45:一生で最高の贈り物……
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「はあっ!!!!」
「あぐっ!!」
「はい……勝者は……今回もユリカさんです!!」
榎本家の道場に拍手の音が響いた……
声を出せない少女……榎本ユリカは今日の対戦相手にお辞儀をしてから、いつものように散歩に行くため道場を出た……
彼女は服を着替えると、道場にいる人たちに軽く挨拶をしてから外に出た
「こんにちは……」
明るい少女……瑠璃川瑠璃子は、道場前のベンチで待っていた友人に挨拶した
「あっ……こんにちは……」
普段から二人はよく一緒に遊びに出かけていたので、それほど驚くことでもなかった
でも今日は少しいつもと違っていた……今日瑠璃は布製の袋を何か持っていたから……
「……………?」
ユリカは不思議そうに首をかしげた……でも聞かなかった、瑠璃が最近買ったお菓子か何かの私物かもしれないと思ったから……
「今日……は……どこに……連れて行って……くれるん……ですか?……」
ユリカはワクワクしながら聞いた……
「千代田……に……行きます……」
「え……」
ユリカは思わず声を漏らした……普段二人はカフェかカラオケに行くことが多かったが……今回はわざわざ千代田まで行くとは……
「なんで……ですか?……」
ユリカは尋ねた……でも瑠璃は微笑みを返すと、すぐにユリカの手を取って駅の方へ引っ張っていった
「あの……あー……」
ユリカが少し口を開いた……話せない彼女がこうするということは、本当に知りたがっているということだった。でも瑠璃は彼女の耳元でこう囁いた
「秘密です……」
それを聞くとますます知りたくなった……中学生が校外学習に行く前のようにドキドキしていた
瑠璃は得意げに微笑んでいた……ユリカの目には……それが今まで見た中で一番美しい笑顔のように映った
何なんだろう……考えても分からなかった……
秋葉原駅に着くと、二人はそのまま歩いていった……瑠璃はまだ楽しそうな様子でユリカの手を引いたまま
「着きました!!!」
彼女の目の前にあったのは……神田明神だった……
「……あ?」
神社ってことかな?
「うん、そうです……ネットで見つけたんです、この神社は願い事や人生の大きな目標が叶うことで有名だって……」
彼女はとても興奮していて……手話を使わずに口で話してしまっていた
「うん……」
それを聞いたユリカは少し気持ちが楽になった……先週、VTuberになる夢を叶えられないことを話したから……瑠璃は彼女の気持ちを晴らすために連れてきてくれたのかもしれない
「早く早く……」
二人は神社の中に入り……お参りを始めた……
実際のところ、ユリカは夢について祈る必要はなかった……どうせそれは気持ちを楽にしてくれるだけのものだから……
でも結局彼女も祈った……VTuberになる夢が叶いますようにと……
「ふう……どうでしたか?」
「気持ち……すごく……楽に……なりました……連れてきて……くれて……ありがとう……ございます……」
「もちろん……です……私、いつも……あなたを……助けたい……ですから……」
瑠璃はしばらくユリカの顔を見つめてから尋ねた
「それで……何を……お願い……したんですか?……」
「え!?……」
「言い……ません……言うと……願いが……叶わなく……なっちゃう……ので……」
「え……もう……」
瑠璃はすぐに拗ねた顔をした……それを見たユリカはくすくす笑った……
「本当に……ありがとう……ございます……連れてきて……くれて……」
「待って……ください……榎本さん……もう……言いましたよ……」
「私……もう一度……お礼を……言いたく……て……あなたは……いつも……私の話を……聞いて……くれて……そして……励まして……くれて……本当に……嬉しかった……です……」
彼女の表情は少し嬉しそうだった……それを見た瑠璃も思わず嬉しくなってしまった……
「榎本……さん……知りたい……ですか……私が……何を……お願いしたか……」
「え……あ……」
彼女は首を振った……知りたくないわけではなかった……でも願いが叶わなくなるのが怖かったから……でも瑠璃はそんなこと気にしなかった……
「私は……あなたが……VTuberに……なれますように……って……お願い……しました……」
「!?……」
それは……私の……願い事……
「どうして……そんな……お願いを……したんですか?……」
「どうしてかって?……あなたにも……他のみんなと同じように……夢を持っていてほしいから……ですよ……」
それが……この人の本心だった……瑠璃川瑠璃子の……本当の気持ち……
「私は……大切な人が……苦しんでるのを……見過ごせない……性格なんです……だから……できる限り……助けたいって……思うんです……」
彼女はユリカを「友達」ではなく……「大切な人」と呼んだ
「……………」
「だから……」
彼女は持ってきた布袋から何かを取り出した……それは黒に白いレースの模様が入ったチョーカーだった……
そしてそれをユリカに着けると……スイッチを入れた
「……これは……何……」
瑠璃はユリカに顔を近づけると、とても可愛らしい様子でこう言った
「ユウタくんに『声を出すための機械』を作ってもらったんです、榎本さんのために……」
「え……あ……あ……」
彼女は今聞いたことが信じられなかった……まるでさっきのが夢だったかのように……
「話してみてください……ほら……私の名前を呼んでみてもいいですよ……」
こう言われると、これが本当のことだとすぐに分かった……でも……この機械は本当に自分を話せるようにしてくれるというのか?
生まれた時から喉頭が損傷していて、治療法もなかった……なのになぜ……
でも……少なくとも試してみるべきだ……
ずっとそうしたかった……ずっと自分の声で話したかった……
ユリカは首に巻かれた小さな機械に期待を寄せた……
もしこれが本当に使えるなら……自分の夢も……
きっと叶うはずだ……
「うん……」
ユリカは頷いた……
「る……る……るり……る……る……」
「その調子です……できてますよ……」
「る……………る……………る……………る……………る」
「頑張ってください……」
彼女は心から友達と呼べる人の名前を言おうとした……でも23年間一度も声を出したことがなかったから、すぐには言えなかった
でもそれでも……
ユウタくん……瑠璃川さん……頑張ってくれた……私も頑張らなきゃ……
「る……る……るり……る……る……り……」
瑠璃はユリカの手をしっかり握った……その表情は今までで一番真剣だった……
「絶対にできます……ユカちゃん……」
ユリカは目を見開いた……初めてだった、あだ名をつけてもらったのは……初めてだった、こんなに親しげに名前を呼んでもらえたのは……
「私……私、絶対にできる!!!瑠璃ちゃん!!!」
「……………ついに……ついにできました!!!!!」
ユリカは起きたことに呆然とするしかなかった……本当に話せた……あの機械は本当に効果があった
「私……私……はは……私、話せた……話せた!!!!」
二人は抱き合った……喜びの涙が、もう声を出せない少女ではなくなった彼女の頬を伝った……
「……うっ……ついに……私……他のみんなと同じように……話せる……ようになった……」
「すごい……本当にすごいよ!!ユカちゃん……」
「うん!!ありがとう、瑠璃ちゃん!!」
二人はそのまま……しばらく抱き合ったままでいた……
そして……この少女の夢は……出会ってまだ日が浅い彼女と、あの可愛らしい後輩の助けによって叶えられた……
ユリカは頬を伝う涙の中で微笑んだ……
今までで一番大きな笑顔を見せた……
神田明神のご利益は、どうやら二人の少女にしっかりと叶えられたようだった……
秋の冷たい空気の中で……二人の抱擁から生まれる温もりは、ますます温かくなっていった……ますます……
友情から特別な関係へと発展していくような関係性が、私は本当に大好きです……。二人が互いに本物の想いを抱いていることは間違いありません。皆さんもぜひ、二人を応援してあげてください!あ、それからもう一つ訂正があります。第32話で「フォロワー数4,000人」と記載しましたが、正しくは654人です。こちらの誤りについて、心よりお詫び申し上げます。




