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一人だけ別の場所に召喚された勇者(仮)  作者: 鳩ゆうら
第3章
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第六十九話 説明

「わかっていただけでしょうかミストール様。俺は輝たちと同じ勇者です」


 全ての決闘が終了した後、俺はリフホーネ城の王座にいた。

 俺の後ろには、輝たち勇者と、ダーマリーさんが立っている。


「俺たちも言ったようにそらが勇者であることを保証します」


 みんなに証言してもらいながら、ミストール様に俺が勇者であることを話したのだ。

 他のツバサ学園の生徒や、魔法騎士団の人わたちは、ルレベの森に行き、実践訓練をしている。

 本当なら俺も参加するはずだったのだが、会長さんに……

 『ソラ様は訓練の必要がないので、ミサキ様を含む勇者様たちとリフホーネ城にお向かいくださいませ』

 と、言われたので俺は実践訓練も受けずにここにいるのだ。

 ついでに言うと、美咲も証言して貰うためにこちらに来てもらっている。


「私は最初から君が、勇者様だとわかっていたよ。もちろん女神レーアス様に召喚されたことも……ほんとだぞ……そもそも、マフカースに黒髪がいるわけないじゃないか」


 『ははは』と笑いながら言うミストール様。

 先程まで驚きすぎて固まっていた、周りの貴族たちも苦笑いだ。


「俺が勇者だと分かっていただけたところで、一つお願いがあります。エルシー様に会わせていただけないでしょうか」

「何故エルシーに会いたいんだ」


 ミストール様の顔つきが一瞬にして変わり、俺を睨んだまま固まった。

 そして……


「……まさか!?……たとえ勇者様でも私は認めないぞ!」

「えっと……どう言うことでしょうかミストール様?」


 この王が何を言っているのか全然わからない。

 周りを見れば、みんな俺と同じような表情をしている。


「何をとぼけている。そもそも貴様にお義父さん呼ばれる筋合いはない」


(いや、言ってないし……)


 確か、『お義父さんと呼ばれる筋合いはない』を日本的に直訳すると……

 『君に娘をやるつもりはない』

 だったはずだ。

 これはドラマなどでよくある。結婚相手の両親に『娘さんを僕にください』と言った後に結婚相手の父親から言われる言葉。

 つまり、エルシー様に合いたいと言ったところから想像を膨らませ、俺がエルシー様と結婚をしたいと思っているようだ。

 ほんとジェクトさんといい、この世界の王様にはろくな人がいないのか?


 そんなことを考えていると、1人の貴様の人がミストール様に近づき耳打ちをした。

 すると、ミストール様の顔が見る見るうちに赤くなっていった。

 どうやらあの貴様の人がジェクトさんの誤解を解いているようだ。


「……少し取り乱した。エルシーと会いたい……だったかな」


 少しではなく、普通に取り乱していた気がするのは気のせいだろうか……


「はい。エルシー様と話したいことがあるので」

「それは、先程説明にあった使命に関わることなのか?」


 俺はミストール様の問いに無言で頷いた。


「それならエルシーの部屋まで案内させよう」


 ミストール様が辺りを見渡す。

 俺を案内してくれる人を探しているのだろう。


 急に隣から


「ミストール様。私がそらをエルシーの部屋まで案内しますよ」


 そう言ったのは彩香だ。

 いつの間にか俺の横に立っている。


「それなら、アヤカ様にお願い……」

「私も行く」

「そらに協力するって言ったし、俺もついていきます」


 ミストール様の言葉を遮るように、美咲と輝が発言をした。


「……それでは、アヤカ様、ミサキ様、アキラ様に案内してもらってくれ」



 俺たちは久しぶりに、4人で行動することになった。

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