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一人だけ別の場所に召喚された勇者(仮)  作者: 鳩ゆうら
第3章
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第五十六話 ルレベの森i

ブックマークを登録をした下さった方、ありがとうございます。

 俺たちは今、ルレベの森の前に来ている。

 ルレベの森は、道が整備されていないところ以外は、樹海見たいになっていた。


「最初はFランクの魔物ですが危険です。くれぐれも油断しないように……私たちもできるだけサポートをしますが、目的は経験を積むことですので、あまり頼りにしないでください」

「この森は奥に行くほど、魔物のランクが上がっていきます。決して私たちの許可がなく、先に進まないでください」


 リンデさんとヒルデさんが交互に言うと、


「「それではルレベの森訓練を始めたいと思います」」


 完璧に声が揃っていた。おそらく練習していたのだろう。

 2人ともきまったって顔をしている。


「とりあえず私たちについて来て下さい。大まかなルートは決まっているので」


 他の班と鉢合わせにならないように、予めに道が決まっているそうだ。

 俺たちは、整備されていない道を進む。

 ルレベの森を少し進むと……


「とまってください」


 先頭を歩いていたヒルデさんが、小さい声で言った。

 俺たちは指示どうりその場に止まる。


「まずはあの魔物を倒してもらおうと思います」


 ヒルデさんが指をさすその先には、緑色の毛がフサフサのサルみたいな魔物の群が、木の実を食べていた。サルと言っても、体は俺よりも大きい。


 カカリがその魔物を見て、俺の後ろに隠れた。


「私……初めて魔物を見ました」


 俺の後ろで呟くカカリ。

 少し震えている。


「俺も魔物を初めて見た時は、殺されるって思ったよ」

「ソラ君がですか!?」


 何故かカカリに、無茶苦茶驚かれた。


「ディアナ様、大きな声はお控えください。魔物に気付かれてしまいます」


 リンデさんがカカリを注意したが、それは遅かった。

 サル見たいな魔物が、キィーキィーと鳴きながら、こっちに向かってきたのだ。

 カカリ、会長さん、トピアリーさんの3人がビクッとなる。


 それを見たヒルデさんは……


「まずは魔法騎士団として、私がお手本を見せましょう」


 ヒルデさんはそう言って、鞘から長剣を抜き、1人でサルみたいな魔物に向って行った。


「リンデさんは行かなくていいんですか?」


 あっという間にヒルデさんは、サルみたいな魔物に囲まれた。


「私は回復担当なので、あまり戦闘は得意じゃないんですよ。双子なのに戦闘スタイルは全然似てないんですよねー」

「双子だったんですか!?」

「言ってませんでしたっけ? 私とヒーちゃんは双子ですよ。ついでに言うと私が姉です」


(言ってない……)


 普通に姉妹だと思っていた。

 あと、ヒルデさんが姉じゃなかったのか……


「それにあの魔物はFランクですし」


 リンデさんはサルみたいな魔物を見た。


「でも強そうですよ。あの魔物」


 それに数も多いい。


「大丈夫ですよ見た目だけですから。倒したらわかると思いますが、あの魔物は弱いんですよって……聞いてます?」


(試しに倒してみるか……)


「【フリーズ】」


 サルみたいな魔物がどんどん凍り始める。


「やっぱ、森の中はこの魔法が一番だよなぁー」


 効果は絶大。さらに、森への被害を最小限にできる。


「って!? 何やってるんですか! ヒーちゃんに当たったらどうするつもりですか!」

「それこそ大丈夫ですよ。俺は上級魔法の中で、この魔法が一番得意なんですから」


 得意すぎてつい、サルみたいな魔物をすべて凍らせてしまった。

 俺はサフィークから、討伐カードを取り出して、先程倒した魔物を確認する。


「えっと……名前はヨダーダで、Fランクか……図体かでかい割りに弱!」


 そんなことを言ってる間に、ヒルデさんが戻って来た。


「ヒーちゃん大丈夫?」

「ヒーちゃん言わない! どうやらお手本はいらなかったようね」


 ヒルデさんが俺を見る。


「まさかファルース様以外に学生で上級魔法を使える人がいるなんてね」

「俺だけじゃなくて、そこにいるリラとカカリも上級魔法を使えますよ」


 ここにはいないが、美咲とカカリも上級魔法を使える。

 ヒルデさんが固まる。


「まさか……貴方も?」


 ヒルデさんがトピアリーさんを見る。


「一応……私も使えます」


(えっ! トピアリーさん、上級魔法使えたの!?)


 ツバサ寮の面々以外で上級魔法を使えるのは、会長さんだけだと思っていた。

 会長さんも全然知らなかったって顔をしている。


「リン……私たちって必要?」

「上級魔法を使えても、実戦経験は少ないと思うし必要だと私は思うよ。ただ……カナタさんに関しては……私たちは必要ないけどね」

「カナタさんって勇者様じゃないわよね?」

「そう言えば訓練所で、ファルース様が……」

「違います! 絶対に違います!」


 ヒルデさんの問に答えようとした、リンデさんの言葉を遮るように、トピアリーさんが否定した。


「勇者様のはずがない」

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