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一人だけ別の場所に召喚された勇者(仮)  作者: 鳩ゆうら
第3章
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第六十四話 やっと開始

更新遅くてすみません。

「いくつか聞きたいことがあるんだけど、聞いてもいい?」

「ダーマリーさんたちが待ってるし、そろそろ行かないと……」


 俺は決闘をする為に前に出てきたのに、彩香と喋り、リラたちが自己紹介をしたことにより、10分以上は経っていた。

 決闘が始まらないからか、1人を除いた男たちの元気がない。


「でも、みんなに頼みたいことがあるから、後で話そう」


 ミストール様に俺が勇者だと分かってもらい、エルシー様と話す機会をもらわなければならない。


「わかった。決闘頑張ってね」


 彩香に声援を送られた後、リラたちからは『程々にね』と言われた。


「やっと来たかカナタくん」

「すみませんダーマリーさん」

「これより決闘を始める。3人とも準備はいいか?」


 そう言ってダーマリーさんは俺たちを見る

 するとリンデさんが、


「団長……本気ですか? 私たち2人でカナタさんの相手をするなんて……」


 多分リンデさんはこう言いたいのだろう。

 いくら俺が、多くの上級魔法を使えるとしても、魔法騎士団のリンデさんとヒルデさんの2人が相手では、俺が可哀想だ。

 と、


「そうですよ。私たち2人だけでカナタさんの相手が務まるはずがないです。私たち瞬殺ですよ」


(そっちかい!)


 ヒルデさんは俺を見る。

 俺はニコッと笑うしかなかった。


「私たちの願いだ。本当だったら俺たち全員でソラ君を倒すさ、でも……私たちの心はもう既にボコボコにやられているんだ。私たちの代わりにどうか一矢報いてくれ」


 俺にはダーマリーさんたちの心をボコボコにした覚えはない。

  なのに何故、俺が目の敵になっているのだろうか?


「あのハーレム野郎をボコボコにしてやってくれ」


 1人の勇者からそんなか声が上がった。

 すると、『がんばれー2人とも』『みんなの思いを託したぞ』などの声援が、リンデさんとヒルデさんの2人に送られた。


(俺は決して、ハーレム野郎じゃない!)


「勇者様たちが、私たちを応援してくれていますよ」

「そうですね! リン! 私、やる気が出て来ました」


 そう言って2人は俺の方を見て、鞘から長剣をぬいた。

 準備完了ということだろう。


「がんばってソラ」「(わたくし)たちがついていますわ」「そら、ファイト」


 リンデさんとヒルデさんに送られた声援に対抗するかのように、リラたちが俺に再び声援を送ってくれた。


(俺も頑張るか)


 そんなことを思っていると、どこからともなく、突き刺さるような多くの視線を浴びせられた。

 矛先を見ると、そこには1人を除く男子勇者たちが凄い目力で俺を見ていたのだ。

 例外のである輝は『いつものことだ』みたいな顔で俺を見ている。

 俺は男子勇者たちの視線を無視して、サフィークから長剣を取り出して構えた。

 サフィークから長剣を取り出したことに、殆どの人が驚いていたが気にしない。


「準備完了のようだな」


 ダーマリーさんがリンデさんたちと俺を見て言った。俺たちは頷く。


「それでは決闘開始!」


 開始と同時に俺たちはフォースを唱えた。


「【シャイニングフォース】」

「【ダークフォース】」


 リンデさんの手足が黄色く輝き、ヒルデさんの手足が黒く輝いた。


「【アクアフォース】」


 俺の全身が青く輝き始める。


「ヒーちゃん……この時点で私たち負けてますよ……学生が全身強化なんて……」

「ヒーちゃん言わない……リンも薄々気づいていると思うけど、カナタさんは勇者かもしれないわよ」


 やっぱり俺たちの話しを聞いていたら、誰だって気がつくよな……


(はぁー)


 あの王様がこの場にいたら、話しが早く進むのに……


「「いきます!」」


 そう言ってリンデさんとヒルデさんが、俺に向かって走ってきた。


(どうしよう……)


 長剣を抜いて決闘に挑もうと思ったのはいいが、俺はまだ基礎しかやっていない。

 いつもは身体能力のゴリ押しで、長剣の腕は未だに初級レベルなのだ。

 そんな俺が魔法騎士団である2人に対して、長剣を構えている。

 特にヒルデさんは長剣の扱いがうまそうだ。


(今思ったけど俺……人相手に長剣で相手をするのは初めてじゃないか……)


 しかも、長剣で可愛い女性を傷つけることはできない。

 相手が男だったら、容赦はしなかったかもしれない。たぶん……


 俺は長剣を地面に落とした。

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