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おっさんとフレブル  作者: 水前寺鯉太郎
第1部 いい日旅立ち・西へ

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下関〜門司

2027年4月9日 朝


 下関のコインパーキングを出たジムニーは、関門トンネルをくぐり抜け、門司港もじこうへと入った。

 九州は初めてだった。仕事に追われていたここ数年、こんな遠くまで来たことはなかった。

 ボスのリードを持って港の周辺を歩いていると、制服姿の女子高生たちに声をかけられた。

「あの、写真撮らせてもらっていいですか。犬、可愛くて」

「どうぞ」

 ボスは慣れた様子でカメラを向けられ、女子高生たちは黄色い声を上げた。こいつ、人気者だな。

 スマホで調べると、門司港は焼きカレーが名物らしい。ペット同伴可の店を見つけ、テラス席に腰を落ち着けた。

 運ばれてきた焼きカレーは、表面がこんがりと焦げて、チーズと香辛料の香りが食欲をそそった。一口食べると、想像以上に旨かった。

 ボスが例によって「俺にもくれ」という目を向けてくる。

「これはやれない」

 代わりに高級ジャーキーをボスの前に置いた。ボスはしばらく焼きカレーの方を恨めしそうに見ていたが、やがて観念したようにジャーキーに食いついた。

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