犬とゾンビと目玉、三位一体はなるか!?
ゆっくりと下ろされる刀の前に犬が飛び出していた、(この!馬鹿犬!)
ロメ雄の右腕はその尻尾を掴み、引っ張っていた。
「・・なんだ、いい顔してんじゃねぇか。その方が殺りがいあるぜ」
「馬鹿犬!犬の仕事は適当にぶつかってやられて転がるのが仕事でしょうが!危うく死ぬ所だったでしょうが!」
死ぬのは痛いっぽいんですよ!?
・・・「ロメ雄・・もう一遍や、今のやつ、もう一回やるで」
「なに馬鹿な事を言っているんです、ゾンビは切れてても死にませんが、人面犬は死ぬんですよ?」
・・・頭でも打ったんですか?・・・・本気・・なのか?
「ロメ雄、ワシを掴んで思いっ切り投げろ、なにか閃きそうなんや」
まじですか・・動物保護団体に怒られそうですが・・本気で投げますよ?
「親分、これからが本気だ。腕を繋ぐまで、ちょっと時間をもらいますよ」
腕と胸が裂け、戦える状態じゃない。バトルマニアなら万全・・とまでは言いませんが、
戦えるならまってもらえるでしょう?
「時間稼ぎならその場で殺す・・・どのくらいだ」
「3・・1分、腕を繋ぐだけならそれで十分」
いい目じゃねぇか、そんな言葉を背にして腕の縫い付けを始める、骨・筋肉・ソレさえ繋げば、
薬草を貼り付けるだけでくっつく謎バディー。
「仕切り直しは終わりです」犬、死ぬなよ?
右手にマグロを掴み、左には犬。マグロの殴打で隙を作って犬を投げる!
ちなみにですが、[誘う踊り]を始めようとしたら鬼のような目で見下ろされ、
殺されるかと思いました。いやあれは本気で殺す目でしたよ。
「でぇりゃぁぁぁ」気合いを込める意味は解りませんが、ゾンビパワーで横薙ぎ。
マグロを遠心力で振り回す。
鈍器で壁を打つような重い手応えと、微動だに為ない親分。少しくらいは・・て、ふところに左腕を突っ込んで戦っている?ゾンビと犬程度なら、片手で十分って事ですか!
(ですが、わざわざ隙を作ってくれているんです。犬、投げますよ!)
思いっ切りマグロで叩き付けたあと、素早く左手を放し犬を掴んで投げる。
犬は体当たりのように頭がらぶつかり、その石頭で親分を驚かす。
「ちゃう、これやない!もう一回や!」
親分のノコギリが頭をかすめ、衝撃に振り回されながら体を回転してマグロを振る。
殴っても殴っても、硬い筋肉にダメージが入っている気がしない、そのくせ段々嬉しそうに
口角を上げて笑い顔になるのは、ただただ恐い。
「やるじゃねぇか、もっと来いよ。命を賭けて掛かって来い!」
ノコギリの速度と腕の振りが早くなる、やめて下さいよ、平和・良い物・皆友達。
「まだいけますか、こっちは限界が近いんですが!」
「あとちょっとなんや、後少し、あと少しで閃くきがするんや・・」
額が赤く、口からも赤いヨダレを流し犬も限界が近いくせに、犬?なにを狙っている?
(次ぎでなにもなければ・・・土下座かな)
ロメ雄がスーパー土下座の覚悟を決めた中、親分の大振りがマグロを削る。
くっ「重いですが・・今ですよ!」
犬を投げた瞬間、親分は面倒くさそうに犬をはたき落とす。
「もう見飽きた、お前らの根性だけは認めてやるが・・・?」
無意味に弾かれたはずの親分の体に傷が付いて・・何があった?
「そうやな親分、あんたさんの認めた根性が、どうやら形に成ったみたいやで。
ロメ雄!待たせたな、ワシの新しい技!効果は抜群のようやで!」
顔面を血に染めた犬が不敵に笑う、その血は返り血なのか?
「一発行こうぜ相棒!」犬が吠える。
・・・(技が出来て興奮状態ですか・・まぐれ当りで倒せる相手でも無いでしょうに)
「それなら・・その一撃、完璧な状態で決めるべきです。その隙は・・私が・・
私の目玉の神様にお願いしませんか?」
と言う訳で、あっちを足止めするとか、油断させる方法ってお持ちで無いでしょうか?
仮にも時間神の末端、なにかあるでしょう?
『なにを期待しているのかは知らんが、私は何も出来んぞ?なんども言うようだが、
私は、今にも停止しようとしている本体の端末、ただのレンズに過ぎん。
本体に今見えている情報を送る部品に過ぎんのだ』
・・・(そうはいっても)・・仕方ない、こっちも切羽詰まっているんですよ。たとえ端末でも、
今が全力って事は無いでしょう?
(その限界を・神のレンズの限界を超えてもらいます)
「・・そうですね、確かに今の目玉の神様は本体に情報を送る部品に過ぎないでしょう。ですが、
神様が力とか知恵を貸してくれないと・・今にも停止しようとしている本体に送る情報が・・
犬の尻と陰嚢[ふぐり]だけになってしまいますよ?」
それでもいいのですか?停止する最後の瞬間の映像が、犬のしりと陰嚢になっても。
?!!!?最悪の脅迫は、目玉の電圧と振動でロメ雄の脳髄に伝わる。それはそうでしょう、
世界の時間を管理していた神の最後に見えるのが犬の尻、それは耐えられないでしうね。
『・・待て!それは・・・本気か???・・いや確かにこのまま、お前達が倒れたとして・・
お前の性格上そんな嫌がらせをする確立は・・たしかにある・・が・・』
ぷるぷるぷる、私の左目が振動し、点滅を繰り返す。神の計算がゼロでは無い可能生に怯えているのでしょうね。
世の中にはね、
「死なば諸共[もろとも]、そんな言葉があるんですよ。」




