腹の乙女は剣を収め、空間から槍を引きずり出した。
人間の倍ほどの長さの槍、騎乗槍[ランス]と呼ばれるソレは現れた時点で必殺の光が包み、鈍器としても必殺の神器の予感!
神々しいとは、この事か!
威圧を含む輝きは不死者・ゾンビに必殺・特効持ちでしょうね多分。
ゾンビ肌がびりびりします。
(あんなモノを振り回されては、風圧だけでも死んでしまうよ)
「まっ・待ちたまえ!あなたのような美しい貴人が、私の様な若輩を寄ってたかっていたぶるような事、まったく似合いませんよ。
それではまるで少女を犯す獣の様ではありませんか。
美しい人、あなたは野蛮な獣ですか?それとも会話の成り立つ聖女ですか?」
暴虐に溢れた世紀末でも、人の心は花を咲かせる物でしょう?
ならば[戦乙女]にだって優しさはあるだろう。(あると思いたい)反語
ピタリ、槍の穂先がロメ雄を捕えたまま動きが止った。
美しい銀の瞳にロメ雄が写る。美しい鎧と相まって、川魚を狙うかわせみのようだ。
ひとたび羽ばたけば川魚を突き刺す串刺し皇女、百舌鳥に変わるのでしょうか。
まずは、レディーファーストとは言えど私から名乗りましょう。
「我が名はロメ雄、しがない神手伝いの身分ではありますが。まったくの無害、
記憶のあるかぎり罪を犯した事も無く。神様に『走らんかい!ロメ雄!』とか言われる始末の今日このごろ。
美人に恨まれる憶えもありませんので。
『せやから、そんな怖い顔で見んでもええんよ?』」
・・・・・
エイッ、一寸[イラッ]とした乙女が槍で突いた。
ソレは刺さると言うより、焼き刺さる感じ。
ジュッとロメ雄の肉をこがし、痛覚の薄いゾンビボディを持ってしても
「地獄の焼きごての様だった」と言わしめるモノであった。
「不死者に名乗る名は無い、我はヴァルキュリア。英雄をバルハラに導く者」
・・・知識はあります!遂に私、主役ルートがキターwwww
「つまり私をバルハラにご招待してくれるわけですね!」と言う訳では無さそう。
オラァァァ!槍が本気突きで飛んできた。
キツい突っ込みだ、平成初期の浜ちゃんレベルか!
「我が背中に背負った【ヴァ】の二文字にかけて【不死即斬】を行うのみ!」
どこぞの隊員が言い出しそうな事をいいます。まったく、そんな生き方はきゅうくつでしょうに・・・・・【ヴァ】?
突っ込んだら負けだ・突っ込んだら負けだ・突っ込んだら負けだ・・・・・・
神・・主神の使徒を前に、今の私はシンジくんの気持ちが少しだけわかる。
・・・次回もサービス・サービスゥーーー




