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一人だけ別の場所に召喚された勇者(仮)  作者: 鳩ゆうら
第2章 学園生活開始
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第四十九話 完成

 ある日の午後、今は『魔道具生産』の授業だ。俺の両端には二人の生徒が座っている。

 この授業は三人組で行われ協力して魔道具を作っていくのだ。


「ねぇ知ってる? 勇者様たちが、Bランク級魔物を倒したらしわよ……私たちと同い年なのに凄いわよね」


 左隣りに座っている生徒が俺に話しかけてくる。


「そうだね……勇者様凄いよね……」


 左隣りに座っている生徒に対して、俺は適当に受け答えをした。

 前回の『魔道具生産』授業でも……


『ねぇ知ってる? 勇者様たちが、Cランク級魔物を倒したらしいわよ……私たちと同い年なのに凄いわよね』

と殆ど同じような事を言っていたのだ。


「私的には、勇者アキラ様が一番好みなのよね〜」


 左隣りに座っている生徒が頬を赤らめた。


「イケメンだし、勇者の中でも有名人だからなぁーあいつは……モテモテなんだろうなぁー。ハァー」


 リフホーネに召喚された、美咲以外の勇者たちは、冒険者登録を行い、多くのクエストをこなしていき、着実に功績を残し始めた。

 その中でも目立っているのは、勇者のリーダーである(あきら)だ。

 それに比べて俺は、何故か自分を料理以下の男だと思ってしまうことがある。


「何言ってるのよ! ソラちゃんはこの学園では知らない人はいない、超有名人でしょ? 最近はSクラスのみんなに魔法を教えてるそうじゃない?」


 どこでその情報を知ったねかわからないが、俺はカカリが【水の巫女】だと知った次の日から、カカリに水属性の上級魔法を教え始めた。

 同時に生徒会の仕事も始まったので、なかなか時間はとれないが、カカリは急成長中だ。

 そして何日か経つと、いつの間にか俺は、リラたちみんなに魔法を教えていたのだ。


「成り行きでね……あと『ソラちゃん』は、やめてくれって!」


 俺たちが話をしていると、右隣に座っていた生徒が……


「やっと完成したぁ! ソラ君!」

「おっ! 試作品12号ができたか!」


 俺は右隣に座っている生徒から、何度も失敗を重ね、今もなお改良を続けている魔道具を受け取った。

 試作品12号もとい、俺たちが作っているのは、【エアソフトガン】だ。


「クウルグ……レンサ先生に別室を使う許可をもらってきて」

「もうやめてよ〜。私のことはクウちゃんと呼んでって言ってるでしょ」


 何故別室を使うのかというと、試作品4号ぐらいの【エアソフトガン】のトリガーを引いたら爆発したのだ。

 そしたらレンサ先生に、『試し射ちするときは、私に許可を貰ってから、別室を使って試せ』と言われたのだ。

 

「ねぇ……今日はボクがやろうか?」

「ロール君は設計で頑張ってくれてるから、いつも通り俺がするよ」


 ロールは俺の無茶振りをここまで形にしてくれたんだ。本当に感謝している。


 クウルグが許可を貰ってくる間にこの二人の事を紹介しておこう。

 クウルグとロール君は俺の男友達だ。

 大切なことだからもう一度言うが……俺の男友達だ。


 まず、ヒト族のクウルグ・バングラスタだ。クウルグは、有名な商人貴族の一人息子で、年齢は18歳。この世界で初めて出会ったオネエだ。


 次に、ドワーフのロール・コンスタフだ。ロール君は、どこから見ても可愛い女の子にしか見えない。だけど15歳の男の子だ。

 俺にはちゃんと男友達がいる。


「それじゃ打つよ! 二人とももしもの時のために俺から離れててね」


 狙うは的のど真ん中、俺は『成功しろ』と想いと魔力を乗せて、【エアソフトガン】のトリガーを引く。

 すると銃口から、【魔弾】が勢いよく飛び出し、ど真ん中では無かったが、【魔弾】はきちんと着弾した。

 【魔弾】と言っても、魔法で作った、ただの【ペイント弾】だ。当たっても痛くも痒くもない。ただ、着弾した場所が赤く染まるだけ、それも1日も経たずに染まった部分は綺麗に消える。


「成功だ!」


 爆発したり、変な音が聞こえたり、水鉄砲みたいに弾はでなかった。


「やったわね! ソラちゃん! ローちゃん!」


 クウルグが俺たち二人に抱きついた。


「ボクら……やり遂げたとよね?」


 ロールは今出ても信じられないって顔をしている。


 そりゃぁそうだ……完成まで本当に長かったのだ。

 無理だって諦めそうな時も、何度あったことか……でも俺たちは誰一人諦めなかった。友情の力で乗り切ったのだ。


「あぁ新しい、魔道具だ」


 俺たちは【エアソフトガン】の完成を喜んだ。

 レンサ先生に【エアソフトガン】を見せに行こうと俺が提案するとロールが……

 

「これ……なんに使うと?」

「あれ? 言ってなかったけ?」


 何に使うかも知らずに作っていたのか? 

 この魔道具が完成したら休日にやってみたい事があった。前の連休みたいに、殆ど勉強漬けなのは避けたい。


「サバゲーかな?」

「「サバゲー?」」


 二人は【サバゲー】について考えているようだが、この世界には、【サバゲー】は存在しない。 

 いくら考えても答えは出ない。


「俺もやったこともないし、ルールもよく知らないんだけどね」


 これに関しては、美咲も詳しくは知らないだろう。


「エアソフトガンは一つしかないから、今はできないんだけど、道具を揃えていつか……みんなでやろう」


 シルドさんから、【アリーナ】を貸してもらい、【模擬戦】の時のように森を作り、そこで【サバゲー】を開始したら、盛り上がること間違いなしだ。

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