第二十四話 試験開始
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試験当日、俺たちはツバサ学園の校舎に向かうと、そこには様々な種族の受験者たちが並んでいた。受験者が多すぎて、試験を受けるという勇者の姿も見つけられない。
(本当に、シルドさんは……)
シルドさんは俺に、直接会った時のお楽しみだと言って、学園に通う勇者の名前を、教えてくれなかった。シルドさんは一体、何をしたいのだろうか……
列に並んでいると、ツバサ学園の先生らしき人に、名前を聞かれ受験番号を配られた。配られた受験番号によって、試験を受けるグループが決まり、それぞれ、決まった試験会場に向かう。俺とリラは、前と後ろで並んでいたので同じグループだった。
「ドキドキするね。どんな試験が有るのかなぁ」
周りの受験者が緊張している中、リラは楽しそうだ。俺は別の意味でドキドキしているが、
シルドさんは、当然試験内容も教えてもらっていない。魔法を教わる為の学園だから魔法の試験はあるだろうが、
「高校受験を思い出すよ……」
俺は、高校受験には推薦入試で受かった。もし筆記試験だけで受けていたら、確実に落ちて……
俺は、今更重要なことに気付いた。
「なぁリラ、もしかしてだけど、筆記試験があるんじゃないか?」
俺の言葉を聞いた周りの受験者が驚く。『筆記試験が有るのは当然だろ』みたいな顔をして俺を見ている。
「リラ……俺の分まで頑張ってくれよ」
この世界の文字は割と単純なので、殆どの文字を書いたり、読めるようになったが、この国の歴史なんて知らないし魔法についても詳しくはない。
「大丈夫だよ。何とかなるって!」
リラは俺とは違い、筆記試験は自信があるようだ。
俺たちは試験官に連れられ、一つの部屋の中に入った。
「ここが第一試験会場だ」
このグループの試験官が前に立った。その横には大きな人形が沢山並んでいる。
「まずは、魔法の試験からだ。得意の魔法を一つ、この人形に向けて放ってくれ。あと、回復系などの補助系魔法を使う者は、隣の部屋で試験を行う」
補助系の魔法を使う人たちが、隣の部屋に移動をした後、受験者が順番に人形に向けてドヤ顔で魔法を放っていく。受験者の魔法のレベルは高いか分からないが、受験者全員が中級魔法を使っている。
そして、リラの番が来た。
「カマイタチ」
風の巫女のペンダントが輝くと、多くの風の刃が、眼に見えないスピードで、人形を切り裂いた。カマイタチは、よくリラが使っている上級風魔法だ。あっという間に、人形がバラバラになった。
「じょ……上級魔法!? 」
試験官が大声をあげた。それを境に、受験者たちが騒めき出す。何故、試験官が驚いているかというと、この学園に通う目的の一つが、上級魔法を扱えるようになる事だからだ。
リラは、受験者が騒めく中、何事も無かったような顔をして元の場所に戻った。実際、リラには得意な魔法と言われたから、カマイタチを放っただけで、威力や規模を重視したならば、カマイタチ以上の魔法を扱える。
リラの次は俺の番なのだが……
(やりづらいなぁー)
「見たか……今の!?」「上級魔法!?」「可愛いなぁ〜あの子」 「私……全然見えなかった」
俺が魔法を放つ位置に立っても、誰も話を止めずリラの話で持ちきりだ。試験官ですら、俺を見ていない。しかし、俺はここで点数を稼がないといけない。何故なら、筆記試験で点数を取れるかわからないからだ。
ざわめく中、俺は魔法を唱えた。
「ディフラグレーション」
人形の全身が爆発するように燃えた。しかし、燃えるのは人形だけに留まらず、ものすごい速さで床まで燃え始めた。
受験者たちが悲鳴をあげる。
(やばい!?)
「フリーズ! フリーズ! フリーズ! 」
俺は、フリーズを連発して、燃え上がる炎の温度を下げて火を消した。
「ふぅ〜……よかったー消えて」
俺は一息ついて周りを見ると、リラ以外の人が口を大きく開けて唖然としていた。
「ソラは成長しないね。やっぱりバカだよ……」
リラは呆れた目で、俺を見ていた。
一から二十三話までで、改稿している場所が、有りますが、本編には、支障はありません。




