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村長と世界の仕組み

堤下光一さんこと、ザイルさんは僕と同じようにあのXに、この世界に渡らせてもらった人だった。


「いや、久しぶりに異世界者に会えたのう」

「どれぐらい前に来たんですか?」

「そうじゃのう、こっちに来たのはカズマと同じぐらいの年じゃったかのう」

「そんなに前に」


どうやらザイルさんはかなり前に来たらしい。


「そうか、もう異世界からの者が来る時期か、年を取ると時間が早く感じていかんのう」

「そんな時期があるんですか?」

「うむ、一定の期間を開けてからこっちに来るみたいじゃのう」

「そうなんですか」


あのXは、定期的にこっちに人を送っているらしい、そんなに人を送って前の世界は大丈夫なのか疑問に思ったが、あのXの事だから大丈夫か。と思い話をすすめる。


「色々教えて欲しいことがあるのですが」

「そうじゃろうのう、どうやらカズマ君は、まだどの国にも配属されてはおらんみたいだしのう」

「配属?」

「説明するには、まずアイテムが必要じゃな、何かアイテムは持っているかのう?」

「えっと、今はこのカードと袋には食料と水と下着後は木の剣だけです」

「カードを少し借りてよいかのう?」

「構いませんよ?」


ザイルさんは席を立ち、棚から水晶を取り出した。

またソファーに座ろうとして、


「おお、立たせたままではいかんのう、隣に座ってくれ」


ザイルさんが僕が座れるようにソファーの端に座る。僕はザイルさんの隣に座った。


ザイルさんは僕からカードを受けとると、水晶を机に置いてその奥にカードを置いた。

水晶をペタペタ触っていた。端から見たら怪しい占いでもしているかのような感じだった。


「おお!これはいいアイテムじゃ!さすが初期アイテムじゃな!」

「初期アイテム?」

「こっちに来る前に購入したアイテムの事じゃよ、あの中にはなかなか手に入らないアイテムや、高価なアイテムがあるんじゃよ」

「なるほど」

「しかしお前さんのこのカードは良い物じゃな!儂の識別のスキルでランクまでは分からんとはBクラス以上のアイテムは間違いない!しかもステータス系と来たもんじゃ!」


ザイルさんは興奮しているのか、良くわからない単語が出てきた。


「ランク?ステータス系?」

「その辺は後で説明してやるわい!」

「そうですか」

「使用方法はわかった!取り敢えず血を数滴このカードに垂らしてみるのじゃ!」

「えっと、はい」


ザイルさんが興奮して僕に急かすので、戸惑いながら僕は木の剣に指先を当てた。痛みが走った。

指先から血が滲み、ザイルさんからカードを受けとり、カードに血を数滴垂らしてみた。


カードは白い色から変化していき透けるようになり、薄く青い色になった。

そこから文字が浮かび上がりだした。


所持者:カガミ・カズマ


HP91/111

MP124/124


職業を取得しました。

スキルを取得しました。


と書かれていた。


「ほうほう、これでやっとスタートじゃな!」

「どういう事ですか?」

「まずは、このアイテムを操作してみなさい」

「操作?」

「適当に触ってみなさい」


ザイルさんに言われて僕はカードに触れる、何度か触ると名前の所を触れた時に表示が変わった。


所持者:カガミ・カズマ


取得職業

???、職業選定者、解析者、透視者、魔法使い

保持職業

職業選択者、識別者、鑑定士、観察者、盗撮者


新規取得職業

武道家


削除する職業を選んでください。


と表示された。


「職業が多いのう、操作はまだしないほうがええじゃろう。まずは職業を説明するかのう」

「あ、はい」

「職業とは基本的にスキルを取得するために必要な物じゃな、例えば儂は冒険者という職業を持っておるが、これはアイテム袋やパーティー編成などのスキルが取得できる。

ただし身分の職業にはスキルも取得出来るだけでなく補助スキル等が存在する。

儂なら村長じゃな!村長は村人からの好感度プラス100や村での買い物を安く出来る等の補助スキルじゃな!」

「なるほど」

「それでじゃ、身分の職業以外の職業は取得した時点で基本的に用はなくなる。

なぜなら職業を取得した時点でその職業で取得するスキルは取得出来るからのう。

後、取得したスキルはその職業を削除しても使えるしのう。

残す時は上位職業を取得する時だけかのう?上位職業はどうやって取得するのかは分からんが暫く所持しておけば取得出来るとは聞いた事があるが、詳しいことはわからんのう。

問題は身分の職業じゃ、まずは身分の職業は簡単には変えられんし、さっきは良い補助スキルを言ったが悪い補助スキルも存在する。儂で言うなら他の村長に警戒プラス200や貴族に好感度マイナス100と言った風にのう」

「上位職業のさらに上の職業を取得するには?」

「その職業を取得するにはその下位職業を全て所持しておらんと無理だった、とかは聞いた事があるが、実際は分からんのう」

「なるほど」


(つまり僕の場合は識別者、鑑定士、解析者、観察者、盗撮者、透視者、はいらない訳だ。職業選択系は後ひとつ上の職業があり、それが最高職ということは確認しているのでそれさえ取れれば用はなるのか。魔法使い系は全部で5段階あったから当分先だろう。)


「職業についてはこんな感じかのう?」

「わかりました。じゃあ要らないのを消しておきます。」


僕はカードを操作して識別者を選んだ。

識別者の変わりに武道家が入った。

カードにもう一度触れるとまた表示が変わる



所持者:カガミ・カズマ


取得スキル

選択、選定、識別、鑑定、解析、観察、盗撮、透視、ファイア、ウォーター、ウィンド


表示されたスキルを確認しているとザイルさんがスキルの説明をしてくれた。


纏めると


スキルは使うとMPを消費する。

消費するMPは同じスキルでも個人でバラバラ。

MPを消費しないスキルはない。

スキルを使うにはステータス系のアイテムを所持する必要がある。


こんな感じだ。


「さっきからステータス系って言ってるけど何?」

「ふむ、ステータス系とはアイテムの種類の一つじゃな、自分のステータスを確認したり、スキルを使ったり、後は職業や称号、身分を確認する時に使うアイテムの事じゃな!」

「え?じゃあ戦闘中も操作しながら戦うの?」

「ランクの低いアイテムならのう、ランクが高い物なら操作しなくても使用出来る、儂の水晶はランクDで戦闘中も操作せねばならん、変わりに識別のスキルを取得出来たがのう」

「アイテムでもスキルって取得出来るの?」

「アイテムに限らず武器や防具にもスキルを取得出来る物がある。じゃが市販されておる物は大抵駄目じゃろうのう、ランクの低い物しか売ってはおらんし売っていたとしても鉄貨か銀貨が必要になるじゃろう」

「ランクって?」

「ランクはFEDCBASUHの順に高くなる、ランクが高ければさっき言ったスキルの取得や称号の取得、そのアイテムの効果も高くなるのう」

「へ~」


僕はカードに触れてまた表示を変える。



所持者:カガミ・カズマ


HP92/111

MP124/124



表示された名前を触る。また表示が変わる。


所持者:カガミ・カズマ


ステータス詳細


スキル一覧


職業一覧


と表示されたのでステータス詳細を触る。


所持者:カガミ・カズマ


ステータス


HP 93/111

MP 124/124

攻撃力 105

守備力 104

魔力 112

加護 103

素早さ 104

運 0


操作終了

操作継続


と表示された。


「そういえばさっきからHPの数値が変動している」

「HPとMPは時間が経てば自然に回復するし、寝てれば更に早く回復する。まあアイテムでも回復するのう」

「なるほど、そういえば、なんでこんなに教えてくれるの?言ってはいけないのかもしれないけど、僕に対して結構態度悪かったよね?」

「そうじゃの~、今はそうは思わんから言うが、カズマを初めて見たときはすごい不快感を感じてのう、正直言うと、村に入れたくなかったくらいなんじゃ、恐らく称号か職業で何らかの補助スキルが発動しておるんじゃろう。

後、異世界者を見付けた異世界者は、この世界の事は教えると、この世界で暗黙のルールなんじゃよ。せっかくこの世界に来たんじゃ、つまらない世界とは思いたくなかろう?まあ最近はこの世界の事を知らない者は少なくなったんじゃがな」

「どうして?」

「最近はゲートの出口になる祭壇を建築出来る者が増えて来てな、大体の者は国の中にある祭壇に移動して祭壇のある国に説明を受けるからのう、まあそのままその国に配属される者が多いがのう、ただあの地図の項目の選択でランダムを選択した者は祭壇とか関係なく飛ばされるがのう」

「なるほど」

「カズマは称号は持っていないのか?」

「称号って~を倒したも者とか~の加護を受ける者とかってやつ?」

「それじゃ!」

「ポイントの都合上無理だったよ」

「そうか、では職業に原因があるの、さっき見たが???の職業はなんじゃ?そんなの有ったかのう?」

「職業の項目の下の方に何個か有ったよ?」

「そうか、儂はその辺り適当に済ませたからのう、で、そのカードを操作して何か解らんかのう?」

「ちょっと待って」


僕はカードを操作する。カードの操作は基本的にタッチパネルみたいな感じで、スマートフォンみたいだった。


職業一覧を開いて???を選択するとまた表示が変わる。



所持者:カガミ・カズマ


職業:???


解放条件

対知的生命体 好感度-400。(常時)

取得者が奴隷を5名所持する。

6人パーティーで戦闘を行う。

Lv300以上の商人1名から500以上の好感度を得る。

王族1名から好感度1000以上の好感度を得る。

この職業を取得した場合、この職業は他の職業に変更は出来ない。


(なにこれ、どんだけハードル高いの?好感度-400とか、1000以上とか、どうすればいいの?)


「やはり職業が原因だったか。しかし、これはきついのう、最初から好感度マイナス400スタートなのに好感度を1000まであげるのもきついが、Lv300の商人なんてそうそうおりゃせんし、奴隷を買うのにもかなり金がかかるしのう」

「解放しても好感度マイナス400が消えるとか説明されてないし、因みに好感度1000とかどれぐらい上げればいいの?」

「恐らくじゃが親友や恋人位かそれ以上と思ったほうが良いじゃろう、儂は好感度のステータスは見たことがないから分からんがのう、因みにパーティー編成のスキルはあるのか?」

「無いよ!アイテムで取得するか冒険者になるしかないんじゃないの?」

「まあ他の職業でもパーティー編成のスキルはあると聞いたからそのうち入手は出来るじゃろうが、これは、戦闘が出来る奴隷は基本的に元犯罪者が多いし値段も高いぞ?」

「詰んだ~!もう、この人生詰んだ~!」


僕は現状が明確になってきてどんどん落ち込んでいく。


「村や町には入れるじゃろうが国には、この職業じゃ入れんかもしれんのう」

「なんで?」

「村や町には職業を確認せずに入る事が出来るが、国は職業を確認する権利があるからのう、恐らく入国禁止を言われるじゃろう」

「え?王族がいるのは?」

「もちろん国じゃな!」

「どうしろってんだ!」

「儂に言われてものう、こればっかりはカズマの自己責任じゃな!しかしこれだけ制限のある職業じゃ解放されたらかなり強いスキルを取得出来ると儂は思うぞ?」

「そう、解放されたらね」


さらに僕は落ち込んでいく。


「まあ、そう落ち込むな!もしかしたら入る事が出来る国があるかもしれん」

「どういう事?」

「それを説明するには国や町の作り方から教えねばならんの~。

よし、時間がかかるから今日はこの家に泊まりなさい、それにまだいろいろ聞きたいこともあるじゃろう。

それに儂はすでに好感度400は越えておるみたいじゃから、特に不快感は感じてはおらぬから大丈夫じゃ!

まあ、村の中を自由に歩かせる訳にはいかんが、そこは我慢してくれ」

「まあ、しょうがないよね、村の人達みんな僕に対してひどい態度だったし。ザイルさんがいなかったら村を追い出されてたし」


ザイルさんに感謝しつつも恨み言を言わずにはいられなかった。


「そう言わんでくれ、みんなやさしい人ばかりなんじゃが、いかんせんカズマのスキルがのう」

「ああ、そうだよね、こんな職業を選んだ僕が悪いんだよね、そう、村の人は悪くないよ、そうだよね」

「ええい!しっかりせい!若者が情けない!さて!とりあえず国の説明を始めるからシャキッとせんか!」


こうして僕はザイルさんに色々な事を教えて貰えた。丸一日かかったけど。


国や町について纏めると

まずは世界から土地を購入するらしい。

この世界には土地を購入出来るポイントが幾つかあり、購入する場所によって広さや金額が変わるらしい、因みにこの村は、ザイルさんが一代でここまで発展させたらしい。購入にかかった金額は金貨20枚だったらしい。どうやって稼いだのかは、教えてくれなかった。

土地を購入すると購入した範囲に魔物は出現しなくなる。が魔物が購入した土地の中心、つまり購入したポイントに侵入すると土地は世界の物になるらしい。

大金使って世界の物になるとかひどいと思ったが世界からは魔物がお金を輸送してくる感じなのでとんとん位になるそうだ。

国や町の長の職業は購入した人物が取得する。

土地以外の場所に建物を建ててもいいが、その建物の中に魔物が出現したりして安全に暮らす事は出来ないらしく、基本的には世界から購入した土地に建物を建てて暮らすようになったらしい。


国と町の違いは義務と権利があることらしい。


町には盗賊達は入る事が出来ない。

基本的に平和だが一番近い国に一年に一回金貨1枚を納めなければいけないらしい。払えなければ町は世界に没収されてモンスターが沸いて大変らしい。

なので町に住んでいる人々は一年のうちに金貨を税金として集め納めているらしい。

結構大変な額らしく皆で協力しているらしい。

因みに金貨50枚以上必要で規模はなかなか広いらしい。


国はまず入国審査が出来る。門番が入国する人の職業を閲覧して入国を審査する事が出来る。また、国は独自に法律を作る事が出来て王様の思う通りの国を作る事が出来るらしい。

土地も広く、さらに城壁が初級から付いてくるらしい。

だが一定人数国民が居る事と、国民から一定の好感度を得る事、さらに城や教会等の建物が必要で年に一度国全体で祭りを行ない教会に3年に一度銀貨20枚寄付しなければいけないらしい。まあ近くに町が5箇所有れば余裕なのだが、そんなに固まって町があるはずもないので立地次第で国の安定度は変わってくる。

まあ自由に法律が決めれるならこれぐらいの制限は当たり前なのだが。

王様の引き継ぎでバカな王様が着くと3年くらいで簡単に国が滅ぶらしい。

だが国民には色々と有利な事が多く人々は国に住みたいとは思うらしい。

国の土地は白金貨1枚以上かかるらしい。

一般の人はまずお目にかかる事の無い貨幣だとか。

どうやって用意したんだろう~。


次に村だがこれは国や町とシステムが違い、権利や義務もない

土地を購入し人が集まり開拓した集落に近い物らしく、盗賊に襲われたりもするらしい。

だが国みたいに変な法律はなく、町みたいにお金に困ることもないので住みやすさはあるらしい。

しかし、魔物に購入したポイントに侵入されると土地を没収されるらしい。

土地の購入には金貨1枚以上必要になるらしい。


次に貨幣に付いて

貨幣は100枚毎に価値を上げていく

木、銅、鉄、銀、金、白金と価値を上げていく。

日本のお金に例えると鉄貨で一万金貨一枚で一億円

白金100枚で一兆円?あれ?計算あってるよね?

とにかくだ、100億も出せば国が買えるらしい。

ってことはこの村は20億もしたことになる。

マジでどうやってザイルさんは稼いだのか、是非ともご教授願いたいです。


次に称号に付いて

称号はステータスを上昇させたり。特殊なスキルを取得したり、魔物が落とすお金が増えたりと色々な効果があり、持ってて損は無いらしい。

中には状態異常無効などの強力な効果を持つスキルもあるらしい。まあ、希に悪い効果もあるらしいが。

取得には特殊な条件があり、町や国で普通に暮らしているだけでは取得出来ないらしい。

取っておけばよかったと後悔した。


次に言語について

言語は通じる者と通じない物にはっきりと分かれるらしい。ザイルさんは魔族の中でも話が通じる者もいたらしいが少なかったらしい。

なのでいざ喋ってみないことには誰と話が通じるのか分からない状態らしい。

ザイルさんはこの村の人達とは全員話が出来るらしく、この村は一つの言語で統一されてるみたいだと言っていた。


最後にスキルの使い方に付いて教えて貰った。

ステータス系のアイテムによって使い方は様々で風呂場を貸してもらい、ひたすらにウォーターと馬鹿みたいに言い続けた。時にはカードを操作しながら、時にはポーズを決めながら、時には念じながら

結果スキルを使うには頭にウォーターと思い浮かべて指先一つで発動出来るようになった。


説明回でした。

書いてる方はそこそこ楽しいのだけど読むのは苦痛と、言う誰得回でした。

すみません、少しずつ説明していくのが面倒だったので一気に終わらせました。

次はカズマが目的を決めて旅立つのかな?

そんな感じで続きをお待ちください。


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