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異世界で目が覚めたらゾンビだった、死にたく無いのでお金を貯めて復活したい。  作者: 葵卯一
次の舞台は多分海、きっと海になると思う。
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真の目覚め!その名はマグロマン・メバチ!

「さて、逃げ切ったと思いますが。後は・・私達のアイドルひよこちゃんですが・・」 

どこにいるのでしょう?

多分私達の行動は見られているはずなんですが・・


「おい、ロメ雄!アレ見てみ、アレ」

 アレってなにです?犬の前足が指す方を・・方を・・って、あのひよこ!

 

 ロメ雄がその方向に首を向けると、ひよこさんは貝を突きその頭を、

れいの細魚使いが撫でている。ひよこの顔はロメ雄が見た事も無いくらい緩んでいました。


「イケメン好きやな、あのひよこさん。

ワシとかを見る目はゴミとか虫を見るような目で見てるのに」

・・ち・中年顔の人面犬に対してはそんな物ですが、私は違う!なんせ仲間ですからね。


「なんか、失礼な事を考えているような顔やけどな。ロメ雄を見る目も玩具か・・

餌のミミズを見る目と同じやで?」


「そんな馬鹿な!私以上の紳士はそういない・・はずですよ」顔は・・ゾンビですが。

あ!こっち向きました!・・と思ったら無視しましたよ、あのニワトリゾンビ!


「・・ようやく戻って来たか」

背後で声がした瞬間、前転してかわす。細魚使いは一瞬で音も無く背後に立っていた。

「いっ・・いつの間に背後に」なんて野暮ですよね。


 剣を抜いた男は静かに立っていた、まるでおかしな世界にたった一人、涼しげな風を纏い、

表情も小説や風景写真を見ているように冷静だ。


「卿等の行動は目立ち過ぎた、もはや無視出来ないほどに」

「だからですね、悪気があったわけでは無くですね、成り行きというか」

「問答無用」静かに男の口が動く。次ぎの瞬間、ロメ雄の胸に細魚が生えていた。


「え?・・なに・・これ・・?」

「ロメ雄!逃げろ!斬られたんや!」犬の声でようやく攻撃を受けた事に気が付いた。


 動きの基点から途中が全く見えなかった、気が付けば心臓の辺りを魚が貫通していた。

「貴公は・・霊体ではないのか、なら次ぎは首を刎ねるまで」


 仰け反るように体を倒すと目の前を銀の光りが通過する、本気で殺しにかかってくるくせに、

殺気が無いから反応が出来ない。


「・・副船長あなた、人を殺しなれていませんか?」

 先程までいじめられていた相手が血に飢えた猛獣だとすれば、副船長は感情無く人を殺す

ギロチン、殺戮の機械です。


「副船長というのは・・正確ではない、我ら各隊の隊長は蟹漁に出るさいに力を押さえる術・・

魚道を枷として施される。私は月番の責務として乗船していただけだ。」


・・・つまり、隊長って事?なに?隊長って人達は人を殺す職業なの?

親分は戦闘民族、副・・細魚使いは殺人機械。その内、人間を実験動物と思っているような

マッドサイエンティストとか出てくる気がします。


 熱の無い刃がロメ雄を囲む、根性と悪運でかわしつつ、手足胴体顔頭、どこにも無事な部分は無いほど削られていた。


「・・無様に逃げ続けるか、なら逃げる場所さえ無くすほどの刃をみせてやろう」

『深開、千群・細魚』手の平から離れた細魚は、男の周囲を泳ぐように一周し、

水紋を作って沈んで行く。


?(消えた?)武器を消して・・ゾンビ嗅覚にビンビンとくる危険臭、

「上や!」犬の叫びで顔を上げた時、ロメ雄達の上空にいくつもの水紋が生まれ、

水の波紋から何匹もの細魚が泳ぎ出る。


 ロメ雄の上空、左右、視界全てに銀の輝きが満ちていた。

数え切れないほどの細魚の群れ、それが一瞬にしてロメ雄に襲い掛かった。


 本能、ただそれだけだった。地面に寝転がりマグロを盾に降り注ぐ細魚を防ぐ。


「・・伝説のマグロとは言え、主人は覚醒したばかりの新人・・いや、古い伝説が間違っていた・・ただそれだけの事か」


 くそっ、何千匹の魚を操っているだけで、マグロにかったつもりですか。

「その割りに、攻め切れていないじゃないですか。新人の持っているマグロ相手に

全力をだしてもその程度なんですよ」雑魚ってのは。


 地面に転がり雨のように降り注ぐ細魚を受けるだけですが、まだ負けてはいないですよ?それに。

 ジリジリと細魚使いに這い進んでいます、マグロの打撃範囲に入れば・・・


(小さい攻撃なら多少は耐えられる、その冷静ぶった顔にこのぶっ太いマグロの一撃をくれてやる)


・・・「とまぁ、こんな感じですが、勝てないのは分かっていますとも。なので降参降参、いやね・こっちも意地を見せるって感じも必要だったのもので」


「降参・・か、つまらぬ結果だがまぁいい」


 両手を挙げて立上がり・・?アレは・・??

「すいません、こんな時ですが、少し質問が」


「なんだ?下らぬ事を聞くなら、後悔する事になるぞ」

「ええ、分かっていますよ、でも気になって・・アレは・・なに?なんで?」


?「なんだ?何のことだ?」男の右横を見て指さす私と、同じ方を向く細魚使い。


 ええ、なんで?なんで・・きさまは、戦いの最中によそ見をしているんですか!

「死ねぇぇぇぇぇ!!!」

 ロメ雄は素早くマグロを掴み上げ、飛び上がって打下ろした!


「それも、無駄な事」手の平に銀の光りが集まり、細長い・・サンマ?・・

細魚を模した剣が生まれ、マグロの顔を切り裂いた。

(チッ、不意伐ちで叫ぶとは一生の不覚!)


「?貴様、なんのつもりだ?」

『マグロは雑魚に負けない、その通りだ。幾年[いくねん]も眠り続けて忘れていた』

あと卑怯だな、ロメ雄、そうマグロの心が聞こえた。


「そやで!卑怯な手を使っての不意伐ち、そして不発。格好わる!」

 犬の声は聞こえない!

 

 斬られたはずの顔は無傷、そして男の切っ先を・・なんと言うか、細い・ひょろ長い

腕が掴んでいる。


『・・敵は数千、扱う者は熟練の者。対してこちらは目覚めたばかりのマグロと漁師見習いにも及ばない新人・・丁度良いハンデだ』


 ぬりゅんとひょろ長い足?を伸ばし、マグロが立ち上げる。

その体の表面はつやつやとして、冷凍マグロとは別人?だ!


『さぁロメ雄、私の名を言え。』

・・・「メバチまぐろう?」

『違う!真の名だ!お前には聞こえ無かったのか!』

 そう・・確かに聞いた、(水中だけど・そしてマグロの口パクだけど)


「戦え!マグロマン!その名を武神・メバチ=マグロマン!」


『武神・・か、敗北者の私は、今はただのマグロの戦士。武人・メバチマグロだ!』 大きな目玉が光り、口が開く。拳を固め、足が地面を打つ。

「掛かって来い!雑魚共、マグロの力を見せてやる!」

冷凍マグロが出てきた時点で、マグロマンを予想できた方々、素晴らしい漫画読みだと思います。

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