67:甘くて魅力的な看護師VTuberの第一弾をご紹介します 2…
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「hello.....everyone.....um.......Can everyone hear me?」
シャーロット・宮島の小さな癖……極度に緊張すると、彼女はとっさに英語で話し出してしまう……
モデルはチャットに向かって手を振り……言い終えると同時に、思わず自分の手で顔を覆った
[え!……外国人の子なの?]
[こんにちは……]
[へえ……英語すごい上手だね……]
[今度は外国人か……]
[hello!......welcome to japan!]
[かわいい……]
[うわ……3Dモデルなんだ……]
[よろしくお願いします……]
初めてチャットに挨拶した時……このニュース系看護師VTuberが、今SNSで話題沸騰中のインディーズVTuberチーム「ヘレナミスティック」の新メンバーだと知ったファンたちは、彼女のチャンネルに続々と集まっていた
三人それぞれのファンと新規のファンがこの配信に集結し、視聴者数はすでに三千人を突破していた……
「あっ!……違う違う……ここ日本だし……日本語で話さないと……あ、konnichiwa....minnasan....」
彼女は小さく手を振りながら、もう一度みんなに挨拶をやり直した
[かわいいいいい!!!]
[すごく可愛い……]
[かわいい!]
[めちゃくちゃかわいい!]
[かわいすぎる……]
チャットは今、「かわいい」の文字で溢れかえっていた……それを見たシャーロットはさらに緊張し、また思わず両手で顔を覆ってしまった……
「あなたたち……別に私、可愛くなんかないから……」
そう言えば言うほど、チャットの「かわいい」ラッシュはさらに勢いを増していった……
「もう……」
彼女は気持ちを立て直そうとした……深く息を吸い込んで……そしてもう一度話し始めた……
「では……三回目のご挨拶になりますね……遠い国からやってきた、心優しい看護師系VTuber、アビゲイル・エブリンです……」
[三回目の挨拶いいね……]
[あ……アビゲイルちゃんって、三チャンネル共通のトップスパチャ主だよね……]
[お、トップスパチャちゃんがVTuberになったのか……]
[こんにちはー……]
[こんにちは……間に合ったでしょうか?]
「あ……あの……プロフィール……えっと……」
彼女の少しそそっかしい様子に、チャットはますます彼女を可愛がるようになった……プロフィールウィンドウをクリックすると……彼女は立ち上がり、みんなに自己紹介をした。ユウタたちが一ヶ月かけて作り上げた3Dモデルの性能を披露するために……
「名前はアビゲイル・エブリン、年齢は秘密、身長も教えてあげません、体重は絶対に教えません……趣味はFPSゲームをすること、写真を撮ること、そして旅行です。私自身、ヘレナミスティックの熱烈なファンでもあるので……チームに誘っていただけて本当に嬉しく思っています……」
[年齢と体重と身長のところだけやたら口調が強気だったのなんで?]
[え……なんか変]
[自己紹介の仕方が独特すぎる]
[あの強気な声、それはそれで可愛い……]
[FPSゲームもやるんだ?……意外だね……]
「皆さんの予想通り……私はアビゲイルちゃん、皆さんが思い浮かべているあのトップスパチャ主です……正直、まさか自分がヘレナミスティックのチームに入ることになるなんて、夢にも思っていませんでした……」
[アビゲイルちゃんは、チームのメンバーとは前から会ったことあったの?]
「ないよ……さっき初めて会ったばかり。あ、でもアキさんとなら、私が中学生の頃に会ったことがあるよ……でもそんなに話したわけじゃないけどね」
[アキさんって、どこにでも知り合いがいるんだな……]
[それでどうやってチームに入ったの?……アキさんの紹介とか?]
「ううん……実は私、チームのスタッフのユウタくんと付き合ってるんだよね……」
[え!……]
[待って……それってホリちゃんの音声補助器作ったユウタくんのこと?]
[あぁ……あのトニー・スタークの人か?]
[このチーム、独身の人いないのかよ……]
[チームのVTuber全員彼氏彼女いるってこと!?]
[それがもう定番の流れになってるのか……]
「もう……そうなんだよね……」
アビゲイルは約三時間前のことを思い返していた
「はぁ!?……エモくんと付き合ってるって言えってことですか……」
「そう、それでいいんだよ……」
アキトはのんびりとした口調で言いながら、アメリアが淹れてくれたお茶を一口飲んだ……
「ちょっと待ってください!?……私とエモくんは、ただの……」
彼女は思わず「客と店員」だと口を滑らせそうになった……でもすんでのところで言い直した。母親にはレンタル彼女の仕事をしていることを一度も話していなかったから……
「……友達なだけですから……」
「そうですよねアキトさん……」
ユウタも援護しようとした……でもアキトはすぐに二人の言葉を切り返した……
「ただ、変な性癖のファンにストーカーされたりしてほしくないだけなんだよ……2015年頃のオタクたちが、彼氏持ちのアイドルを叩いたり罵ったりしてた事件、覚えてないか?……」
年齢が近いこともあり、シャーロットはすぐにその光景を思い浮かべることができた……
「だから私に、エモくんの“彼女”のふりをさせて、ストーカー問題を防ごうってことですね……」
「あぁ……いやあ、このクッキー本当に美味しいですね……」
「そういうことよシャルちゃん……でもねえ……ふりをするくらいなら、いっそ本当にユウくんの彼女になっちゃえばいいのに……」
「お母さんってば!!」
現在に戻る……
「まあ……正直、炎上とかしないか心配だったけど……皆さん受け入れてくれてるみたいだね……」
[最初から彼氏いるって正直に言ってくれてるしね……]
[普通に受け入れられるでしょ……ちゃんと最初から言ってくれてれば……]
[何も問題ないよね……]
[まあね……誰にでもプライベートはあるし……彼氏禁止、家族禁止なんてやりすぎだよ……]
[昔とは全然違うよね……]
「そうそう……アキさんから聞いたんだけど……昔ってアイドルとか役者さんって彼氏彼女禁止だったの本当?」
[昔は熱狂的なファンがそのアーティストを追い詰めて自殺に追い込むレベルだったからね……]
[すごい時代だったんだね……]
[実は……VTuberも同じような目に遭うことあるんだよ……でもここ二、三年でそういうのはだいぶ減ってきてる]
[最近のファンは、むしろ推しの幸せな姿を見たいっていう傾向が強くなってきてるからね……]
「へえ……私の生まれ育ったヨーロッパじゃそういうのなかったから……ちょっと不思議な感じがするな……」
[へえ……文化の違いってやつか……]
[まるで別世界の話みたいだね……]
「あ……でもね、日本の生活用品とか食べ物ってすごく安いよね……」
[え?]
[いやいや……今なんてコンビニ弁当ですら値下げ待ちしなきゃいけないくらいだよ……]
[安い?……そんなわけないでしょ……]
[何か言い間違えてない?]
[生活用品が安い?……ないない……]
「え?……間違えてなんかないよ……日本のものって本当に安いよね……だって……」
[家では一日いくら使ってるの?]
「まあ……一日一万円くらいかな……」
[やっぱりそうだった……]
[あ!やっぱりお嬢様じゃん!]
[マジの令嬢だったのか……wwwww]
「お嬢様?……私が?……嘘でしょ!……どうしてそうなるのよ……」
[否定するだけ無駄だよ……]
[一日一万円って、普通の会社員なら二週間分の給料だからね……]
[やっぱり本物のお嬢様だ……]
[じゃあ……お嬢様ってことなら……アビゲイル様って呼ぶべきかな……]
[それいいね、アビゲイル様……]
「え……アビゲイル様!?……」
アビゲイルはしばらく驚いた表情のまま固まっていた……そしてまた椅子に座り直した……
「あ……この呼び方、それはそれで可愛いかも……」
[最高!]
[よろしくお願いします……アビゲイル様……]
[そうだね……]
「よし……じゃあ、私も皆さんにあだ名をつけるね」
[わくわく……]
[いいね!]
「じゃあ……えっと……アビゲイル・アシス……“助手”って意味だよ……いいかな?」
[いいと思う……]
[名前かっこいい……]
[私たち、あなたの専属アシスタントってこと?]
「あ……チャットみんな喜んでる……じゃあこれで決まりだね?」
アビゲイルはカタカタとキーボードを叩いた……配信の背景を、アビゲイル自身の部屋の背景に切り替えた……
そしてヘレナミスティックの三人のジブリ風モデルを起動した……
「そして……皆さんお待ちかねの時間です!……ヘレナミスティック、集合です!」
[イエーイ!!]
[来た……]
[わあ……]
[モデルかわいい……]
[かわいいいいい……]
[柔らかそうだね……]
「こんにちはー……皆さん……」
「イエーイ……こんにちはー~」
「こんにちは……」
四人の少女たちが同じ部屋に揃った……チャットの流れはますます勢いを増していった……
その時がついに来た……チーム四人目のメンバーの、正式なデビューの瞬間だった




