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ある日突然、無職の俺が、自分より丸々8歳も年下の女の子がVTuberになるのを手伝うことになった。  作者: Sakusaku
ARC 3:VTuberになりたい声なき少女 — ホリカワ ・ ホリキタ

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39/66

39:午後5時 スターズ

 040


「よーみんな……」


[こんにちはです、師匠!!!]


[来たーーーーっ!!!!]


[やほーーーー!!!!]


[ついにきたーーーーっ]


[有名人登場ーーーっ]


[今やすごく有名になったよねえ……]


[ははっ]


[wwwwwwwwww]


「まあ……ずっと話してる通りさ、俺って人脈が広くて、作家業界から芸能界までいろいろ知り合いがいるじゃないですか……」


「でね……俺が関わってる広告代理店の仕事があって……そこから出演の話が来たんだよ。ある広告のメインで……」


[ああ……あのスマホゲームのCMのやつ?]


[ツイッターで見たことある……]


[そうそう、YouTubeの広告でも見たよ]


[見たことある]


[なるほどねえ……]


「俺はね、脚本を手伝ったり、プロット考えたり、撮影どうするか、演技どうするかとか……その日は普通に打ち合わせしてたんだよ。そしたら……クライアント側の人がいきなり俺を指差して、この役はあなたにぴったりだ、あなたみたいな人がいい、顔もいい……って言い出して」


「俺は……えっと、スタッフ側なんですけど……裏方です……って答えたんだよ」


『あなたって……この役にすごく合ってるんですよね……』


『えっと……私を使うんですか?』


『使います……エキストラとして』


[これだよ!! スター力……]


[よっぽど気に入られたんだね]


[アベンタドールさん、100円ドネート wwwwwwwwwwww]


『いや……私は裏方なので……ちょっと難しいかなと……』


『あなたが出るべきですよ……顔がすごく合ってる』


「それでカメラテストをすることになったんだけど……面白いのがさ、自分が所属してる会社でカメラテストをすることになって……俺が所属してる代理店のトップって、長年の知り合いの先輩でさ……広告とかスポンサー関係もその人がずっと助けてくれてて……」


「YouTubeやる前から、その会社の裏方の仕事を手伝い続けてたんだよね……そんな俺がカメラの前に出ることになるなんて……」


[おお……社長に感謝しないとですね……]


[仲いいんでしょうね……]


[俺もこの業界で働きたいなあ……そういう人に出会ってみたい……]


[まあ……師匠、顔は悪くないですからね……]


[笑えるwww]


「プロットはね……仕事で疲れ果てた男のところに、クライアントが直接打ち合わせに来るっていう感じで……」


『疲れた顔をしてみてください……』


「俺がちょっと疲れた表情をすると……」


『もっと疲れて……』


「……」


『残業なしで定時上がりした感じで……』


「定時上がりの顔ってどうすればいいですか……って聞いたら、椅子に背もたれて、目を細めて、ちょっとあくびして、首をちょっと回して……って教えてくれて」


『これ……自分でもあくびしてましたよね……』


『定時で上がった人の顔……あなた、定時で上がったことありますか?』


『六時まで働いてますね……』


『じゃあ……一時間だけ早く退勤したことにして……』


[wwwwwwwwwwwwwwww]


[そりゃそうだ、定時上がりの顔なんてどうすればいいんだよ……wwwwwwwwwwwwwwwwwwww]


[社内爆笑しそう……]


『じゃあどうすればいいんですか!?』


『じゃあ見せますね……これがノートパソコンとして……タイピングして、Enterを退屈そうに押して、パソコンを閉じる……ああ、そんな感じで……』


「で俺がそのとおりにやって……ついでに伸びもしてみたら……」


『アキさん……オフィスワーカーは伸びしませんよ……』


『え……定時上がりって伸びしないんですか? ブラック企業で働いてたことありますんで……』


『見栄えが悪くて……』


『え……』


『オフィスの人たちってこれくらいなんですよ……』


「そしたらあくびしながら手で口を覆って、首をちょっと傾けて……」


[何それ wwwww]


[ちょっと待って、俺も伸びするんだけど……]


[30秒のCMなのに、そこまで細かくするの……]


「でね……俺が一番好きな場面があって。代理店の社長、俺の先輩なんだけど……あなたが自分で出演すべきですよって言い出して……」


「編集の人も、スタジオの人も、撮影スタッフも全員賛成してくれてさ……俺も調子に乗って……」


『そうですよ……あなたが出た方が絶対いいと思いますよ……』


「そしたら先輩が」


『バカな……私がそんなにうまく演じられるわけないでしょ……』


[バカな……wwwwwwwwwwww]


[出たーーーーっ!……隠れた力を持ちながら素性を隠す主人公のアニメ的なセリフ……]


[かっこいいアニメの主人公セリフランキングTOP10 wwwwwwwwwwwwwww]


『ほらね!! あなたが出るべきだって!』


『そうですよ……定時上がりの人の演技、すごく上手かったじゃないですか……』


「そこが終わったら仕事の打ち合わせが続いて……でクライアントが俺に演技の学校へ行けって言い出して……」


[え?……たった数十秒のCMのために演技の勉強まで?]


[マジか……]


[CMの撮影だけでそこまでするの……]


「俺は先輩に……演技の学校は行かないです、その予算で焼き肉食いに行きましょうって言ったんだけど……でもクライアントは、このシーンであなたが主役なんだって言って……」


『CMは何秒ですか……』


『30秒……』


『セリフは何行ですか……』


『2行』


『私が主役なんですか?』


『主役ですよ……いや、マジで主役なんですよ……』


『それで?』

有名スターを起用した広告制作では、極めて緻密な調整が求められ、現場は信じられないほど慌ただしくなります。カメラに映るエキストラに問題がないか事前に確認する必要があるため、誰かがブリーフィング(事前説明)を担当しなければなりません。さらに重要な点として、たとえ30秒のCMであっても、通常は約1時間にわたる演技指導が行われます。

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