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ルカ・ブラントのギフト  作者: ゴンザレス
第一章

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8/11

教会でご報告


 


 教会内に連行された。ミゼラ様とテレンス様に両腕を掴まれた状態はまるで捕らえられた宇宙人のようだった。


 捥いだ後そのままにしていた信徒の男性達は、他の人によって小さめの聖堂に担ぎ込まれていた。フキダシに付いていた顔を見てショックを受けているらしい。言い寄られて嫌な思いをした原因の相手が尻にくっついてたらそりゃあ気持ち悪いだろうな。キモいじゃなくて気持ち悪い。冗談じゃない程気持ち悪いって事です。


 あまりにも可哀想なので痔の治療をさせてほしい。例に漏れず教会内でも痔の患者が多かったのでせめて痛みが取れれば心も軽くなるかも知れない。

 ちなみに杖(鞭)はまだ消えてない。昨日は痔持ちの人の治療が終わったら消えてルカの自室に戻ったので、今回の禍々松ぼっくり捥ぎが終わったら消えるかと思ってた。が、多分さっき河童に杖(鞭)の切り替え方を聞いたからこの後治療するまでは消えないでいてくれるだろう。


「ミゼラ様、テレンス様、離してください」

「……鞭を預かってもいいかな?」

「似合いすぎるからやめた方が良いと思います。そしてコレは杖(鞭)です」

「余計な一言はしまっておきなさい」

「鞭では?」

「さっきの声がコレを何て言ってたか覚えてますか?」

「………………」

「私は皆の尻に平穏を与えたいだけなんです」

「そういうのは…ちょっと…」

「違うんです」


 何なんだ?尻という単語が全てをおかしな方向に向かわせてしまう。体の一部なのに。


 ……そういえばまだ授かったギフトを伝えていなかった。そうかだからか、失敗失敗。早く治してあげたいと焦ってしまった。誰だって鞭を持って尻を見られたら何をされるか想像してしまうもんな。


「皆さん聞いてください。私が昨日授かったギフトは【尻】なんです。だから杖(鞭)で尻をつつかせてください」

「ミゼラ様、ルカに鎮静の呪文を!」

「いえ、安静の魔法の方が」

「言葉を間違えました。私は正常です」


 ルカは自分が混乱しやすいタイプである事は分かっていた。今日は朝からゲテモノを見せられ、それを退治してと、感情が波打った状態だった。そもそもギフトの説明も行き当たりばったりで悩んでいたので余計変な言い方をしてしまったのだ。しかし何一つ嘘はついていない。


 これでも気を遣って出た言葉なのだ。今ここには教会内の全員がいるからこそ何も言わずに尻をつつかせてほしいと言ったつもりだったのだ。だがもうルカは保身に走ろうと思う。



「……ミゼラ様、テレンス様、スヴェンさん、ジェイクスさん、アスタートさん、フォーレンさん、コレットさん、ラシーヌさん、キャローネさん、ユリアンヌさん、痔ですよね」



 時が止まった。



「スヴェンさんとジェイクスさん、アスタートさんとキャローネさんは併発してますね。特にスヴェンさんはそろそろ重傷になりそうです」



 ルカの腕を離さない二人の尻を、体を仰け反らせて確認してみると



「あっテレンス様もだ」



 名前を呼ばれなかった信徒が時を止めたままの彼等に近寄って反応を確認してる。そろそろ動き出してほしい。ん?そっと両腕を離された。地に足をつけるのはやはり良いな。


「……………」

「……………」 

「ヒェエエエエェェ………」


 見上げた先には夜の星ではなく麗しきご尊顔が二つ。微笑まれると鼻血が出る程興奮するはずなのに今は寒気がする。何故。


「……ルカちゃん、私も、何だって?」

「あばばばばばば…」


 怖いがテレンス様の尻を確認した所……


「え…っと切れ痔が軽傷、いぼ痔が中傷で、併発してますね」

「「「「「……………」」」」」


─────そうだけどそうじゃない。ルカとテレンス以外の全員が思った。


「だいじょうぶです、母も併発してましたが治しました」


 杖(鞭)を握って《私が治しました》みたいな顔で頷いてみた。わかる、子供が治療なんて『何言ってんだオメェ』だもんね。

 そうだ、ギフトだって使えない事が前提なんだから信じられないのも無理ないか、失敗失敗。さっきから失敗しかしてないような気がするが今度こそでぇじょぶだ!


「さっきの不思議な生き物と光と声と自分の尻に生えてたモノを思えば私が今からする事なんてそんなに不思議じゃないって思いませんか?」

「そうだけどそうじゃない」

「思い出させるとかお前悪魔か?」


 ミゼラ様とカドリエールくんが何か言ってるが気にしない。痔である事をバラしてしまったが皆で治れば怖くないで行けば良いと思う。


「つつくだけで治るんだから魔法みたいなモノですよ」

「お前魔法使った事ないだ「行きます!」オイィィイ!!」


『痔・attack!!』


 もう五回目なので安心してほしい。フェンシングのように優雅につついてみた。


「は……………?」


 すごい不思議そうな顔をして尻をさするテレンス様。どうやら薬は飲んでいないようだ。さて、尻子玉ポイント回収。次行こ、次。



ツンツンツンツンツンツンツンツンツンツン……………





◇◇◇



ツンツン、ポロッ


 最後の一人をつつき終えてポケットはパンパンだし、大きめのハンカチもギッチギチになった。大漁大漁。痔の人もそうでない人もコッチ見てる。ところで尻子玉は見えているのだろうか?


「……コレ見えてますか?」

「お前が拾ったら見えるようになった。…多分手を離すと見えなくなる」


 薄目で見てるカドリエールくんが答えてくれた。ギフト所有者しか見えないのか。杖(鞭)はどうなのかとか色々実験したくなるな。床に置いてみようかな。治療を終えてちょっと気が抜けた。


「ルカちゃん、治療してくれてありがとう。痛みが無くなってホッとしたよ」

「本当に嬉しい!ありがとうルカちゃん」

「コレでもう薬飲まなくていいんだ…やった…」

「ありがとう、ありがとう…もう座るのが怖くないよ…」


 治った人達がルカに感謝しながら頭を撫でてくる。良いんですよ、こちらこそ尻子玉ポイントありがとうございます。一気に増えたので何に使おうか色々選べて助かります。ミゼラ様とテレンス様が難しい顔で仁王立ちしてるけど藪をつつく事はしないでおこう。

 

 フォーレンさんが感動して泣いてるので余っ程痛かったんだなと尻をさすってあげようとした時



「本当に良かった、私たちの世代に転生者様がいらっしゃるなんて……」




(゜。゜)

 


「フォーレン、まだその話は……」

「あっ、そうでしたね……つい…」

「ヤバっおいルカ!昨日みたいになるのはやめろ!」

「カドリエール!アイアンクローはやめなさい!」

「フガフガフガ」



 カオスである。



 




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