51: ハウ・オールド・アー・ユー
052
「さて……今はワゴン車の中にいるけど……ラーラちゃんもう入った?」
「まだロードしてる……」
「まだですよ……」
[わあ]
[このゲーム久しぶりだな……]
[配信終わったら家でやろうかな……]
「あーはあ……もう入った?」
「まだ……」
「まだです……」
二人がなかなか入ってこないのを見て、ホリカワちゃんはチャット欄と少し話した……
しかし何分経っても二人は入ってこなかった……
「あなたたちのネット、ほんとにひどい……」
「私と同じネット使ってるんだけど……」
「アキくんがもうネット代払ってるはずなんですけど……」
俺の悪口言うの楽しすぎだろ……このバカども……
「よし……ようやくロードが終わった……」
「こわすぎ………」
[グラフィック上がったじゃん……]
[わあ……]
[映像きれいだね……値段の割に……]
「さてさて……まず最初に、私たちの仕事はこの幽霊がどんな種類なのかを突き止めること。ボードに任務が書いてあるから……見えてる?」
「あーあー、見えました……」
ラーラちゃん、ほんとにホラーゲームが得意なんだな……
[おお……さすが幽霊ゲームの達人]
[すごいじゃん……]
[ラーラちゃんやるう……]
「オーケー……で、何を持っていけばいいの? ラーラちゃん」
「えっと……カメラ、懐中電灯、温度計……霊視機……あ、カメラ用の三脚も持ってったほうがいいですよ……」
「了解了解……シャクちゃん、カメラも持ってってね。カメラマン係ね……」
「はい……カメラを持って何をするんですか?」
「幽霊を撮るんだよ……」
シャクちゃんがしばらく黙ってから、震える声で答えた
「わかり……ました……」
今にも泣きそうな声だな……
[シャクちゃんかわいそう……]
[ははっ でもこの役割めちゃくちゃ重要じゃん……]
[幽霊をきれいに撮ってね……]
[がんばって……]
[幽霊の写真待ってるよ……]
「チャット欄!! あなたたち最低ーーー!!!」
三人が装備を整えてから家の中に入った……
「あー、そうそう。ボードに書いてあったんだけど、幽霊は特定の人にしか反応しないって……」
「あ、そうなの、ラーラちゃん?……私このゲームしばらくやってなかったし……」
「試しに幽霊の名前を呼んでみようよ。シャクちゃんが名前呼んでみてよ……」
シャクちゃんが家の前に立ってカメラの準備をしていたら……
「えっと……メアリー・ジェーン……きゃーーーーっ!!!!」
「ちょちょちょ、何何!?」
「ひえっ……名前を呼んだらドアが開いてきた……うえーーん……」
[この幽霊、すごく怖い……]
[こわすぎ!!]
[シャクちゃんかわいそう……]
[この家の幽霊、マジでやばい]
「ははっ……怖いね、ラーラちゃん……」
「そうですよね……」
「ちょっと待ってくださいよ!!」
三人が家の中に入った……でもホリカワちゃんがまだ悪ふざけを止めず、玄関のドアをわざと閉めた……
「なんでドア閉めるんですか!! なんでドア閉めるんですか!!!????」
「ahahaha」
「ははっ」
「何が笑えるのよ!!」
完全にいじり倒されてる……本当にかわいそうだ……
[wwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww]
[wwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww]
[wwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww]
[まだゲーム始まってもいないのに……かわいそうすぎる……]
「オーケーオーケー、中に入ろうよ……電気つけてつけて……」
『メアリー・ジェーン……メアリー・ジェーン、ホエア アー ユー……』
ラーラちゃんが幽霊の名前を呼び始めた……続いてホリカワちゃんが……
『メアリー・ジェーン……ファック オフ……』
「ahahahahaha!!!」
「hahahahahaha」
二人は大爆笑していたが、笑えない人が一人いた……
「もうやだ……こんなことしたら幽霊に殺されるじゃないですか……」
ホリカワちゃんとラーラちゃんが家の外に出て、また玄関のドアを閉めた……
「シャクちゃん!! ドアが閉まってる!ドアが閉まってる!!……」
「きゃーーーっ!!!!! 開けてください!!!!!!!!!!!!!!!」
「hahahahaha」
---
「さてと……寝室を見に行こうか……」
『メアリー・ジェーン……ahahaha』
「もう呼ばないでくださいよ……」
三人が寝室に入って温度を確認した。温度が低ければ幽霊がそこにいるということだ
「ひゅう……五度……ここにいるじゃん……」
「ひえっ……もうやりたくない……」
『メアリー・ジェーン……ショウ ミー ユアセルフ……』
ホリカワちゃんが名前を呼んだ瞬間、影が現れた
「来た来た来た!! シャクちゃん早く撮ってーーー!!」
「どこですかどこですか!? どこにいるの?」
「目の前にいるじゃん……撮ってよ……」
でも撮る間もなく幽霊は消えてしまった……
「カメラマンとして最低……」
「ひえっ……本当に見えなかったんですよ……」
「幽霊がドア閉めたーーーーっ!!!!」
「ひゃあ!!!……」
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二回目の突入……
「おっ……EMF5……手帳にメモしといて」
「オーケーよ……ちょっと私カメラ設置してくるね……」
ラーラちゃんが部屋の中に入ってカメラを設置しに行った。他の二人も後について行ったが、シャクちゃんが何か音を聞いて立ち止まった
「どうしたの?……」
「……さっき何か音がしたんですよ……」
「来るよ……メアリー・ジェーン、ホエア アー ユー……」
ラーラちゃんが電気を消した……シャクちゃんがカメラマンとして幽霊を撮る準備をした……
「メアリー・ジェーン……ホエア アー ユー」
その瞬間、ピッという音が鳴った……部屋の真ん中にノートが置いてあって……そのノートに絵が現れた……
「絵を描いてる……シャクちゃん撮って……」
「はい……」
「ゴーストライティングだね……」
「これはオーニっぽい可能性が高いね……」
電気が点滅し始めた……
ホリカワちゃんとシャクちゃんが車に戻ってボードを確認した。今の残りの任務は幽霊を撮ることだけだった
「残りは幽霊を撮るだけですよ……」
「あーはあ……メアリー・ジェーン、プリーズ キル ミー……」
「ちょっと待ってくださいよ!!!!」
「もうちょっとカメラ増やしてくるわ……」
「えっと……そういえば……この種類の幽霊って、自分の持ち物を触られるのが嫌なんですよね……」
「じゃあ物を投げまくろう……」
「やめてください!!」
ホリカワちゃんとラーラちゃんは部屋の物をでたらめに投げ散らかした……
「トイレの水が濁ってます……」
「撮って撮って……」
物を投げまくっていたホリカワちゃんが、ウィジャボードを見つけた。彼女はそれで何か面白いことを思いついた……
「メアリー・ジェーン……ハウ オールド アー ユー……」
ボードが75という数字のところに動いた
「75歳かよ……超おばあちゃん、ahahahaha」
ホリカワちゃんがからかいながら……
「ハウ オールド アー ユー……」
ボードが7のところに動いて、続いて5のところへゆっくり移動した……でもホリカワちゃんが先に被せた
「ハウ オールド アー ユー……」
幽霊はまた言われた通りにした……
「ハウ オールド アー ユー……」
「かわいそうな幽霊……ahahaha」
「ハウ オールド アー ユー……」
「ahahahaha!!!」
「ハウ オールド アー ユー!!!」
突然何かの音がした……
「見えた?」
「見えないですよ……一瞬だけ来てすぐ消えちゃいました……」
そして部屋の中で……電気が一気に消えた
長くゲームをやっているラーラちゃんはすぐに部屋から走り出た……ホリカワちゃんも後を追った……
「早く早くーーーっ」
また不気味な音が響いた……二人は寝室の隣のクローゼットに隠れ込んだ……
シャクちゃんを部屋に置き去りにしたまま……
「きゃーーーーっ!!!!!!!!!」
そして彼女は幽霊に殺された……
「あっ……ごめんねシャクちゃん、このクローゼット二人分しか入れなかったんだよね……」
「このろくでなしどもーーーっ!!!!!!!」
まさか配信中にこんなに怒鳴り散らすとは……すごい迫力だな
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[wwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww 爆笑]
[いじられて、さらにいじられて、そのうえ幽霊にまでやられるとか……かわいそうすぎる……]
[シャクちゃんもう泣いてるじゃん……]
[かわいそうwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwwww]
[この百合カップルにいいようにやられてる……ahahaha]
「さてと……一回戦終わり……次のターンいこう……」
「もう嫌だ……うえーーん!! 次のターンなんてやだーーー!!!!」
その日の配信の後、ファンがシャクちゃんのハイライトをYouTubeに切り抜いてアップしたことで、彼女は一日でフォロワーが一気に百人増えた……
そして彼女はお化けが怖すぎて、二日間の配信休止を申請した……
ハウ・オールド・アー・ユー




