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初めての村

僕は眠りから覚める。

目蓋を開く、まず視界に入ったのは薄く赤い空だった。空の中に同じぐらい赤に染まった雲があり小さな星の光らしき物も見えた。


僕は体を起こす。

そこは一面短い草が生い茂っていてその先に左右に広がる道が見えた。道は僕が起こした体より少し高い位置にあり、道のすぐ奥は見ることができなかったが、遠く奥に山が見えた。


僕は立ち上がる。

視界が更に広がり、道のすぐ奥も見えた。その先も草が生い茂っている。

更にその先に道があり森の中、山の方角に続いていた。

左右に伸びる道はその先が見えないほどに長かった。

人は誰もみえなかった。


「ここが次の世界か」


僕は大きく息を吸って吐いてみた。


「空気は美味しいな」


前の世界では空気が濁っていた。空気が美味しい場所なんて遠くに行かなければなかった。

この世界では身近に吸える。

それが少しだけ気持ちを落ち着かせた。


それから僕は服に付いているポケットを探す。

ズボンの後ろポケットにカードが1枚入っていた。

カードはサイズはスマートフォン位で特に何も記入されていない白いカードだった。


(何に使うのかな?この服よりは高いから何かしらの使い道があるんだろうけど、取り敢えず近くに村でもないかな?今気付いたけど下着穿いてないし、スースーする、嫌だな)


取り敢えず近くに村がないか見渡して見るけど村はなかった。

日は落ちていて赤い空が徐々に暗くなっていた。


左右に伸びる道のどちらに進もうか悩み始める。

コインも持ってない為迷っていたが、なんとなくで右に進む事にした。


暫く歩いていると辺りは暗くなり、視界もかなり悪くなっていた。

道を踏み外しそうになったり、躓いた事もあった。


けれども道の通りに歩いて行く。

暫く歩いていたが特に何もなく。ひたすらに歩き続けた。


すると目の前に何か現れた。道の外から何かが道に出てきた。

サイズは小さく子犬と同じ位のサイズだった。

なんだろうと思い僕は不用意に近付いた。

目の前のそれは飛び上がり僕のお腹に突っ込んできた。

僕は吹き飛ばされた。たいしてスピードも出ていないそれに、僕は1m位吹き飛ばされた。

かなり痛かった。胃の中の物が出そうになる。必死に僕は堪える。前を見るがそれはまた僕に飛びながら突っ込んで来ていた。

僕は必死に道から横に転がり落ちてなんとかそれの攻撃をよけた。

僕は何かに襲われているのだとようやく理解した。


草原に転がった僕はすぐに立ち上がり辺りを見渡すが襲ってきた何かを見つけることはできなかったが、辺りで草が擦れる音が響くのを聞いた。


(どうやら、まだ居るみたいだな。どうする?戦う?逃げる?逃げてもいいけど何処に?道はどっち?もう分からない、とにかくどこへでもいいから走れ!)


僕は走り出す、方向も分からずただ走る。しかし後ろの方からガサガサと襲ってきた何かが追って来ているのがわかる。


(怖い、怖い、怖い、怖い)


暫く走ると横腹が痛くなる。スピードも落ちてきた。

後ろから衝撃がきた。また吹き飛ばされた。

かなり痛かったけど我慢する。こんなの今までの痛みと比べたら死ぬような痛みじゃない!


起き上がってまた走り出す。僕は気付いた。

辺りが少しだけ明るくなっていた。

また後ろから衝撃がきた。吹き飛ばされた。

起き上がって後ろを見る。

襲ってきた物体が見えた。


グミみたいな青く丸い生物だった。


また飛んで突っ込んできた。しかしスピードは遅く姿が見える今なら避けるのは簡単だった。


僕は右に飛びながらグミみたいなやつの攻撃を避けた。


(なるほど、Xが言ってたっけ、物語とかの生物が居るって、こいつはスライムかな?)


相手の姿が見えた事で僕は少し冷静になれた。恐怖もどこかに消えていた。


(どうする?姿が見えるし、あいつは攻撃が遅いから攻撃を避けるのは簡単だ。でもこっちは丸腰だし、戦う為の装備じゃないし。裸装備でスライムって倒せたっけ?)


考えていたらまたスライムが飛んできた。僕は飛んで避ける。


(どうやらあの攻撃しか出来ないみたいだな。これなら確実に避けれる!どうやって倒す?魔法使い?今は魔法の使い方なんて分からないよ!殴る?蹴る?取り敢えず何でもいい!あいつにダメージを与えろ!)


僕はすぐにスライムに近付くため走り寄り蹴った!


(蹴れた、当たった!あいつはそんなに早くない!避けるのも遅かった!勝てる!)


その後僕はスライムからの攻撃を何度かくらいながらもスライムを蹴り続けた。


何度蹴ったか分からないがスライムが動かなくなった。

スライムの体は霧になるように消えていった。スライムがいた場所には木で出来たコインが2枚落ちていた。


僕はコインを拾ってポケットにしまうとようやく辺りを見渡す。


そこには道の上に松明が付いていた。しかも道に添って統一された間隔で道を照らすように松明がついていた。

僕は松明に近付いて道にあがり腰を落とす。


肩で息をして汗が吹き出す顔を服で拭いていく。


(ほんとドラクエみたいな世界だな。一体何の世界だよ!魔法使いになってるはずなのに魔法使えないし!訳分かんないよ!)


そんなことを考えながら疲れた体を休ませる。


(でもコインみたいなのは手に入れた。これでこの世界でようやくスタート出来る!先ずはこのまま道を進むかここで休むかかな?)


僕はさっき拾った木のコインでコイントスをする。

裏が出た。休む事にした。暫く休んでいると眠気がきた。


(眠くなってきたな。でもこんな所で寝たらまた襲われるかも、)


コイントスをする。また裏がでた。

僕はそこで寝る事にした。




ドガッ!


僕は衝撃で目が覚めた。体が痛い。何が起きたか分からない。体を起こして辺りを見渡して見る。何かがこっちに飛んできた。吹っ飛ばされた。


また体を起こして辺りを見渡す。スライムがいた。


(またお前か!)


取り敢えず蹴りまくった。

スライムは霧のように消えた。コインは2枚だった。


他にいないか辺りを見渡すが居なかった。空は青くなりつつあった。朝を迎えた避けようだ。


取り敢えず松明が並んでいる道を進むことにした。


道を歩いて行くと、村らしき物がみえた。

村の入口には槍を持った、見張りらしき男性が立っていた。


村に近付いて行くと見張りの男がこちらに気付いた。


「そこの者!止まれ!」


どうやら僕は怪しまれているようだった。

僕は指示の通りにそこで立ち止まる。


「この村に何の用だ!」

「食料を買いに来ました!」


取り敢えず僕はお腹が空いていたのでそう答えた。お金は無いけどね。


すると見張りの男は


「そこで待っていろ!」


そう言って村の中に入って行く。


暫く待つとさっきの男とお爺さんが歩いてきた。


「この村に食料を買いにきたのかね?」

「はい」

「そうかい、じゃあ少し一緒に付いて来てくれるかい?」

「わかりました」


僕は何故かお爺さんと一緒に村の中に入り、歩いていく。

お爺さんはチラチラとこっちを見ていた。

村の中にはまだ朝早いからか村人は少なかった。

だが村人たちも僕の方をチラチラと見ていた。


(なんなのこの村、さっきのからチラチラと、何か嫌な村だな)


暫く歩いていると隣のお爺さんが店の前を掃除していた少し太ったおばさんに声をかけた。


「ちょっといいかい?」

「あら村長!どうしたのさ?こんな朝早くに!」


笑顔でおばさんは答えていた。


「いやな、この少年が食料が欲しいそうなんじゃ」

「誰だい?」


おばさんはこっちを見ると変な物を見ているように眉間にシワを作りお爺さんに聞いた。


「旅の少年みたいなんじゃが、」


お爺さんはこっちをチラチラと見ながら答えた。

おばさんはこっちを見ると


「何が欲しいんだい?」

「えっと、これで水と何でもいいので食べれるものを」


僕はポケットから木で出来たコインを3枚出しておばさんに答えた。


「ちょっと待ってな!」


おばさんは感じが悪かった。あからさまに嫌そうにコインを受けとり店の中に入って行く。

少し待って、おばさんはパンと木で出来た水筒らしき物を持って出てきた。


「はい!どうぞ!」


笑顔のひとつもなく僕に手渡す。


「あの?」

「なんだい!」


おばさんに少し声をかけたら怒鳴られた。


「この村に宿とかありますか?」

「あるよ!」

「一泊いくらかかるか、解りますか?」

「そんなのは宿屋に聞いとくれ!」


おばさんは僕と話すのも嫌そうに店の中に入って行った。

お爺さんがこっちに来て。


「宿屋はこの道を真っ直ぐ行った。突き当たりにあるよ、一泊木貨10枚だよ」


お爺さんは僕と目も合わさずに答えた。


(なんなのこの村?僕が何かしたの?とにかく快くは歓迎しては貰えないみたいだな。まあ、あのコインがお金らしい事は分かったし村を一旦出ようかな?お金も無くなった事だし。)


「わかりました。ありがとうございます」


僕はそう告げると村の外に向かって歩きだした。

後ろにお爺さんも付いてきた。


村の外に出ると、お爺さんは付いてくるのを止めて村の中に歩いていった。


僕は村から離れて食事をする事にした。


(取り敢えず今日は最低でも13枚迄はスライムを蹴らないときついな、このパンだけで夜までもつか分からないけど、というか魔法使える筈なんだけどなんでスライムを蹴らないといけないのかな?ステータスとかも分からないし。残りHPが分からないとかどういう事?)


僕はパンを食べ終わり一番遠い松明の所に木の水筒を置いてスライムを求めて歩きだした。



空はすっかり赤く染まっていた。

松明の所に戻り水筒から水を全部飲んだ。

道に座り込み僕は息を整える。

今日はひたすらにスライムを蹴り続けた。

今日だけで50枚木のコインを手に入れる事ができた。

スライムはコインを3枚落とす事もあった。

ただ2匹出てくる事もあったので大変だった。

魔法も使えないか色々試したが結局使えなかった。


(魔法が使えない魔法使いとか意味がない。武道家や戦士でも選べばよかった。何度か攻撃を受けたけどすぐにHPは減らないみたいだね。体に異常は無かったし)


僕は再び村を訪れる。

また門番はお爺さんを連れてきた。ただお爺さんの横には一人剣を腰に提げている男を連れていた。


「今日は宿に泊まりたいのかのう?」

「はい」

「じゃあ、この男と一緒に行ってくれないかのう?村を歩く時も一緒に行動してくれると助かるんじゃが」

「わかりました」


僕は完全に怪しいようだ。僕の何が怪しいようだ。何が怪しのかは分からないけども。

取り敢えず宿屋に行く前に、食料を買いに行く事にした。

また嫌な顔をされた。5枚コインを渡してパンと水を買った。空になった水筒を渡して、2本の水筒とパンを受け取った。おばさんは凄く嫌そうにしていた。

取り敢えず宿屋に行くと受付の人も嫌そうにしていた。

2泊分のコインを渡して部屋に案内してもらった。一緒にいた人は宿屋の入口からは着いてこなかった。

部屋に案内してもらうと案内してた人は逃げるようにどこかに消えていった。

どうやらこの村の人はこんな感じの人しか居ないらしい。


僕はパンと水筒を机に置いてベットに身を投げた。

少ししたら眠くなったのでそのまま寝た。


朝早くに目が覚めた。

昨日買ったパンを食べて水を飲む。


(袋でいいから欲しいな。コインも50枚以上は服のポケットに入らくなりそうだし。道具屋みたいなのがあればいいけど。取り敢えず風呂に入りにいこうかな?)


服の着替えや下着は無いが取り敢えず汗でベタつく体が気持ち悪くて風呂に入る事にした。


風呂から上がり少しくつろぐ。


(取り敢えず、必要な物が無さすぎる。替えの服に下着、袋、食料、武器、防具、色々お金がいるな、取り敢えずどれぐらいで買えるのか見に行こうかな?)


そうと決まると備え付けのタオルでよく髪を拭いてから僕は村を歩く事にした。もちろん見張り役の男と一緒に。


色々店を見てみたが、買えたのは袋と下着と食料だけでお金が底を付いてしまった。


服や武器や防具はやたらと高かった。

まあ今からスライムを蹴飛ばしてくればなんとか服は買えそうだが、武器や防具は高い物は2日スライムを蹴飛ばさないと買えなかった。


店の人はどこも僕を前にすると嫌そうな顔をした。なんなんだこの村は!


(あんまり居心地の良い村でも無いし、武器や防具は諦めて別の村に行ってから買おうかな?スライムだけならなんとかなりそうだし)


宿に戻って買ってきた下着を穿く


(やっとスースーしなくなった!ポイントでちゃんと買っておけばよかった。これで蹴るときに変な感じがしなくなる)


僕は袋に水筒を入れて、また村の外に出てスライムを蹴飛ばしに行った。


今日は46枚コインを手に入れた。

村から離れ過ぎると、スライムたちは3匹出て来ることもあった。さすがに避けるのに必死で逃げながら戦った。かなりきつかった。

村に戻るまた嫌な顔をされた。


宿に戻って荷物を整理する。


(明日買うものは、服と火を起こす道具と水と食料かな?最低でも安い剣だけでも買わないと3匹相手はきつい、また水筒貰えるのかな?はあ、疲れたなぁ、お金足りるかな?)


翌朝僕は、すぐに村を出てスライムを蹴飛ばしに行った。


30枚位コインを手に入れた。

村に戻る。またまた嫌な顔をされた。

武器屋に行って60枚払い木の剣を買った。

次は道具屋に行く。


店の人に嫌そうな顔をされたが火起こしを買う。

ついでにあのカードの事を聞いてみた。


「そんなのは識別を使える奴に聞け!」


怒鳴られ、店を追い出された。


僕は見張り役の男に聞いてみた。


「この村に識別を使える人っていますか?」

「村長が使えるが?会いたいのか?」

「はい」

「チッ、付いてこい!」


舌打ちされた。


(どうなってるの?村の人達の態度がどんどん悪くなってる気がする。最初は顔に出すだけたったのに今は態度まで悪くなってる。なんなの?僕はこの村に何かしてるの?)


男に付いていくと一件の家に連れて行かれた。

家の中に入り一番奥の部屋まで行くと


「村長!例の奴が村長に会いたいんだと!」


(例の奴って僕?あれ?そんなに嫌われてるの?)


「入って来なさい」


僕は男と一緒に部屋に入る。

部屋の中には何度か話したことがある、お爺さんが座っていた。


「私に何かようかな?」


嫌そうな顔をしていた。


「えっと、このカードか何か知りたいんだけど」

「ほう、無料でとは言えないのう」

「いくらかかりますか?」

「お金はいらんから、この村から出ていってはくれんかのう?そしてこれからこの村に近付いて欲しくは無いのじゃが?」


村長はそう言った。僕は驚き戸惑い頭の中には疑問が浮かび、疑問で頭がいっぱいになる。


(え?なんて言った?この村から出ていけ?二度とくるな?え?僕?何かしたの?)


暫く僕は混乱していたが、よくよく考えれば今はお金も少ない、この村の人達からは良く思われてはいない、居心地がわるい。

いい条件だった。

そこで僕は、村長を見る。

こちらの様子を伺っているようにチラチラこっちを見ていた。

その様子を見て僕はもうひとつ条件を出して見ることにした。


「もうひとつ条件があります」

「貴様!立場が分かっているのか!」


僕がそう言うと見張り役の男が僕に剣を向けた。

村長が慌てて


「ブラム、よい!」

「しかし!」

「よいのじゃ、その条件とは?」

「幾つか質問をさせて頂きます」

「わかった」


村長が見張り役の男を止めてくれた。正直、殺されるかも知れなかったので助かった。

なんとか質問をする機会を貰えた。これで少しこの世界についての情報が得れる。


「では、何が聞きたいのかな?」


村長が僕に聞いてきた。僕はポケットに手をいれて木のコインを取り出す。

その時見張り役の男がまた剣を構えていた。


「このコインはお金ですよね?」


僕はまずお金について聞いてみた。

これからも別の町に行く事になるのにお金が解らないじゃ困るから


「そうじゃが?」

「他にもお金になるコインもあるんでしょうか?」

「?、、そうじゃが?」

「どんなコインか教えてくれますか?」

「??、、、少々待ってくれんかのう?答える前に聞きたいことがあるんじゃが」

「何ですか?」


村長は立ち上がり棚から片手で持てるサイズの水晶を取り出して水晶越しにぼくをみた。


「お主は何が聞きたいのじゃ?」

「この世界の常識です」

「お主は、、、異世界から来たのかのう?」

「はい」


村長は僕の答えを聞くと震えだした。

いや、笑いを堪えていた。

村長はついに笑いを堪えることが出来ずに


「フハッハッハッハ!」

「村長!?」


見張り役の男も驚いていた。


「いや、悪いのう、そうかそうか、ブラムや、外に出ておいてはくれんかのう?」

「村長!?」

「よいよい、心配はいらぬ、ほれほれ、外に行くのじゃ」

「いや、チョ、村長?」


村長は急に態度が変わり見張り役の男を部屋から追い出した。


「さて、すまなかったの少年、名前を聞いてよいか?」

「カガミカズマです」

「そうか、カズマよ、儂はザイル、元の名を堤下光一という」

「へ?」



僕は呆けた顔をしていた。それを見たザイルさんはまた笑った。


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