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一人だけ別の場所に召喚された勇者(仮)  作者: 鳩ゆうら
第3章
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第五十九話 館

 俺と会長さんは、館の中にある、一つの部屋の前に来ていた。

 

「この中が、(わたくし)たちの泊まる部屋ですわ」


 気のせいだろうか……会長さんが今、すごいことを言った気がする。


「会長さん……もう一度言ってくれませんか? よく聞こえなくて……」


 どうか……聞き間違いであってほしい。

 と、言う思いで、聞き返したのだが……


「ここが、 (わたくし)とソラ様が寝泊まりする部屋ですわ」


 そう言いながら、会長さんは部屋のドアを開ける。

 部屋の中は広く、凄く豪華だった。

 日本にある、高級ホテル並み以上だと思う(俺は高級ホテルに泊まったことは、一度もない)


 しかも、聞き間違いじゃなかった……


「いやいや! 何言ってるんですか! 冗談言うのは、やめてくださいよ」

「冗談ではありませんわよ。女子生徒が21名、男子生徒が9名ですもの、一つの部屋だけ、男女混合なのですわ」


 男子生徒と女子生徒がが1人ずつ余るのはわかった。

 だからと言って、男女混合の部屋が一つできていいわけがない。


「あと一部屋だけでも余って無いんですか?」

「すいません……ソラ様、残りの部屋は、今回は使用人が使っていますわ」


 会長さんはもうしわけなさそうにいった。


「会長さんと同じ部屋って言うのは……」

(わたくし)と同じ部屋は嫌ですの?」


 会長さんが泣きそうな顔で、俺を見つめる。


「嫌じゃ無いです! でも、会長さんは貴族様の女性ですし……」


 しかも会長さんは、リフホーネでも地位の高い貴族だ。

 そんな高貴な人と同じ部屋なのは、問題があると思う。

 と、言うより問題だらけだ。


「それを言うなら、カカリ様はお姫様ですわよ」

「それは……」


 カカリはディアナ王国の第2王女だ。当然会長さんよりも身分が高い。

 そのカカリと俺は、ツバサ寮で暮らしている。どっちかというと、こっちの方が大事(おおごと)だ。


「でも同じ部屋じゃないですよ!?」

「ベットも離れていますし、(わたくし)は何もしませんわ。安心して眠ってくださいませ」


(聞いてないし……)


 どうやら、俺がこの部屋で寝泊まりするのは確定らしい。

 あきらめて必要な荷物をサフィークから出そうとした時、あることを思い出した。


「そう言えば! みんなの荷物はどうすればいいですか?」


 サフィークの中には、リフホーネ遠征訓練に参加している生徒、全員分の荷物が入っている。


「今から食事で一度集まるので、そこで皆さんに渡しますわ」

「わかりました」

「それと、(わたくし)たちが同室であることは、内密にお願いいたしますわ」


 会長さんは俺の耳元に近づき、ささやいた。

 何故わざわざ、耳元でささやいたのかはわからなかったが、俺は頷くことしかできなかった。


「いきますわよソラ様」


 俺たちが、みんなが集まっている部屋にはいると、長く大きなテーブルの周りに、生徒たちが既に椅子に座っていた。

 テーブルの上には、それぞれ豪華な料理が並べてある。

 使用人の人が、俺と会長さんを席まで案内してくれた。

 俺と会長さんも席に着くと、使用人の人たちが、全員のグラスに飲み物を注いでいく。


「皆さんお疲れ様でしたわ。今日は疲れていると思いますので、食事、入浴を済ましたら、ゆっくりと休んでくださいですわ」

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