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一人だけ別の場所に召喚された勇者(仮)  作者: 鳩ゆうら
第3章
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第五十五話 リフホーネのギルド

 俺たちは今、リフホーネのギルドに来ている。

 ルーブビレのギルドも広かったが、リフホーネのギルドはもっとひろく、二階建てだ。


「ほーら、みんなルレベの森に行っちゃたじゃないですか。団長に私まで怒られたら、リンのせいですからね」

「でもヒーちゃん、さっきは大事なとこだったのに……」

「ヒーちゃん言わない! 大事なことなら、私たちの仕事も大事でしょうが! あと、そこの銀髪の子元気出して下さい。今から魔物と倒しに行くんですよ」

「…………」


 銀髪の子と言うのは、トピアリーさんの事だ。


「そうですわよトピアリーさん。(わたくし)たちは今から、魔物と戦いますのよ。それに、ソラ様のことは後でわかりますわ」


 俺が会長さんの問いである、勇者であるのか? ないのか? を答えようとした時、ヒルデさんが訓練場に現れた。


『皆さん行きますよ。時間は有限なんですから……』

『そうですわね……今は訓練が優先ですわ。ソラ様……後でもう一度ど、お聞きますわよ』

『わかりました』

『話は終わりました? それでは、ギルドに参りましょう』


 と、いう事があった。

 それからは、会長さんはいつも通りに戻ったが、トピアリーさんはあれから一言も喋っていない。


「カナタさんたちは、既に冒険者で討伐カードももっていると、言うことなので、少しの間ここで待っていてください」


 冒険者登録をしていない、カカリ、会長さん、トピアリーさんの3人を連れて、リンデさんとヒルデさんが、冒険者登録をしに、ギルドの奥へと行った。


 冒険者登録をする理由は、討伐カードをもらう為だ。

 討伐カードを見れば、自分が倒した魔物を確認する事ができる。

 生徒に魔物を倒したことを実感させて、自分はやれると、自信を持たせるのが目的だそうだ。


「ねぇ……ファルースさんたちにソラが勇者だってこと話すの?」

「誰かにバレる覚悟はしてたから、勇者だってことは話すよ」


 会長さんにバレているとは、思わなかったけど……


「でも勇者ツバサの孫だって事は話さないつもりだよ」

「そうなの?」

「まだ……その時が来てないからね」


 ちょっとカッコつけてみた。


 勇者ツバサがマフカースに召喚されたのは700年前の話だ。

 俺が勇者ツバサの孫だと言っても、信じてはくれないだろう。

 それに……俺自身があまり話したくない。

 俺が勇者ツバサの孫だと、新魔王軍に知られると、今動きを見していない、新魔王軍が俺を殺す為に動き出すかもしれない。

 そしたら、周りにいるリラたちにまで被害が及ぶ。


「わざわざカッコつけなくていいよ……それよりソラ、なんか凄い見られてるよ私たち……」


 カッコつけていたことがバレていたようだ。

 物凄い恥ずかしい。


「見られてるって……誰に?」


 周りを見るが、別に俺は見られていない。

 でも確かに……


「見られてるな……リラが……」


 リラは男性冒険者たちに無茶苦茶見られていた。


(まぁいつものことだな……)


 俺からしたら、今頃気づいたのかってビックリしているくらいだ。


「私が……なんで?」


 なんでってそりゃぁ……


「リラが可愛いいからだよ」

「わっ! 私が可愛いって……」


 リラの顔がカァーと赤くなった瞬間……俺に殺気を乗せた視線がグサグサと背中に突き刺さり始めた。


「可愛いって言ってくれて……ありがとう」


 恥ずかしそうに言うリラ。それを見た男たち(俺を含めた)はこう思っただろう……


(かっ可愛い……)


 と。


「でも……ソラもカッコいいよ」


 殺気を乗せた視線が一気に突き刺さった。


「ソラどうしたの? 汗がすごいよ」

「いゃー、今日って暑いなぁ〜、と思ってさ……」


 本当に熱い……視線が……


「熱があるんじゃない?」


 リラが俺に近づき、デコとデコとくっつけた。


(近い! 近い! 近い!)


「熱はないみたいだね」


 なんだか……日本にある古い漫画で、よくある熱の測り方だ。


「えっとリラ? ……それってて?」

「おばば様に教えてもらったんだ! おばば様も昔、ソラの祖父さんにやってもらったらしいよ」

「じいちゃん……」


(よくできたなそんなこと……)


 俺だったら、恥ずかしくてできない。


「リラそろそろ、離れてくれると助かるんだけど……」


 後ろは見えないけど、たぶん……いや絶対に俺を狙って武器を構えている。

 ギルドの中だしそんな事はないだろうが、それぐらいの威圧感があるのだ。


「ごっごめん!」


 リラが慌てて俺から離れた。

 そして、驚いた顔で後ろを指差す。


「ねぇ……ソラの後ろにいる人たちが私たちを見て武器を構えてるんだげど……なんでだろう?」


(ヤバイ! マジだった!?)


「さぁー、なんでだろうね?」


 俺は後ろを振り返ることができない。

 振り返った瞬間、襲ってきそうな感じがしたからだ。


 (つーか! ギルドの職員さんは何をしてるんだよ)


 普通ギルド内で武器を構えていたら、注意ぐらいはするはずだ。


「ごめん! ごめん! いろいろあったから少し遅くなったよ」


 ヒルデさんたちが、ギルドの奥から出てきた。


「なんで冒険者たちとギルド職員たちがギルド内で武器を構えてんの!?」


 ヒルデさんが俺たちの後ろを見て言った。

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