↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
一人だけ別の場所に召喚された勇者(仮)  作者: 鳩ゆうら
第3章
74/83

第七十四話 部屋の中ⅳ

 エルシー様が部屋に入ってきた女性の方へ駆け寄る。


「リーヴルさん、それは本当なのですか!」


 どうやらこの女性は、リーヴルという名前のようだ。

 確かこの人は、王座のまで俺が勇者だと説明している時に、ミストール様の斜め後ろでダーマリーさんと一緒に立っていた人だ。

 多分、魔法騎士団の副団長だろう。


「残念ながら事実です……魔法で確認したところ、ゆっくりですがリフホーネに向かってきています。あと、新魔王軍を目撃、幹部らしき人物もいたそうです」


 新魔王軍の幹部と聞いて、輝や彩香の表情が強張る。


(…………幹部?)


俺は新魔王軍の幹部と聞いても全くピンとこない。

 そもそも俺は、新魔王軍についてあまり知らない。

 幹部がいること自体、初めて知った。

 授業でも、新魔王軍は危険だとしか聞いていないのだ。

 今は新魔王軍の幹部よりも……


「みんなは無事なんですか!」


 ルレベの森に実践訓練をしに言っている、人たちの方が心配だ。

 あれから30分以上は経っている。そろそろルレベの森に着く頃のはず。

 新魔王軍と 戦っているなら、今すぐ向かわないといけない。


「確か貴方は……カナタ様でしたね。みなさん無事ですよ。ルレベの森に入る前に異変に気付いた生徒がいたそうなので、新魔王軍や魔物との戦闘は行なっていません。報告があってすぐにテレポート部隊が向かったので、今はリフホーネに戻ってきていると思います」

「よかった……」


 みんなが無事だと聞いて少しホッとしたが、安心はできない。


「これから、リフホーネの西門前にて、新魔王軍と魔物たちを迎え撃ちます。勇者様方、どうか力を貸してください」


 そう言ってリーヴルさんが、俺たちに頭を下げる。

 それを見た輝がリーヴルさんの前まで移動した。


「俺は勇者です。力を貸すなんて当たり前じゃないですか。それに俺はこの街が大好きなんです。正直、新魔王軍の幹部は怖いですけど、俺で良ければいくらでも力を貸しますよ」


「輝、私達が入ってないわよ」


 彩香と美咲が輝の両隣に立つ。


「ここにいないみんなも、この街を救いたい気持ちはみんな同じ。今回は勝ちましょう」

「大丈夫、私達も強くなった」

 

 輝がお前らみたいな顔で、彩香と美咲を見る。

 エルシー様は申し訳なさそうに輝たちをみている。

 そして、一人取り残された感満載の俺は、黙って輝たちの様子を見守ることにした。


「ありがとうございます。戦闘準備が出来次第、西門前に集まって下さい」


 リーヴルさんは『私も急いで準備をしますので』と言って部屋を出て言った。


「アキラ様、アヤカ様、ミサキちゃん、ごめんなさいなのです。私が召喚したばかりに、また危険な目に……」


 エルシー様は今にも泣きそな顔になっていた。

 すると、彩香がエルシー様の目の前まで移動し、膝をつく。

 そして、エルシーの目線を合わせてこう言った。


「大丈夫ですよエルシー様。私達は自分の意思で守ると決めたんですから。私達も準備してきますね」


 そう言われたエルシー様は黙って頷く。

 

「エルシー様は安全な所に避難していてください」

「それは嫌なのです! 私も無の巫女として一緒に戦うのです」

「それは…………」


 彩香が言葉に詰まる。

 いくら無の巫女だとしても、エルシー様が戦うのには、まだ早いと思っているのだろう。


「わかった」

「美咲!?」


 彩香が勢いよく立ち上がり、美咲をみる。

 美咲が了承するとは思わなかったのだろう。

 実際、俺や輝も驚いている。


「でも、でくるだけそらの側にいて、そらの近くが一番安全だから」

「わかったのです」


 美咲がエルシー様の頭を優しく撫でたあと、美咲は部屋を出て行った。

 その後ろを彩香と輝がついていく。


 なんかみんながカッコイイ。

 3人の様子を見守っていた俺の感想だ。


「エルシー様は必ず俺が守りますが、万が一危なくなっくなったらテレポートで逃げて下さいね。あっ! エルシー様、テレポートは使えますか?」

「ちゃんと使えるのです!」


 エルシー様は元気よく返事をした。


「あとは、無の巫女のペンダントは必ずつけてきて下さい。エルシー様の力になるはずです」

「わかったのです」


(俺もカッコイイとこ見せますか)

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。