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平民になった元公爵令嬢ですが、第二王子と幸せになる為に戦います  作者: Karamimi


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第23話:頭が混乱しています

 “エドお兄ちゃん…”


 なぜかそんな言葉を呟いてしまった。口にした瞬間、一気に懐かしい気持ちになった。この気持ちは一体…


 ただ、奥様もエド様も固まっていた。いけないわ。


「申し訳ございません、私、なんて失礼な事を…」


「マリー…僕の事を思い出してくれたのだね…」


 エド様が呟くと、そのまま抱きしめられた。今マリーと呼んだ?


「あの…エド様…私は…」


「マリーちゃん、やっぱりあなたはマリーちゃんだったのね…」


 そのまま奥様にも抱きしめられる。一体何が起こっているのだろう。ただ…私は昔から彼らを知っている…そんな気がするのは事実だ。


「あの、申し訳ございません。私、頭が混乱していて。ただ…過去にあなた様達に会っている気がするのですが、思い出せそうで思い出せなくて…」


「いいのよ、マリーちゃん。さあ、一度屋敷に戻りましょう。大丈夫よ、私たちはあなたのお母様、マリオネット様の味方だから」


 お母様の名前も知っているだなんて。そう言えばお母様が亡くなる寸前、とても大切な事を言っていたような気がする。何だったかしら?


 王都にいた時はお母様を失ったショックと、180度変わった生活に必死に付いて行くため、ゆっくり考えている暇はなかった。とにかく、必死に生きて来たのだ。でも、心にゆとりを持ち始めた今、何か大切な事を私は忘れている様な気がする。


 思い出せないまま、馬車に乗り屋敷を目指す。


「マリアナ、君は公爵令嬢のマリー・シャラティアで間違いないね?」


 何て答えようか。既に私の正体がバレている様だし…このまま私は、王都に戻されるのかしら?


「マリーちゃん、大丈夫よ。私達はあなたの味方よ。何があってもシャラティア公爵と王妃たちの元には戻さないから。それが、あなたのお母様の最後のお願いだったのに…そのお願いを叶えてあげられなくて、本当にごめんなさい」


 お母様の最後の願い?


「マリー、君が9年もの間、酷い目に合っていたというのに、助けてやれなくて本当にごめん。その事だけを、ずっと後悔していたんだよ。もしよかったら、君の身に何が起きたのか、屋敷で話してくれるかい?」


「…分かりましたわ。お2人がおっしゃる通り、私はマリー・シャラティアでした。ただ、父に勘当されましたので、今はただのマリーです。詳しくは後でお話ししますわ。それから…私はどうやらお2人に昔あっている様なのですが、思い出せなくて。もしよろしければ、私や母との関係性も教えて頂けますでしょうか?」


 思い出せそうで思い出せないのだ。ただ…この人たちが私にとって悪い人たちではない事は分かった。


「最後にマリーちゃんに会ったのは、まだ3歳の時だったものね。覚えていなくても無理はないわ。分かったわ、屋敷に着いたら、ゆっくり話をしましょう」


 そんな話をしている間に、屋敷に戻ってきた。すぐに客間に通され、席に着く。


「まずは自己紹介からしないとね。私はアンリよ。この国の国王の側妃をしているわ。そして息子で第二王子のエドワード。よろしくね、マリーちゃん」


 えっ!側妃に第二王子ですって!そんな身分の高い人が、どうしてこの地に!そう言えば、側妃殿下と第二王子のエドワード殿下は、療養のため王都から離れた場所で暮らしていると聞いたことがある。まさか彼らの事だっただなんて…


「そんなに驚かなくてもいいでしょう?あなたもこの国の公爵令嬢だったのだから。それに私たちは、名ばかりの側妃と王子だから…」


 そう言うと、悲しそうに微笑んだ奥様。そして昔の事を話してくれた。実家を潰され敵ばかりの王宮で、親子2人、息を殺しながら必死に生きて来た事。そんな中、お母様が現れ、色々と目にかけていた事。


 エドワード殿下の命を狙われた事で、お母様たちの協力の元、この地に避難した事。避難後も交流を取り続けつつ、王都に戻る機会を伺っていた事。


 そんな中、お母様が亡くなった事。私の事を心配しながら、何も出来ない自分たちの不甲斐なさに落胆した事。そして少し前、お母様から手紙が届いた事などを、詳しく話してくれた。


「マリオネット様には本当に良くして頂いたのに、あなたを助けられなくてごめんなさい」


 そう言って何度も頭を下げる奥様。


「頭を上げて下さい。あの…もしよろしければ、母からの手紙を見せて頂けますか?」


 奥様の話で、どうしても気になった事があったのだ。それが、私には奥様を訪ねる様に伝えてあるという内容だ。でも、私はお母様からその様に言われた記憶はない。


「これよ、読んでみて」


 奥様が私に手紙を渡してくれた。早速手紙を目に通す。間違いない…お母様の字だ。手紙を見た瞬間、優しかったお母様の事を思い出し、涙が溢れ出た。確かにこの手紙には、私にはこの屋敷に避難する様に伝えてあると記載されている。


 それにしても、どうしてお母様は自分の死期が近い事を理解していたのかしら?まさか…誰かに命を狙われていた?


 今までの話から考えると、王妃様かもしくは…

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