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おっさんとフレブル  作者: 水前寺鯉太郎
第1部 いい日旅立ち・西へ

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防府〜下関

2027年4月8日 夕方  


 防府をあとにした俺とボスは、一気に下関へと入った。

 傾きかけた西日に照らされる唐戸市場からといちばにジムニーを停める。さすがに市場の中へ犬を連れていくわけにはいかない。ボスには少しの間、車の中で留守番をしてもらうことにした。

 活気あふれる市場を回り、並んだ寿司をいくつか口に運ぶ。その鮮烈な美味さに、ここ数日忘れていた高揚感が胸に広がった。

 ふと、車内で待つ相棒の顔が浮かんだ。新鮮な白身魚の刺身を数切れ包んでもらい、ジムニーへ戻った。

 パックを開けてボスの前に差し出す。

「ほら、下関名物だ」

 ボスは目を輝かせ、ものすごい勢いで刺身を平らげた。その食べっぷりを眺めているだけで、不思議と心が満たされていく。

 窓の外に目をやると、燃えるような夕焼けが、海峡の向こうの門司もじの街並みを赤く染めていた。

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