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SOUL EATER  作者: コーユー
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第12話 吸血鬼

「斎藤…」


玄関に立っていたのは確かに

「斎藤涼」

だった。

が、明らかに二人が知っている

「斎藤涼」

ではなかった。

姿は今までどうり華奢な体なのだが、昼間着ていた服の所々が黒く変色していた。

そして、右手にはサッカーボール大の何かを掴んでいる。

「…」


動けずにいる二人を交互に見回して、右手を振りかぶるような動作をする。

ぴきぴきぴき…

氷が急速に固まるような音を立てながら右腕が膨張していく…

―ゾクッ―

二人はほぼ同時に後ろに下がっていた。

考えての行動ではない。

身の危険を感じたのだ。

『何かやばい!』と。

斎藤の右腕は本の二倍以上膨張している。

血管は浮き出て、コードのように腕を張っている。

「おわぁ!」


一人が何かを踏ん付けてこけるのと、斎藤の右腕が振られるのはほぼ同時だった。

ヒュ…ぱぁん!

立っていた位置に何かが猛スピードで投げ込まれ、踏ん付けて蹴り上げたものもろとも壁に叩きつけた。


「…」


言葉が出ず、ただ音のしたほうをみる。

そこには真っ赤な花が壁に咲いていた。

たった今咲いたのだ。

証拠にまだ瑞々しい。

そう、今投げ込まれた

「何か」

が弾け飛んで

「咲いた」

のだ。

斎藤のほうはさっきまで膨らんでいた腕が元に戻り逆に血を流していた。

二人はじっと花のほうをみていた。

花から雫が壁ずたいにゆっくりと垂れて

「種」

のところまで垂れた。

種にはたくさんの毛があった。

長くて、一本一本はだいぶ細い。

根にしてはかなり貧相なように見える。

「う…」


うめき声が聞こえる。

「種」

に気付いたのだ。

「うぅ…」


声は二人から発していた。

弾けたのは、

サッカーボール大で、黒い根がついていて、弾けると赤い液体等が飛び散り、固い破片があって…

それは、人の頭だった。

液体が瑞々しい花を咲かせていた。

「うぇぉ…」


悲鳴をやっと飲み込む。

逆流する胃液を飲み下す。

喉が焼ける。

そして気付いた。

―家に充満していた匂いは…

…血だった。


斎藤は二人のその様を無表情で眺めている。

顔を斎藤に向けた二人の表情は引きつっていた。

「二人とも何でいるの?」


何事もなかったような台詞でさえ二人を脅かすのには十分だった。

「っ!…」


言葉にできないというように口をぱくぱくさせる。

「ぱくぱく」

と言っても、閉じることはできず、半開きのままなのだが。

「今さぁ…」


普段道理に話す斎藤。

「飯食ってきたばっかなんだよね」


満足気に笑う。

「そしたら二人がいるんだもん」


「とっさにもってるもの投げちゃったよ」

と、笑いながら言う。「今日はご馳走だぁ」


斎藤は彼らを食料としてしかみていない。

「…んで…」


小さな声が聞こえた。

「ん?」


食事を目前にしたためか、顔がほころんでいる。

「死んだはずじゃ?」


やっと聞き取れるほどのかぼそい声。

普段の様子とはかけ離れた恐怖の表情も食欲をそそるスパイス以外のなにものでもなかった。


満足気にうなずきながら、

「死んだよ」

と簡潔に答える。

死に行くものへの慈悲だろうか?

食欲による興奮だろうか?

冗舌になりつつあるようだ。

「斎藤涼と言う人物は死んだ」


二人の表情を眺める。

「今ここにいるのは、『斎藤涼』という入れ物にいるのが僕さ」


ぽかんと口を開けている。

「一連の吸血鬼騒ぎの犯人も僕だ」


びくっと二人のからだが硬直する。

「そう、僕は『斎藤涼』であり、『吸血鬼』と言うわけだ」


ゆっくり後退りしているのを気付いていない。

自称吸血鬼は、軽く手で顔を覆った。

次の瞬間

「斎藤涼」

の顔はなくなり、女の顔があらわれた。「この顔は30年前に喰った奴の顔」


また顔を覆った。

「これは100年前」


年をとった老人の顔だった。

声もしわがれたものになっている。

顔を元に戻し、ゆっくりと近づいてくる。

一歩一歩

また一歩

二人もやっとの思いで下がる。

鼻歌を歌いながら二人を見比べている。

―どちらを先に食らおうか。

そんな考えが伝わってくる。


二人の視界からいきなり消えて真横まで飛んできた。

「うぅ…」


後退りしようにも後が無い。

顔はすでに斎藤涼の顔ではなかった。

しわがれた老人のような顔になっていた。


「う…う…うわぁぁぁぁぁ!」


秋の夜に絶叫がこだまする。


最近ゲーセンに時々行ってます。久々にアヴァロンの鍵をプレイしてまたやりたくなってしまいました。1プレイ300円は高い…(・・;)

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