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異世界で目が覚めたらゾンビだった、死にたく無いのでお金を貯めて復活したい。  作者: 葵卯一
次の舞台は多分海、きっと海になると思う。
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ついにロメオの武器が決まる。

『ならば振るえ、我が体!渾身の力で敵を打ち払え!』

 獲った魚を入れて置く氷室から巨大な・・そうそれは剰りにも巨大な氷りの・・・魚・・

重さ七十キロはあるだろう、完全に氷りついた冷凍マグロが飛び出し、甲板に突き刺さる。


「お前も海に選ばれた・・と言うわけか・・」

 蝦蛄丸[しゃこまる]を胴体に巻き、体が崩れるのを防いでいる船長。

(海に選ばれるって何でしょう?)


ゲハハハ「そいつはこの船が浮上した時に、自ら氷室に飛び込んで冷凍された変わり者だ!

まさか今まで眠ってやがったとはな!だがそいつは駄目だ、役に立たねぇ!」

ブヨブヨでデカいだけ・・じゃねぇけど・・なんとなく駄目だ!


 ハッキリして下さい!適当な駄目出しは後で後悔するんですよ!主に私が。


「ロメ雄と言ったな、お前はまだ海に選ばれただけだ、魚の声を聞け。お前の前に突き刺さる

魚の名前を、お前自身で聞くんだそれが・・初海・・[蟹漁師]としての1歩目だ・・さあ・・

恐れず掴め!」


・・・え~~掴むんですか?・・まだ氷ってますよ?カチカチに。

 船員の全員の視線がロメ雄に向く、そして凍り付いいているマグロもまた私を見ている。


「はよ掴め!」ってなんですか、何かの罰ゲームですか!

 手を伸ばし、その冷たい尾びれに触った。思った以上に冷たいし硬い。

『トウ!』触った瞬間にマグロが跳ねた。

甲板の上、ゆれる船、そしてマグロの重量。海を目指すようにマグロは飛び跳ね、

私と共に海中に落ちて・・沈んだ。


◇◇◇◇◇・・


 海の中は透明で、岩礁の上は海藻やウニ・・


『ようやく私の言葉を聞いてくれるのか・・まっていたぞ・・マグロの声を聞く者よ』

『アナタが沈めたんですよね?私を魚の餌にでもするつもりですか?』


・・・『私は・・私の名は・・』

(くっ!「え?何だって」ってとぼけたい、なんでこのマグロ、勝手に名乗るのです)


 まぁ海水でも呼吸する必要性はありませんから、溺れるってのとは少し違いますが

(この氷ったマグロを抱いての、入水自殺なんてシャレになりませんし)


「眼撥鮪朗・・」『え?何だって?聞こえ無いぞ?』

まぐろ・・キミがとぼけるのですか、クッ・・殺せ!こんな恥辱を!

・・

『目を開けろ!眼撥鮪朗[めばちまぐろう!]』

 まぶたの無い目が透き通り、大きな瞳に生気が宿る。DHA・EPAの輝きが目に優しい。


 ぴちぴちぴちぴちぴち!!!!シャキーーーン!!!


 目を開いたマグロは、泳いで船に飛び上がり再びその身を凍結させた。

「ようやく海の男・・訳して海男の目になったな、オレの見込んだ通りだ。

さぁお前の魂砕鎚であの蟹を打っ叩け!ヤツの甲羅を叩き割れ!」


「・・仮面っぽい甲羅を割っていいのですか?なんだか後々で・・それに、名前だってむりやり

聞かされたんですが・・」


「破面[アラン○ル]とか!そこまで伸ばす話じゃない!ささっと殺れ!」

誰かに怒られた気がする私は、やたら思い冷凍マグロを振り上げた。


 蟹面・・何となくおでんにしたら美味しそうな・・いいえ、蟹面を割ったら強くなったりしませんか?とは思いましたが、鈍器のような鈍器、自ら氷ったマグロを重さと共に振り下ろす。


 ゴシャッ!ぶしゃ!硬い甲羅はガラスのように砕け、中から白い身と黄色いミソが。・・

そういえば蟹のミソって肝臓とかそんな感じですってね。


『ガニガニガニ、まさかこんな所に四人も[蟹漁師]が!・・クソウ・・今は退かせてもらうゾ』

・・・蟹の声まで聞こえてきたような・・疲れているんでしょうね。


 逃がすな!ヤツらはまた漁師を襲う!オレ達[蟹漁師]は蟹を水揚げするのが仕事だ!

[魚道]の3タグ着け!

 蟹の腕に硬い光りのタグが巻き付き、腕を捕らえる!

「卿等は下がれ、私が押さえる・・[魚道]十一、串雷[くし・いかずち」


「なんて技ですか・・逃げようした蟹が・・・・串刺しにされて・・痺れている?」

 後いきなり私の背後に立たないで下さい、なんですか?背中にくっ着くのが好きなのですか?


 蟹の内一匹はその場で茹でられて、赤く染まる。その匂いは何と言うか・・鼻の奥に留まる

海のようで、少し苦みが混じるのはミソの香りか。


「ぷりぷりの白い肉とこの甘味!旨味!香りも堪らん!」

「深海の蟹は海の掃除屋と言う側面もある。陸から流れ込み、海の底に沈んだモノ

全てを腹に溜め込む。そして時々、こうやって陸に姿を現わす」


・・・そして陸の人間を海に引き込むのだと。

「だから我らのような蟹漁師が、海と陸のバランスを獲る体で、蟹を捕る。

全ては深界と現世の秩序の為・・という体だ」 


 深界・・聞かなかった事にしよう、とんでも無く嫌な方向に進んでいる感じがしますので。


「そう、海人と蟹漁師が住む深界だ!オレ達蟹漁師は、あの竜王様が治める深界の漁師なんだぜ」

凄いだろ!って・・


(ここで竜王とは・・ね)

「ロメ雄、お前も蟹漁師になったのだ、1度深界に行く必要がある・・わかるな?」


そんな事言われても!全然解りませんけど! 

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