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一人だけ別の場所に召喚された勇者(仮)  作者: 鳩ゆうら
第3章
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第六十話 まさかの情報


 食事を終えた後、生徒会メンバーはその場に残り、生徒会会議を始めた。


「まずは今日の報告です。ルレベの森で怪我をした生徒はいませんでしたが、私を含めて殆どの生徒が、魔法騎士団の方々に守られた形でした」


 悔しそうな顔で報告するクロームさん。

 殆どの生徒が、実戦訓練中に魔物を攻撃を受けそうになった時、対処できず、魔法騎士団の人たちに助けてもらったらしい。

 実際、美咲の班と俺の班以外の班は、魔法騎士団の人たちがいなかったら、確実に大怪我を負っていたそうだ。


「次に明日についてですが、今のところ予定通りに進行する予定です」


 明日の日程について、詳しく話をした後、生徒会会議は、終了した。


「ソラ様……少しお話ししたいことがありますわ」


 俺が席を立ち、部屋を出ようとしたら、会長さんに引き止められた。

 俺たち以外の生徒会メンバーが、部屋を出たことを確認した会長さんは……


「実は(わたくし)……巫女かもしれない人物に、心当たりがありますの」

「本当ですか!?」


 俺はレーアス様から、3人目の巫女と会っていると聞いて、ずっとでは無いが、誰が巫女なのかを考えていた。

 だけど……検討が全くつかなかった。

 そもそも巫女の称号を持っているのなら、有名になっているはずなのだ。

 勇者の話はよく聞いてきたが、巫女の話は全くなかった。噂すらないのだ。

 つまり、巫女だということを隠しているか

自分ですら気づいていないかのどっちかなのだ。


(わたくし)は、エルシー・リフホーネ様が無の巫女だと思っていますわ」


 エルシー・リフホーネ。

 それはリフホーネの第一王女の名前だ。美咲たち勇者を召喚した人物でもある。

 でも……俺はエルシー様と会ったことは一度もない。

 そのことを会長さんに言おうとしたら……


「ソラ様がエルシー様にお会いしたことがないのは、ご存知ですわ」

「と言うことは……」

「エルシー様は3人目の巫女では無く、4人目の巫女ですわ」


 まさか3人目の巫女の情報では無く、4人目の巫女の情報とは思わなかった。


「ソラ様も知っての通り、エルシー様は勇者様たちの召喚に成功しましたわ」


 勇者を召喚するための魔法は、最上級魔法だ。

 今思えば、俺より年下の子が、最上級魔法を使えることは、普通はありえない。


(わたくし)の知る限り、勇者様の召喚に成功しましたのは、エルシー様と無の巫女であったエルシャ様だけですわ」


 エルシャ・リフホーネ。

 勇者ツバサを召喚に成功した人で、元々この世界の住人だった人だ。俺の祖母で、今は地球で暮らしている。


(なんで気づかなかったんだ……)


 今思えば、エルシー様が無の巫女の可能性が高い。


「エルシー様が無の巫女の可能性は、俺も考えていました」


 本当は全く気が付いていないし、考えてもいなかったが……反射的に『考えていた』と言ってしまった。


「流石ソラ様ですわ。(わたくし)が言うまでもなかったみたいですわね」


 会長さんが笑っている。

 どうやら、俺が気が付いていなかったことがバレているようだ。


(わたくし)がエルシー様を無の巫女だと思った理由が、あと一つありますわ」

「あと一つですか?」

「昔、エルシー様は自慢するように、(わたくし)に言っていました。自分は無の巫女だと……」


 会長さんに詳しく話を聞くと、会長さんがツバサ学園に入学する前、エルシー様と何度もあっていたそうだ。

 その都度、エルシー様に自分は無の巫女だと自慢されていたらしいが、当時の会長さんは、信じなかった。

 何故かというと、巫女たちは700年前から一度も現れていなかったからだ。


「レーアス様にリーラさんとカカリ様が巫女だと聞いて、本当に驚きましたわ」


 勇者は再び召喚されたが、勇者と7人の巫女たちは、フーライラと同じように、伝説的な存在なのだ。

 今日、レーアス様から巫女の存在を聞いたから、エルシー様が言ったことは嘘では無かったかもしれないと思ったらしい。


「それでソラ様はどうしますの? (わたくし)は一度、エルシー様に会って、確かめた方が良いと思いますが……」

「ただの学生が会えませんよね」


 エルシー様はリフホーネの第一王女様だ。そう簡単には会えない。

 ミストール様には会えたけど……


「一つお聞きしたいのですが……ソラ様が勇者様だと言うことは、公表してよろしいのでしょうか?」

「フーライラを倒した事は言えないですけど、俺が勇者である事自体は、公表しても大丈夫です」


 多分会長さんが言いたいのは、ミストール様に俺が勇者であることを言って、エルシー様に会えるように掛け合うつもりなのだろう。

 でもミストール様は俺のことを、『勇者様ような人材』と言ったのだ。

 俺が『実は勇者なんです』

 と、言ったとしても、とても信じて貰える気がしない。


「明日は他の勇者様たちが帰ってくるそうですし、ミサキ様とご一緒に、他の勇者様とお会いしてきたらどうですか?」

「みんなにですか……」

「他の勇者様が皆、ソラ様を異世界から来たことを認めれば、ミストール様も少しは、ソラ様の話を信じてくれますわよ」


 俺は彩香たちに会えるかもしれないではなく、会う事になった。

最近忙しく更新速度が落ちています。

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