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平民になった元公爵令嬢ですが、第二王子と幸せになる為に戦います  作者: Karamimi


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第8話:奥様に挨拶をしました

「マリアナちゃん、今日はお疲れ様。明日も朝早いけれど、よろしくね」


「こちらこそ、送って頂きありがとうございました。明日もよろしくお願いします」


 馬車で家の前まで送ってくれたメイド長に挨拶をして、家に入ろうとした時だった。


「マリアナちゃん、夜遅くまでお疲れ様。どうだい?仕事の方は。辛くないかい?もし嫌だったら、荒くれ男どもがやって来るのが気になるが、レストランで料理を運ぶ仕事もあるから、遠慮せずに言って欲しい」


 私に話し掛けてきたのは、ルーマさんだ。


「私の帰りを待っていて下さったのですか?ありがとうございます。メイドのお仕事はとても楽しいですわ。それに皆様とても親切で、私の事を気にかけて下さいます。ですので、私はこれからも、このお仕事を続けたいと思っておりますわ」


「それならいいのだけれど…マリアナちゃんは今まで随分と苦労をしたのだろう?どうか無理はしないでおくれよ。今日はゆっくりおやすみ」


「ありがとうございます。ルーマさんも夜遅くまで待っていて下さり、ありがとうございました。それではおやすみなさい」


 そう伝え、家へと入って来た。さすがに疲れたが、殿下や王妃様に押し付けられた仕事に比べれば、これくらい大したことはない。きちんと睡眠時間も食事の時間も与えてくれるものね。


 そんな事を考えながら、急いで湯あみを済ませ、ベッドに潜り込む。さすがに疲れていたのだろう。あっという間に眠りについたのだった。


 翌朝、準備を済ませお迎えに来てくれた馬車に乗り込んだ。


「おはようございます、皆さま」


「おはよう、マリアナちゃん。昨日は疲れたでしょう?体は大丈夫?」


「はい、体力には自信がありますので、大丈夫ですわ。今日もよろしくお願いいたします」


 既に乗り込んでいた先輩メイドに挨拶をする。そして屋敷に着くと同時に、まずは朝食を頂いた。来て早々お食事を頂けるなんて、何だか申し訳ないわね…


 そう思いつつも、皆で美味しく食事を頂いた。ここでも先輩メイドが私に世話を焼いてくれる。どうやらこの街の人たちは、とても面倒見がいい人ばかりの様だ。


 食後は早速お掃除を!そう思ったのだが…


「マリアナさん、今日は奥様を紹介するわ」


 メイド長に話しかけられたのだ。


「あの…私の様な人間が、奥様にわざわざお会いするのですか?」


 公爵家にもたくさんのメイドがいたが、わざわざ挨拶をするなんて聞いたことがない。と言っても、私はほとんどメイドたちと関わり合いがなかったから、知らないだけなのかもしれないが…


「お屋敷で働く使用人たちを、奥様は大切にして下さっているので。とてもお優しい奥様なので、緊張しなくても大丈夫よ。さあ、行きましょう」


 メイド長に連れられ、奥様の待つお部屋へと向かう。なんだか緊張してきたわ。私の様な小娘じゃあ心配だからと言って、クビにならないかしら?そんな不安が襲う。


「このお部屋よ。さあ、参りましょう」


 メイド長に案内され、ゆっくりと部屋に入る。するとそこには、銀色の髪をした美しい女性が待っていた。


「奥様、昨日から働きだしたマリアナでございます」


「マリアナです。どうぞよろしくお願いいたします」


 奥様に向かってカーテシー…ではなく、頭を下げた。あら?奥様から返事がない。ゆっくり頭を上げると、なぜか口を押えて固まっている。一体どうしたのかしら?


「奥様?どうされましたか?」


 メイド長が固まっている奥様に話しかけている。


「ごめんなさい!何でもないのよ。あなたがマリアナちゃんね。私がこの家の主よ。それにしても、こんなに若い子が来るだなんて珍しいわね。あなたはどこから来たの?家族は?」


「えっと…その…」


 何て答えたらいいのかしら?まさか奥様から質問が来るなんて考えていなかったわ。


「マリアナは実の父親や継母から虐待を受けていて、辛い思いをしていたと、彼女を紹介してくれたルーマが申し上げておりました。ですので、その様なご質問は…」


「まあ、そうだったのね。可哀そうに…随分とやせ細っているじゃない。嫌な事を思い出すような質問をしてごめんなさい。どうか無理せずに、ゆっくり働いてくれたらいいわ」


 そう言って優しく微笑んでくれた奥様。よかった、メイド長が言っていた通り、とてもいい人の様だわ。


「それでは私共は、これで失礼いたします」


 メイド長と一緒に、頭を下げその場を後にした。


「マリアナちゃん、随分緊張していた様だけれど、大丈夫だった?奥様も珍しくあんな質問をするから、私もびっくりしたわ。さあ、仕事に入りましょう。今日もよろしくね」


「こちらこそ、フォローいただきありがとうございました。奥様やメイド長の期待に応えられる様に、頑張ります」


 せっかく奥様も認めてくれたのだから、しっかり頑張らないと。

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