第五十六話 ルレベの森i
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俺たちは今、ルレベの森の前に来ている。
ルレベの森は、道が整備されていないところ以外は、樹海見たいになっていた。
「最初はFランクの魔物ですが危険です。くれぐれも油断しないように……私たちもできるだけサポートをしますが、目的は経験を積むことですので、あまり頼りにしないでください」
「この森は奥に行くほど、魔物のランクが上がっていきます。決して私たちの許可がなく、先に進まないでください」
リンデさんとヒルデさんが交互に言うと、
「「それではルレベの森訓練を始めたいと思います」」
完璧に声が揃っていた。おそらく練習していたのだろう。
2人ともきまったって顔をしている。
「とりあえず私たちについて来て下さい。大まかなルートは決まっているので」
他の班と鉢合わせにならないように、予めに道が決まっているそうだ。
俺たちは、整備されていない道を進む。
ルレベの森を少し進むと……
「とまってください」
先頭を歩いていたヒルデさんが、小さい声で言った。
俺たちは指示どうりその場に止まる。
「まずはあの魔物を倒してもらおうと思います」
ヒルデさんが指をさすその先には、緑色の毛がフサフサのサルみたいな魔物の群が、木の実を食べていた。サルと言っても、体は俺よりも大きい。
カカリがその魔物を見て、俺の後ろに隠れた。
「私……初めて魔物を見ました」
俺の後ろで呟くカカリ。
少し震えている。
「俺も魔物を初めて見た時は、殺されるって思ったよ」
「ソラ君がですか!?」
何故かカカリに、無茶苦茶驚かれた。
「ディアナ様、大きな声はお控えください。魔物に気付かれてしまいます」
リンデさんがカカリを注意したが、それは遅かった。
サル見たいな魔物が、キィーキィーと鳴きながら、こっちに向かってきたのだ。
カカリ、会長さん、トピアリーさんの3人がビクッとなる。
それを見たヒルデさんは……
「まずは魔法騎士団として、私がお手本を見せましょう」
ヒルデさんはそう言って、鞘から長剣を抜き、1人でサルみたいな魔物に向って行った。
「リンデさんは行かなくていいんですか?」
あっという間にヒルデさんは、サルみたいな魔物に囲まれた。
「私は回復担当なので、あまり戦闘は得意じゃないんですよ。双子なのに戦闘スタイルは全然似てないんですよねー」
「双子だったんですか!?」
「言ってませんでしたっけ? 私とヒーちゃんは双子ですよ。ついでに言うと私が姉です」
(言ってない……)
普通に姉妹だと思っていた。
あと、ヒルデさんが姉じゃなかったのか……
「それにあの魔物はFランクですし」
リンデさんはサルみたいな魔物を見た。
「でも強そうですよ。あの魔物」
それに数も多いい。
「大丈夫ですよ見た目だけですから。倒したらわかると思いますが、あの魔物は弱いんですよって……聞いてます?」
(試しに倒してみるか……)
「【フリーズ】」
サルみたいな魔物がどんどん凍り始める。
「やっぱ、森の中はこの魔法が一番だよなぁー」
効果は絶大。さらに、森への被害を最小限にできる。
「って!? 何やってるんですか! ヒーちゃんに当たったらどうするつもりですか!」
「それこそ大丈夫ですよ。俺は上級魔法の中で、この魔法が一番得意なんですから」
得意すぎてつい、サルみたいな魔物をすべて凍らせてしまった。
俺はサフィークから、討伐カードを取り出して、先程倒した魔物を確認する。
「えっと……名前はヨダーダで、Fランクか……図体かでかい割りに弱!」
そんなことを言ってる間に、ヒルデさんが戻って来た。
「ヒーちゃん大丈夫?」
「ヒーちゃん言わない! どうやらお手本はいらなかったようね」
ヒルデさんが俺を見る。
「まさかファルース様以外に学生で上級魔法を使える人がいるなんてね」
「俺だけじゃなくて、そこにいるリラとカカリも上級魔法を使えますよ」
ここにはいないが、美咲とカカリも上級魔法を使える。
ヒルデさんが固まる。
「まさか……貴方も?」
ヒルデさんがトピアリーさんを見る。
「一応……私も使えます」
(えっ! トピアリーさん、上級魔法使えたの!?)
ツバサ寮の面々以外で上級魔法を使えるのは、会長さんだけだと思っていた。
会長さんも全然知らなかったって顔をしている。
「リン……私たちって必要?」
「上級魔法を使えても、実戦経験は少ないと思うし必要だと私は思うよ。ただ……カナタさんに関しては……私たちは必要ないけどね」
「カナタさんって勇者様じゃないわよね?」
「そう言えば訓練所で、ファルース様が……」
「違います! 絶対に違います!」
ヒルデさんの問に答えようとした、リンデさんの言葉を遮るように、トピアリーさんが否定した。
「勇者様のはずがない」
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