68:アビゲイル・エヴリンが初めてハラスメントに遭遇した時のこと。
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「こんにちはー!!人間界に魅了された少女ザメ、シロスカ・シャクですぅ!!!」
チーム第一号のメンバーであるサメモデルのVTuberが、チャットに自己紹介した……
[こんにちはー……]
[こんにちはー、シャクちゃん……]
[来た……]
「皆さんこんにちは!実はサキュバスだけど女の子が好きな高校生、リリロア・ララです!!」
「性の奴隷、ご報告です!!!」
「こんにちはー!!!」
「来た……あと一人……」
「こんにちは……精神病院を脱走したことがなくて女の子が好きなエモ系少女、ホリカワ・ホリキタです……」
「こんにちはー……」
「ホリちゃーん……」
「来たー……私たちの女神……」
「では……今日は三人とも配信場所を変えることになったので、ジブリ風モデルを使わせていただきます……」
[かわいいいいい……]
[人形みたいだ……]
[このモデル見てたら商品化してほしくなってきた……]
[かわいい……]
「それでは、今日皆さんとの親睦を深めるコンテンツですが……いつも通りゲーム実況になります……」
[またホラーゲーム?]
[ホラーゲームだよね?]
[またホラーゲームか……]
「ホラーゲームじゃないってば!このバカたち!!!!」
シャクちゃんは、ホラーゲームだと書き込んだチャットにすぐに文句を言った……どうやら未だにお化けが怖くて仕方ないようだった……
「シャクちゃんってお化け怖いの?」
アビゲイルちゃんが尋ねると、シャクちゃんはすぐに言い返した……
「怖くないってば!!」
「あら……そう?……じゃあ、ファスモフォビアをもう一回プレイしてみようか……」
「キャー!!!!そのバカゲーの話やめてよね!!!」
[wwwwwwwwww]
[怖がってる……怖がってる出てきたwwwwwww]
[ハウアーユー……wwwwwwwww]
[もっと見たい]
「私が先にお前らを片付けてやるんだから……」
どうやら彼女は本当に、ホラーゲームが心底苦手なようだった……
「まあまあ……シャクちゃん、チャット相手にケンカ売らなくていいから……はい、今日はシューティングゲームで遊びますね、いいですか?」
「イエーイ……」
ララちゃんは拍手をしながらシャクちゃんの背中をポンポンと叩いてなだめた……もちろん、彼女の怒りはまだ収まっていなかった……
「それで……今日遊ぶのはシューティングゲームなんだね……アビゲイルちゃんもこういうの好きそうだよね……」
「はい……ホリ先輩、私、サバイバルゲームはよくやってた方なんです……」
「へえ……私もやってみたいなあ……今度四人で一緒に行ってみようか?」
ここでいう「サバイバルゲーム」とは、フィールドで模擬銃を使って戦闘シミュレーションを行うBB弾を使った実弾射撃ゲームのことだった……この活動は漫画化やアニメ化もされており、『青春×機関銃』というタイトルで知られている……
[あ……俺もやってますよ……四人でやりたいなら大歓迎です……]
[うちのチームに入ってください……私もやってるんで……]
[お金かかりそうな趣味だな……パスで……]
そして四人はゲームに入った……四人がプレイしていたのは、100人でバトルロイヤルを行うオンラインゲームで、最大6人でチームを組める仕様だった……女の子たちは4人でチームを組んだが……余った2人がどのチームにも入れずにいた……
「ねえ……どうしようか」
「入れてあげようよ……でもマイクの声、変声機で調整してもらった方がいいかもね」
「うん……」
三人はホリカワの提案に頷き、そうすることにした……
アビゲイルはその二人をチームに迎え入れることにした……
{こんにちはー……お邪魔します……}
相手は彼女の声を聞いた瞬間……一人目のチームメイトがすぐに挨拶を返した……
{あ……お邪魔します……}
{お邪魔しまーす~~いやあ……入れてもらえて本当にありがとうございます……もう少しで参加できないところでした……}
{はは……こちらこそよろしくお願いします……}
[お邪魔しまーす……]
[この二人の声、めちゃくちゃイケボじゃん……]
[こんにちはー……]
[こんにちはー……]
そしてそれは、起こるべくして起こった……柔らかい声で話す一人目のチームメイトが、初対面の相手には絶対に聞かないようなことを尋ねてきた
{えっと……ツェリードニヒさん(アビゲイルのゲーム内の名前)って……おいくつなんですか?}
「え……ちょっと待って……開幕早々、年齢聞いてきた?」
[おい……]
[おいおいおいおい]
[おい……なんで聞くんだよ……]
[イケボ発言、撤回でいい?]
「あら……もう、口説かれちゃった……」
「それセクハラだから」
幸い、四人はディスコードで会話していたため……いろいろと気兼ねなく話すことができた……
{おいくつなんですか?}
「うわ……食い下がってきた……」
[こいつApexでまつりを口説いた奴じゃない?]
[謎のデジャヴ……]
[こいつが韓国語で口説いてきたら確定だな……]
[見覚えのある展開だ……]
{あ……今年やっと16になったところです……}
[wwwwwww これってまつり配信の再放送か?]
[16歳ってところも同じなんだが……]
[面白すぎる……]
{ぼ……俺は22歳です……}
[やっぱりこいつだ!!確定]
[見つけた……ハハッ]
[こいつで間違いない……]
{へえ……じゃあお兄さんですね……}
{あ……そうですね、へへっ}
[へへっとか言ってるし……鳥肌立つな……]
[怖すぎ……]
[今からキックしても間に合う?]
ゲームが始まった……チームのメンバー全員がマップ上にランダムで配置される……全員の目標は同じで、マップ上の武器や装備を探すこと……幸い、このゲームでは100人がマップの各地点にランダム配置される仕組みではあるものの、同じチームは同じ場所にまとまって配置される仕様になっていた
{この銃使ってみてください……最近アプデで追加されたばかりのやつです……}
{あ……ありがとうございます……最近全然やってなかったので、アプデされてたの知らなかったです……}
{どういたしまして……}
三人の女の子たちはマイクをオンにせず……ディスコード上でのみ会話していた……
シャクちゃんは当然、特に警戒していた……彼女はまだ高校生であり……そして何より……もし彼女に何か仕掛けてくる人間がいたら……その人物は永久に痕跡もなく消え去ることになるかもしれないから……
{えっと……その……ツェリードニヒさんって……高校生なんですか?}
{はい……まだ学生です……}
{あ……高校生ってことですか?}
「ちょっと待って……こいつ……どう返信すればいいかな、チャット」
[もう罵っちゃえ]
[中学生って答えとけ]
[中学生……]
[返信する必要ないって……]
「ねえチャット……いいこと思いついたかも……」




