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おっさんとフレブル  作者: 水前寺鯉太郎
第1部 いい日旅立ち・西へ

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糸島〜唐津


2027年4月10日〜11日


 糸島をあとにして、唐津からつへとジムニーを走らせた。

 夕方前に市内へ滑り込んだが、そのまま北上を続け、波戸岬はどみさきまで一気に車を飛ばした。

 岬に着いたとき、夕陽はちょうど水平線に差しかかるところだった。言葉が出なかった。俺とボスの横顔を、沈んでいく光が等しく黄金色に染めていった。

 車の中で夜を過ごし、明けて4月11日。

 まだ暗いうちに起き出して、呼子よぶこの朝市へ向かった。威勢のいい声が飛び交う中、獲れたての白身魚の刺身を調達した。

 朝日の差し込む車内で、それが俺とボスの少し贅沢な朝食になった。ボスは一切れを秒速で胃袋に収め、次の一切れを要求してきた。

 腹ごしらえを済ませ、海にそびえる唐津城を見上げ、虹の松原の松のトンネルをジムニーで駆け抜けた。

 一人と一匹で、なかなか忙しい一日だった。それだけのことなのに、この旅で一番充実した時間だった気がした。

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