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一人だけ別の場所に召喚された勇者(仮)  作者: 鳩ゆうら
第2章 学園生活開始
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第四十八話 早とちり

「パーティーの前にまず、私から皆に謝りたい……すまなかった」


 ジェクトさんが立ち上がり、みんなに向かって頭を下げた。


「私はウィーグに勝つことができたら、ソラ君を認めると言った……そうしたら、父親として、ソラ君にカカリちゃんを任せることが出来ると……」


 俺はウィーグさんに決闘で勝った。そしてツバサ寮でジェクトさんに、『約束どおりお前を認める』と言われが……


「でも私は逃げ出した。ソラ君に可愛い娘であるカカリちゃんを渡したくなかったからだ」


 渡したくなかった? 自分の力でカカリを守れないからじゃなくて?


「だが……ソラ君と話して分かった。彼なら大丈夫だと……カカリちゃんを本当に任せることが出来ると……だから私は認めることにした」


 ジェクトさんが俺と隣に座っているカカリを見る。


「ジェクト・ディアナはここに、カカリ・ディアナとソラ・カナタの婚約を正式に発表する!」


(こっ婚約!? 俺とカカリが……)


「ジェクトさん! 婚約って!?」

「言ってなかったか? ソラ君はカカリちゃんに相応しい男だ。カカリちゃんを幸せにしてやってくれ」


 カカリの言っていた。ジェクトさんの大事な発表とはこの事だったのだ。

 それに、ジェクトさんが『お義父さん』と呼んでくれといった意味が今わかった。


 ウィーグさんとアルシーさんが拍手をする中、リラと美咲は固まっていた。会長さんなんて人生の終わりみたいな顔をしている。


 どうしてこうなったのか……俺はカカリに聞こうとすると……


「お父様! それはどういう事ですか!?」


 どうやらカカリも知らなかったようだ。


「どうも何も……カカリちゃんが、ディアナ王国でずっと私に言っていたじゃないか……『ソラ君の作るご飯は毎日食べたいです』って……」

「確かにずっと言ってましたけど……」


 カカリが困惑している。

 すると、アルシーさんが追い打ちをかける様に……


「毎日食べたいってことは、ずっと一緒にいたいという事、つまり……遠回しに、ソラ様の事が好き……ソラ様と結婚したいと解釈を私たちはしました」


(カカリって俺の事が好きだったのか!?)


 衝撃の事実だ。

 俺の部屋で『告白されると思ったんですよ』とカカリは言っていた。もしかしたらあれは、俺から告白されるのを待っていたかもしれない。


(全く気がつかなかった。何で鈍感なんだ……俺は……)


 あんなに可愛いカカリが、俺の事を好きなのだ。すごく嬉しい。

どれだけ嬉しいのかというと、中学時代、一度だけ告白された事もあるが……その時よりも天と地の差で嬉しい。

 そんな風にテンションがおかしくなっていると……


「わっ私は……そんなつもりで言ってません! 私はソラ君よりも……ソラ君の作った料理が好きなんです! 」


 カカリは大声で否定した。しかも、『料理』を強調して……


(俺より……料理の方が好き……)


 物凄く傷ついた……

 俺は……自身の作った料理に負けたのだ。

 やっぱり、俺を好きになってくれる女子なんていないのだ。中学時代に告白されたのも、女子からではなく……一つ年上の男の先輩からだ。


(何が……鈍感だ……恥ずかしい……)


 するとジェクトさんは、料理以下の俺を見て……


「本当なのか……ソラ君」

「はい……俺とカカリは何でもありません。俺は料理を作っているだけです」


 それを聞いたジェクトさんは、困った様な顔をした。


「まさかお父様……ディアナ王国に報告したんですか!?」

「私たちの早とちりだったとは知らず……国周辺の街や村にまで報告が回っているはずだ……」

「お父様! 何とかして下さいね。でないと私……お父様のことが嫌いなるかも知れません」


 今度はジェクトさんが、この世の終わりみたいな顔をして、カカリに縋り付く。


「何とかするから……私を嫌いにならないでくれ……」


 カカリが席に戻ると隣に座っている、ペリルに何か言われた様で、顔を真っ赤にしながら下を向いた。

 リラ、美咲、会長さんの三人は何だか安心した顔をしている。


 料理以下だと言われた俺は、この事を食べて飲んで忘れようと決意した。


「ジェクトさんの謝罪と発表も終わった事ですし、ソラ君の勝利会を始めるとしましょう……ジェクトさん早く座ってください」


 シルドさんに言われ、ジェクトさんは席に座った。


「それでは皆さん……」


 シルドさんがグラスを上に掲げる。それに合わせてみんなもグラスを上に掲げた。


「ソラ君の勝利を祝って! 乾杯!」


「「「かんぱ〜い!」」」


 こうしてパーティー? 始まった。


 翌日の朝……カカリに水の巫女だと話した後からの記憶が全くない。

 それに……


「酒くさい……」


 何故か身体からか? 酒の匂いがする。

 酒の匂いが嫌だったのでお風呂に入った。

 そして、リラたちに昨日の事を聞くと、シルドさんの持ってきたお酒を、俺が勝手に飲んだらしい。そのまま俺は酔いつぶれて眠ったそうだ。


「何で俺は……酒を飲んだんだ?」


 日本でも俺は、お酒は一度も飲んだことがない。

 そもそも俺は二十歳になっても、酒は飲まない、ダバコは吸わないと決めている。


 考えても仕方がないと思い俺は、朝ご飯を作ることにした。

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