69:一夜にして有名になる方法…
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「あなた何するつもりなの?アビゲイルちゃん?」
「すぐ分かりますよ、シャクちゃん……」
配信が始まってすでに三十分ほど経過していた……女の子たちは、あんな怪しい人物とはとても話す気になれず、マイクをオンにしないままだった……
[何の作戦なんだ……]
[何かどんでん返しの計画でも?]
[わあ……]
{えっと……その、東京で学生やってるんですか?}
{福岡です……}
{あ……それで……その、インスタとかやってます?}
「え?……こいつ、私と会おうとしてる?」
[インスタ聞いてきたwwwwww]
[開幕から聞くとか、こいつ動き早いな……]
[面の皮厚すぎだろ……]
[彼氏いる子を口説いてるんだぞ……マジ笑える……結末見届けよう]
「こいつ本気で押してくるな……怖すぎる……」
あのラブラブなララちゃんですらドン引きするレベルだった……でもアビゲイルちゃんは、まだこの男との会話を続けようとしていた
{じゃあラインは……}
「ライン聞かれちゃった……チャット」
[マジかよwwwww]
[こいつ、絶対彼女に本気になってるな……]
[押しすぎだろ……]
[まったく……このバカ……]
正直言って……この二人の会話ばかりが続いていたせいで、敵をほとんど倒せていなかった……今やチームは完全にキャリーされている状態だった……
{それで……連絡先とか教えてもらえないですか……}
{ないです……私、ゲームしかしないので……SNSは全然触らないんです……}
{あ……今って学校終わったばかりですか?}
{はい……ちょうど終わったところです……}
{どんな学校に通ってるんですか?}
{ただの……普通の高校ですよ……}
{そうなんですね……あの、福岡ってどこか観光できるところあります?}
「どうしよう……もう我慢の限界かも……」
[もう罵っちゃえ……]
[限界きてるじゃん……]
{ありますよ……でも私、あんまり出かけないので……ごめんなさい……}
{そうなんですね……}
そしてついに……起こるべくして起こった……
みんなが待ちわびていた瞬間が……
{それで……その、もしよかったら……今度、福岡に遊びに行ってみようかなって}
{あ……はい……}
アビゲイルが相手を撃とうとしていたその瞬間……この男は会話を続けようとしてきた……
{それで……その、福岡のどのあたりに住んでるんですか?}
その隙にアビゲイルは撃たれ……即死してしまった……
「もう我慢できない……」
そして彼女はマイクを全開にした……
{お前マジで何なんだよ!!!ずっと私を口説いてやがって、このクソ野郎、このタコ助が……}
{あ……えっと……その……}
{ゲームしに来たのか寝に来たのかどっちだよクソ野郎……全然援護射撃もしねえで、このタコ助が}
{……その……俺……その……}
{何なんだよマジで!……私一発も撃ってねえんだけど……お前がずっと口説いてくるからだろうが……このタコ助が}
{……すみません。}
[容赦ないな……]
[アビゲイルちゃん……思ってたよりずっと過激だな……]
[……びっくりした……]
[罵り方が痛快すぎる……]
{おい!!!!お前のせいで私死んだんだけど……私が生き返るまでの間、代わりに撃ってこいよ……}
{は……はい!!}
その男は言われた通り、敵を撃とうと試みた……でもアビゲイルに罵られたせいで集中力を失い、結局敵に囲まれてあっさり倒されてしまった……
{Fuck!!!お前まで死んだのかクソ野郎!!30人撃つだけの簡単な仕事もできねえのかよ……このタコ助が}
{うっ……うぅ……}
その男は泣き出してしまった……
{もういい、私が自分で撃つから!}
アビゲイルはリスポーンすると、マップ上の敵を片っ端から撃ち始めた……このゲームには、チームの半数以上が死亡すると残りのメンバーはもうリスポーンできないというルールがあった……
アビゲイルは無骨な機関銃を一丁掴み、敵の弾幕をかいくぐりながら、相手チームを連射で撃ち抜いていった……もはや他の女の子たちはほとんど撃つ必要がないほどだった……
「敵はビルの屋上にいるよ……気をつけてアビゲイルちゃん……」
それを聞いたアビゲイルは手榴弾を二個投げつけ……敵を爆殺した……その後、煙幕弾で身を隠しながら……ジップラインを使ってビルの中へ突入した
このゲームのマップは、南部アフリカの砂漠都市のような雰囲気だった……
彼女はキャラクターに窓ガラスを蹴破らせ、体力を減らさないようにした……突入すると、治療中だった敵二人をナイフで喉を切り裂いて処理し……そのまま下の階に閃光弾と手榴弾を投げ込んだ……
「全滅完了……」
彼女はすぐにそのビルを制圧した……その後、三人の女の子とチームに入れてもらったことに感謝していたもう一人のメンバーが、そのビルを制圧しに突入してきた……
「うおおおお!!やったぞ!!」
彼女の叫び声は、キッチンで食事をしていたアメリアの耳にも届くほど大きかった……
[本気で狂い始めてる……]
[心優しい看護師系VTuberって言ってなかったっけ?……]
[全然“心優しい”感じじゃないな……]
[むしろ最強のナースって感じだな……]
そして彼女はそのまま撃ちまくり続け……最終的には五十人以上の敵を倒すまでになった……
「もっと来い……もっと!」
そして間もなく……
画面に、以下のようなメッセージが表示された。「申し訳ございません……あなたのアカウントは、不適切な発言があったとの通報を受けたため、永久停止となりました……」
[あらら……]
[おい!wwwwwww]
[まさかのBANかよ……]
[ストーカーされてたのに通報されて逆にBANされるとか……こいつマジでヤバいなwwwwww]
突然のBANによって……チームメンバーからも自動的に切断されてしまった……
「えっと……それで……これからどうしよう?」
アビゲイルはうつむき、拳を強く握りしめていた……そしてその瞬間、彼女は机を強く叩き、あの絡んできた男に向かって叫んだ――
「このーーーーーッ、タコ助が!!!!」
二分後……
「それで……これからどうする?」
シャクちゃんが尋ねた……
「シューティングゲームはもういいや……気分じゃなくなっちゃった……でも配信まだ一時間経ってないよね……」
「じゃあ何のゲームやりましょうか?」
シャクちゃんがそう尋ねると、三人は一斉に黙り込んだ……そして揃って頷いた……
「絶対やめてよね」
「ファスモフォビア、もう一回か二回やってみようよ!!」
「うわあああ!!!!やめてってば、このバカたち!!!」
その後……アビゲイル・エブリンのあの名場面を切り抜いたクリップが、あるファンによってSNSに投稿された……その結果、アビゲイルちゃんのフォロワーは瞬く間に急増し、一夜にしてTwitterのトレンド入りを果たした
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