↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
一人だけ別の場所に召喚された勇者(仮)  作者: 鳩ゆうら
第2章 学園生活開始
44/83

第四十四話 決闘ⅱ


 取り敢えずやられたらやり返さないといけない。


「まずは……ファイヤー・ランス!」


 俺の周りに20本の炎の槍が現れた。

 【ファイヤーランス】は授業で教えてもらっていたので前から使える。

 ウィーグさんとの距離が遠すぎて狙いにくそうだったので、俺は【アクアフォース】で強化をしたままウィーグさんに近づいて行き、1本ずつ炎の槍を飛ばしていった。

 何故1本ずつ飛ばしていくのかと言うと、炎の槍を一気に飛ばすと、俺みたいに簡単に避けることができるので、避けた瞬間を狙って次の炎の槍で攻撃していくのだ。


「勇者……もどき……俺の……真似……危ねっ! 俺の真似を……してんじゃ……ねぇよ!」


 【ファイヤーランス】を避けながら喋っているので言葉が途切れ途切れだ。

 聞き取りづらい。


「でもな! ……これく……らい……簡た……簡単に……避けれるんだよ! ……あちっ!?」


 ウィーグさんはまだまだ元気そうだ。

 残りのファイヤーランスを適当にウィーグさんに投げた。


「じゃぁどんどん行きますよ」


 やられたらやり返す第二弾。


「次は……フレイムバースト」


 俺の頭上に、ウィーグさんの放った【フレイムバースト】より一回り大きな炎の玉が現れた。


「おっ……お前!? フレイムバーストも使えたのかよ!」

「いえ、今初めて使いましたよ。そもそも、ウィーグさんが使うまで、この魔法の名前すら知らなかったですし……」

「フレイムバーストは上級魔法だぞ!? 一度見ただけで成功するはずがないだろ! この魔法を覚えるために何年掛かったと思ってるんだ!」

「直感で成功するって思ったんですよ」


 最近、誰かが使った魔法を見ると、『俺にもできそう』『練習すればできるだろう』『これは……無理だな』など思ってしまう。

 『俺にもできそう』と思った魔法は、一度見ることができれば、大体一発で成功する。

 『練習すればできるだろう』と思った魔法は、練習すればできるようになる。

 『これは……無理だな』と思った魔法は、俺には一生使えない魔法だ。最近では、アルシーさんが使った、【テレポート】が当てはまる。


「……天才が! だがな、この距離だとお前も無傷ではいられないがいいのか?」


 ウィーグさんに向かって【フレイムバースト】を当てるにしても空中で爆発させるにしても、再び爆風が俺を襲うだろう。


「それに俺はフレイムバーストを簡単に避けれるぞ……ファイヤーフォース」


 ウィーグさんの全身が赤く光った。


「大丈夫ですよ、これ以上ダメージを受けるつもりも無いですし……頑張って逃げて下さい」


 そもそも【フレイムバースト】は爆発させる気もウィーグさんに当てる気も無い。

 ウィーグさんが【フレイムバースト】に気を取られている隙に……


「フリーズ」


 ウィーグさんに向けて【フリーズ】を放った。すると、ウィーグさんの足元から徐々に凍っていく。


「頑張って逃げて下さいって言ったのに」


 俺は【アクアフォース】を解いた。


「くそっ! フレイムバーストは唯の囮かよ!」


 ウィーグさんは【ファイヤーフォース】を解除して凍り始めた足元を【ファイヤーボール】を連発して溶かしているが、凍るスピードの方が早く腰まで凍っていた。


「ウィーグさんもう逃げれませんよ。どっちがいいですか? 全身が凍るのを待つか……それともフレイムバーストを爆発さるか。もちろん俺が離れてから爆発させますよ」


 そう言って俺は、【フレイムバースト】をウィーグさんの真上に移動させた。

 なんか悪役みたいだ。

 ウィーグさんは首まで凍っていた。


「降参するなら今すぐ魔法は解いてやる。お前のお陰で覚悟が決まったからな」


 やっぱり俺は、人を傷つけたり殺したくは無い。相手が新魔王軍でもだ。

 だけど……俺は人が相手でも上級魔法を使う覚悟を決めた。


「それに俺は、この空のように心が広いからな……そらだけに」


 俺は綺麗な青空を見上げながら言った。


「くっ! …………降参だ」


 ウィーグさんがポツリと呟く。

 俺は【フレイムバースト】と【フリーズ】を解いたが、【フリーズ】は凍っていくのが止まるだけで、凍った部分は解いてもそのままだ。


「ウィーグさんの降参により、決闘の勝者はソラ君です」


 いつの間にか俺の隣に立っていたシルドさんは、俺の勝利宣言をした。


『魔法騎士団のお方に勝ってしまうなんて! 流石私(わたくし)のソラ様ですわー』

『ソラ君今日は勝利会ですね。美味しい料理を沢山作ってくださいね』

『よくやったわソラ。最初はヒヤヒヤしたけどね』

『やっぱりソラは凄いよ』


 みんなそれぞれ、俺の勝利を喜んでくれているようだ。美咲は決闘が無事に終わって安心しているように見える。

 ウィーグさんが負けたからか獣王様が泣いていた。

 アルシーさんは……ウィーグさんの氷を溶かしていた。


「アルシー! 熱い! そこはもう溶けてるって」

「いい気味です」


 アルシーさんはウィーグさんを見て鼻で笑った。


 こうして俺の決闘が終わった。

ブックマーク登録、評価、感想、ありがとうございます。

これからもよろしくお願いします。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。