↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
一人だけ別の場所に召喚された勇者(仮)  作者: 鳩ゆうら
第3章
61/83

第六十一話 考える

 俺は今、ちょー豪華な銭湯みたいな所にいる。


「ふ〜ぁ〜。やっぱり広い風呂はいいなぁ〜」


 10人以上の人が余裕で入るくらい、広い浴槽で疲れを癒している。

 会長さんと話している間に、風呂に入り終わったのか、俺以外誰もいない。貸切状態だ。


「今日はいろいろあったなぁー」


 訓練中にカカリを通じて現れたレーアス様から、3人目の巫女と既に会っていることを聞いた。

 これに関しては、本当に誰が巫女なのか、全く想像がつかない。

 マフカースに召喚されてから、俺は多くの人たちと出会っているのだ。

 更には会長さんから聞いた、無の巫女かもしれない人物……エルシー様。


(何か……共通点があればいいんだけど……)


 今の所わかっているのは……

 風の巫女がリーラ・レイシャン。

 水の巫女がカカリ・ディアナ。

 無の巫女(候補)エルシー・リフホーネだ。

 この3人に共通点があると言えば、年が近いこととぐらいだが……


(そう言えば! ……ばぁちゃんとマーシさん以外の巫女の人たちは、どんな人たちだったんだ?)


 共通点で700年前と現在(いま)を比べてみようと思ったが……

 俺は700年前の巫女について、殆ど知らなかった。

 そもそも、700年前に勇者ツバサと共に魔王を倒した巫女たちの詳細は、未だに殆ど不明だ。

 教科書や本にも、7人の巫女としか書いてなく、巫女たちの名前すら書かれていない。


「考えるのはやめよう」


 考えるのはやめて、明日の訓練に向けて身体を癒そう。

 と、思った時……ふと、一つのことが頭を過ぎった。

 

(あれ? 彩香たちに会うって言っても、どうやって会うんだ?)


 明日は今日と同じように、訓練はある。

 まずは、魔法騎士団の人たちと一対一で、決闘と言うより、一対一で勝負をする事になっている。

 もちろん魔法騎士団の人たちは手加減をしてくれる事になっているが……

 その後には、今日と同じようにルレベの森での実践訓練を行う。

 しかも、今日よりも実践訓練の時間は長い。

 ハードスケジュールだ。

 明後日は筋肉痛確定だろう。


「あれ? 会う時間すらない……」

 

 そもそも彩香たちが、明日リフホーネに帰ってくることがわかっていても、何時(いつ)ぐらいに帰ってくるかはわからない。

 時間があれば、29人もいるのだから、1人ぐらい会えるだろうが……俺にはその時間がない。

 本当に会えるのだろうか?


「会う時間がないと言うのは、勇者様たちの事ですわよね?」

「そうです」

「それなら大丈夫ですわよ。(わたくし)にお任せくださいませ」


 どうらら会長さんは、彩香たちと会えるように考えてくれているようだ。


「って!? かっかっかっ……会長さん!? ちょっと待って! なんで!? ……会長さんが!?」


 俺は物凄い混乱していた。

 いつの間にか会長さんが、浴槽の前に立っていたのだ。

 ちゃんとオシャレなバスタオルみたいな物を羽織っている。


「なんでって……ソラ様のお背中を流させて貰いに来たのですわ」

「俺はもう、身体は洗いましたから結構です! それにここは男性専用ですよ!」


 俺は会長さんから視線を逸らして言った。


「安心してくださいソラ様。女性専用に変更してきましたわ。それにこの時間には誰も入ってきませんわよ」


(どこに安心できる要素があるんだよ!)


 会長さんの視線が物凄い向けられている気がする。


「えっと……本当に間に合っているんで他をあたってください。それに貴族の女性がこんなことをしていいんですか?」


「ソラ様は(わたくし)にとって特別な人ですわ。(わたくし)がお背中を流すのは当然のことですわよ」


 何を言っているんだろうこの人は……


「さぁソラ様! 早くこちらに座ってくださいませ。(わたくし)がお背中を流しますわ!」

「………………」

「ソラ様聞いていますの?」

「………………」


(どうする……)


 俺はどうやってここから逃げ出すか考えていた。

 もうあの方法しかない……と言うより混乱していてこの方法しか思いつかない。


「あっ! あそこにUFが!?」


 俺は適当な方向を指をさして、前みたいに俺から視線を逸らさせようとする。


「ゆーふぉーって何ですの? 前にも言ってましたわよね? 一体……どれのことですの?」

「あれですよ! 右奥で飛んでいる変な形の……」


 会長さんの視線が俺から逸れた瞬間、俺は浴槽から出て、急いでタオルを腰に巻き、風呂場の外に出た。


「よかったー。また引っかかってくれて……」


 ホッとしていると、会長さんが風呂場から出てきた。


「ひどいですわよ……ソラ様……(わたくし)を騙すなんて……」


 会長さんが泣きそうな顔でジッと俺を見る。


「ソラ様一生のお願いですわ。(わたくし)にお背中を流させてください」


 会長さんが俺に頭を下げた。


(どんだけ背中を流したいんだよ)


「……わかりました。背中だけですよ」

「ありがとうございますわ」


 会長さんは笑顔で俺に言った。

 背中だけなら何も問題はない……そう思いながら俺は風呂場に戻る。


 会長さんは寝るまで凄いご機嫌だった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。