荒れ狂わない海を抜けて、ゾンビ反省会。
「こ・・コRしたのですか?」温泉に着けたら復活しますよね?
「男同士の戦いに、死は結果でしかない。が、あの男はこの程度では死にはしないだろう・・
今頭を砕けば、違うだろうが・・」
よし!それでは・・ひよこさん?彼の顔を除いて口に顔を近づけるのはいけませんよ?
撤収するんですからね、さぁ逃げる時は思いっ切り、脇目も振らず逃げるんです。
唇を奪おうとしているニワトリゾンビを捕まえ・・・・マグロは・・自分で走って・・・・と
思ったら、凍結して横になっている。
(運べ、って事でしょうね)私が戦いの最大功労者を放置して逃げるわけないでしょう?
左脇にニワトリ、右手で背負う冷凍マグロ。ふふふ、あとは黒い鎧さえあれば見た目は狂戦士でしょうか・・ね、パックくん。
(ああ・・私の暗黒鎧は、どこかおかしいのですが)ゾンビを女装させよう等と、
何に飢えているのか、見当も付かない悪魔の鎧ですから。
「ワシを置いていくなや」背後で走る人面犬、お前は走れ!
「ここは敵地なんです、海の藻屑になりたくなければ船を探して奪って逃げるんです」でないと、
魚類と海獣と何かが混ざったような、見ただけで吐き気を催すほどの邪悪なナニカが、
狂ったような陸地の向こうから醜悪な悪臭を立ち上らせて這ってきますからね。
「小舟を見つけて下さい、かいは私が漕ぎますから」
体力は無限、疲れを知らないゾンビが漕げば、不眠不休で何日だって進めます。
あとは気紛れなひよこさんが謎ワープを使ってくれるまで、辛抱するのです。
「・・そやな、死者の国に生者はいらん、振り向いて死者に招かれる前に逃げるに限る」
・・そう言えば、この犬。生きてましたね、必死で走るわけですね。
港の近くは漁船が多いはず、スイマセンが1艇いただきます。
命が危険なので緊急回避です。
(一番ボロいヤツ、沈まない程度の小型船でいいですから)
その程度の良心を支えに、船を強奪するのもいかがな物かとは思いますが・・・ね。
「おい!後、後から凄い嫌な気配っちゅうか」
「見るなって言ったでしょう!こっちは竜王の孫っぽいの殴ってるんですから!」
なんか、やっちゃいました?なんて言いませんよ。完全にやっちゃいましたから。
私を睨む怒気、かなり御怒りのご様子ななにか。
『逃がさん』小型船の綱を外すのと同時くらいに、高く、遠くから響く声が聞こえた。 跳び乗って船を漕ぎ出す私は、その背後に立上がるソレを見た。
「アレが竜王か!」犬も見てしまったように口を開き、目を見開いている。
「多分違いますよ、アレは・・」そうアレは、赤い背びれとヒゲのような胸びれ、
やたら体が大きく長いのも・・
「竜宮の使いですね、ですが」怒っている。体長・・約50mの竜宮の使いが口を開き、怒気と圧を溜めているような感覚。
カッ!
ロメ雄達の船の真横を光線が走り、波が裂け海が揺れる。
「つっ、あんなの直撃したらやばい、沈む!とにかく漕ぐんです、犬もなにか板でもいいから
水を漕いで!」
『私も力を貸そう!』メバチマグロ朗が船の綱を加え、海に飛び込む。
二度目の[カッ!]をなんとかかわし、三度目は・・(どこを狙って?)かなり離れた場所に光線が走っていった。
ハァハァハァ・・いくら漕いだのか、海霧の中に入りこみ、ロメ雄だけが漕いでいる。
マグロは甲板の上で冷凍マグロに戻っているし、犬は伸びていた。
「山・・島か?」霧の立ちこめた海にようやく陸地が見えた、暗く海流の早い海域にぽつんと
現れた島、上陸しない理由が無い。
・・・・「おら、ロメ雄。そっちに行ったぞ、捕まえろ」
「そんなに慌てなくても、簡単に捕まえられるだろ」
鴨より大きい海鳥は人間を恐れず、簡単に捕まえる事ができる。たしか・・
「羽根を毟ってから焼くで、火は・・無しでもええか、鮮度はいいやろうし」
毛をむしった手羽先をかじる、腹を裂いて中身は海に。魚が良い感じに溶けている、
その中身を魚が集まって・・弱肉強食、それが海。
「中をくり抜いて海水で洗ったら、今度は腿肉を」
「・・鳥を食うなら!鶏をクエェェェェェーーーー!」
[暴れニワトリが現れた!]暴れニワトリの先制攻撃!]
「待つんだ、ひよこちゃん!私達が無意味にこんな場所でアホウドリを捕っていると思っているんですか!」
蹴りとつつきと足引っ掻き、大暴れして犬とゾンビを虐めるニワトリを説得する。
「いいですか?この島でアホウドリを捕って食べていると、その内にあの自由の国から船がやってきて、私はアノ国・・USAで、このラバーマスクと不死身の体を使ってマーベルでヒーロー!
映画化不可避なんです」
そのタイトルも[令和・J・卍次ロウメ雄2021]
ジョージ・の隠し名を持つ私に相応しい地位が待っているんですよ!
「遭難してアホウドリ取ったら全員がアノ国に行けると思うな!」
「・・・そうなんですよね・・・」
世界は暗転し、目が覚めたら其所は・・「ああ、良く知っている天井だ」
帰って来た私は目の前に座る神の複雑な顔で、ようやく始まる、
【ソンビ反省会】の用意を始めた。
具体的には、正座である。
ようやくバトルが終了しました。




