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平民になった元公爵令嬢ですが、第二王子と幸せになる為に戦います  作者: Karamimi


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第21話:お坊ちゃまと街に出掛けます

 屋敷に着くと、なぜかお坊ちゃまが待っていた。


「おはよう、マリアナ。いつもメイド服を着ているから、なんだか新鮮だな。その服、とてもよく似合っていて可愛いよ。さあ、お腹が空いているだろう?すぐに朝食にしよう」


 私の手を握ると、すぐに食堂へと連れて行ってくれる。こんな生活を送っているのに、しっかりお給料をもらっているのだ。なんだか申し訳ない。


 せっかくだから今日は、お坊ちゃまに何かプレゼントが出来ればと考えているのだ。幸いメイドのお給料で今のところ十分食べて行けるうえ、貯金まで出来ているのだ。このままいけば、家から持ってきたお金は日の目を見る事はないだろう。


 それなら、いつもお世話になっているお坊ちゃまに何かプレゼントをと考えている。せっかくなので、ルーマさんたちにも何か買っていこうかしら。でも、今日は一応お坊ちゃまが街に出る付き添いなのだから、私が買い物を楽しむのも良くないわよね。


「マリアナ、何を考え事をしているのだい?」


「申し訳ございません。今日の事を考えておりまして」


「マリアナも今日、楽しみにしてくれていたのだね。僕も楽しみだよ。今日は目いっぱい楽しもうね」


 そう言ってほほ笑んでくれたお坊ちゃま。


「はい、目いっぱい楽しみましょう」


 食堂に着くと、いつもの様に奥様が待っていてくれたので、急いで席に着き朝食を頂く。


「今日のマリアナちゃんの格好、とてもよく似合っているわ。メイド服もいいけれど、やっぱり年頃の女の子はそうやっておしゃれをしないとね」


 そう言って奥様が笑っていた。そう言えば私、公爵令嬢の頃から、あまりおしゃれをしてこなかった。というより、そこまで気が回らなかったのだ。夜会などは、メイドたちが勝手にドレスを選び、着替えさせられていたものね。


 今まではおしゃれなんて興味がなかったけれど、せっかく平民になったのだ。これからは、少しおしゃれにも気を使っていこう。



 食事が終わると、早速お坊ちゃまと一緒に馬車に乗り込み、街を目指す。せっかくなので、今日は街の中心部まで行く事になった。馬車で大体30分くらいかかる。


「お坊ちゃま、見て下さい。海が見えますわ。あの船に乗って、漁に行くのですよ」


「あれが漁師たちの船か。あの小さなのも漁師たちの船かい?」


「ええ、そうですわ。海の向こうの方まで行くのですよ。イルカの群れなどもいて、とても素敵なのです」


「その口ぶりだと、君も乗った事があるのかい?」


「はい、私がお世話になっている方の息子さんが漁師でして。一度船に乗せてもらった事がありますわ。取れたてのお魚をその場で裁いてくれて、生で食べたのですが、とても美味しかったです。私、お魚が生で食べられるだなんて、知りませんでしたの」


「そうなんだ…マリアナは随分と楽しんでいるのだね…」


 なぜかジト目で私を睨むお坊ちゃま。よくわからないが、羨ましいのかしら?


「お坊ちゃまも漁に興味があるのですか?それなら、私が頼んで…」


「僕は漁にはあまり興味がないよ。それよりも、街に着いた様だよ。それから、今日は僕の事をお坊ちゃまと呼ぶのは止めてくれるかい?街でお坊ちゃまと呼ばれたら、さすがに恥ずかしいからね」


「分かりましたわ、では、エドワード様とお呼びさせていただきますね」


「エドワードは長いだろう?今日はエドでいいよ」


「エド様ですね。分かりましたわ」


 エド…なんだろう、この響き。なんだか懐かしいわ。一瞬そんな感覚が襲った。


「それじゃあ、行こうか。人も多そうだし、迷子になったら大変だ。しっかり手を繋いでいこう」


 そう言うと、私の手をしっかり握ったお坊ちゃま…ではなくてエド様。早速お店を回っていく。


「エド様、このお店、私がいつもお買い物をしているお店ですわ。男性物も売っているのですよ。ちょっと見て行きましょう」


 エド様と一緒に、お店に入る。すると


「マリアナちゃん、いらっしゃい。あら?今日はカッコいい男の人と一緒なのね。もしかして、マリアナちゃんの恋人?」


 私に話し掛けてきたのは、このお店を切り盛りしているおかみさんだ。


「もう、おかみさんったら。この方は…」


「エドワードと申します。いつもマリアナがお世話になっています」


 なぜかすかさずエド様が挨拶をした。


「まあ、笑顔も素敵な殿方ね。マリアナちゃんったら、さすがね」


 完全に誤解してしまったおかみさん。何とか誤解を解こうとしたのだが、いつものおかみさんとセールストークで、全く誤解を解く時間を与えてもらえず…


「ありがとうございました。次はいい報告を期待しているからね」


 何だかんだでワンピース2着と、エド様の洋服を2着購入したのだが、やはり誤解を解く事が出来なかった。


 次に向かった馴染みのお店でも、同じような扱いを受けた。もう、この街の人たちは、全く人の話しを聞かないのだから!


「エド様、ごめんなさい。皆人の話しを聞かないタイプの様で…また後で誤解を解いておきますので…」


「僕の事は気にしなくていいし、別に誤解を解く必要もないよ。それよりも、マリアナがいつも行くカフェに行きたいな」


「分かりましたわ。それでは参りましょう」


 気を取り直して、いつも行くカフェにエド様と一緒に向かったのだった。

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