108 :青山美冬 第2話
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お兄ちゃんは....誰とでもすぐ仲良くなれる人だった
私とは違って
「青山美冬、それがあなたの名前?」
綺麗なお姉さんが黒いスーツを着て、次の日の私にそう聞いてきた その日は休日で、ちょうど市役所の人が訪ねてくる日だった
そしてその日私は、お兄ちゃんが以前に家族を亡くしたことがあると知った でもそれはもう八年も前のことだった
「苗字は覚えてないです....でも美冬という名前は本当です」
「ふむ.....身元を示す書類が何もないのね マイナンバーカードもないし、住民票の写しもないなんて あなた外国籍の子なの?」
「違います...うっ...ひっく...」
私は泣き出してしまった、それを見た綺麗なお姉さんは急いで私に謝った
「えっと...特別な入学書類を提出する必要があるけど、それはこのお姉さんが用意してあげられるわ」
「ありがとうございます」
「あなたはとても運がいいわよ、今年は国が恵まれない子供たちのための法律をたくさん作ったからね さあ、この仕事は私たち頭が痛くなるわよ アキトくん」
綺麗なお姉さんはお兄ちゃんの方を見て、もう一度聞き返した
「あなたは、たった一人の妹のために長ったらしい書類の山を作る....できるわよね?」
お兄ちゃんは私が今まで見たことのない真剣な顔をした
「彼女のためなら僕は何でもできます」
お兄ちゃん......
「ありがとう、お兄ちゃん! 大好き!」
何回目だろう、このお兄ちゃんを誇らしく思ったのは
何回目だろう、このお兄ちゃんを好きになったのは
何回目だろう、このお兄ちゃんを抱きしめたのは
「当然だよ....」
「仲のいい兄妹ね」
「青山美冬、この名前で間違いないですか」
次の日、入学の申請をしに来た
「はい!」
「分かりました...ですが妹さんはすぐに小学二年生に編入して、他の子たちに追いつくよう先生がつきっきりで指導することになりますが、よろしいですか?」
「はい....」
手続きは無事に終わった....帰る前に、私が今まで経験したことのない新しい学校を見て回った
「これが教室なんだ! 漫画で見たのとそっくり!!」
私は興奮して学校中を走り回った.....お兄ちゃんはそんな私の様子を見て少し笑った
「普通の日に来れば、友達がたくさんできるはずだよ」
お姉さんが言った
「本当ですか!? 待ちきれないです」
「帰りにカバンと学用品を買って帰らない?」
「はい! でももう少し学校を見ていたいです」
お姉さんは苦笑いするしかなかったけど私を止めなかった....きっと私の無邪気さに心を奪われていたんだろう
帰りは私はお兄ちゃんのスクーターに乗ってショッピングモールへ買い物に行った...お姉さんと他の三人の大人は残りの書類手続きをすると言った
私たちは大きなビルに向かった、そこは商品がずらりと並んだ巨大なショッピングモールだった
「わあ....ランドセルがたくさんある......文房具もこんなにたくさん」
商品がずらりと並んでいるのを見てわくわくせずにはいられなかった
「何色のカバンが欲しい?」
「水色がいいです!!」
水色は男の子の色じゃないの?.....お兄ちゃんは眉をひそめて小声で言った
「えっと.....男の子の色だよ? それでいいの?」
「うん...水色がいいです」
「どうして?」
私はお兄ちゃんに勢いよく抱きついた...そしてこの色を選んだ理由を言った
「お兄ちゃんが好きな色だから水色が好きなんです」
「それなら....水色でいいよ」
それから私は文房具を探して走り回った 可愛い柄の文房具と、表紙が可愛いノートを選んだ
「えっと...美冬、もうこれくらいにしておかない?」
「え?...お兄ちゃん...もう一つか二つだけダメですか?」
「たくさん買わないで....お兄ちゃんもうお金ないから」
「じゃあもう一つだけ」
お兄ちゃんには申し訳ないと思っていたけど...ここにある物はあまりにも魅力的だった
「全部で33,890円です」
「................クレジットカードでお願いします」
わあ、ゴールドカードだ...アニメで見たことあるけど...生きてるうちに見られるなんて思わなかった
「わあ......お兄ちゃんって大富豪なんですか?」
「大富豪の友達がいるだけだよ」
「わあ.....かっこいい」
文房具とカバンを買いに来たと言っても...他の物も買わなきゃいけなかった
「お兄ちゃん! この服可愛い! 欲しいです」
私はお兄ちゃんがいない時によくお兄ちゃんの漫画を読んでいたから、ファッション系の漫画を読む機会があった
「先に試着してみよう」
私は服を試着しに行った...お嬢様スタイルのきちんとした服だった...
「どうですか?」
「うん....これも必要だね」
お兄ちゃんはベレー帽を渡してくれた.....被って鏡を見てみた
「可愛い....これにします! あれも、これも...あとこんな靴もたくさん!」
お店の店員のお姉さんはそれを見て妙に目を輝かせて、急いで服を持って私を試着に連れて行った
「夏服....可愛い! これにします」
「これはコスプレ用の学生服です 大好き、これにします!」
「あっ....これはお兄ちゃんの好きなやつ...紺色のワンピース、これもください!」
「ちょっと...人の趣味を勝手にバラすなよ」
「全部で25,300円です」
「クレジットカードでお願いします、それと...えっと、自宅配送サービスはありますか....」
「はい、ございますよ 住所をお伺いします」
「何か食べに行こう!」
「一日で五万円が消えた....」
「どうしたんですか、お兄ちゃん?」
「いや...何でもない ただの独り言だよ」
私はフードコートでアイスを食べながら、ものすごくワクワクしていた
「ショッピングモールに来たことなかったの?」
「うん....いつも借りてる部屋にいたから....どこにも出たことなかったです」
お兄ちゃんは私の方を見て微笑んだ.....私は首を傾げてどうしたのと聞いた
「いや....君がはしゃいでるのを見られて、お兄ちゃんは嬉しいんだ」
「えへへ...ありがとう、アキお兄ちゃん 私お兄ちゃんが一番大好きです!」
私もお兄ちゃんに負けじと満面の笑みを返した
「僕も好きだよ」
「ねえねえお兄ちゃん....」
「ん?」
「学校って楽しいですか?」
「言った通り....うざいことをしなければ楽しいよ」
「先生がいろんなことを教えてくれるんですよね?」
「うん...学校に行きたくなくなるくらいまで教えてくれるよ」
「やだ! 辞めたくないです 私は学校に行きたいんです」
「もう寝よう...明日は学校に行くんだから」
「うん.....おやすみなさい、アキお兄ちゃん」
「おやすみ、フユちゃん」
ワクワクするな.....
学校...明日なんだ




