↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
平民になった元公爵令嬢ですが、第二王子と幸せになる為に戦います  作者: Karamimi


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
14/47

第14話:束の間の幸せな日々~エドワード視点~

「シャラティア公爵夫人、いいえ、マリオネット様。私の為にありがとうございます。私も両親や兄が、謀反を企てていただなんてどうしても考えられなくて…でも、証拠を覆す力もなく、悔しくて悲しくてたまらなかったのです。だからこそ、今日あなた様が来てくださったこと、とても嬉しく思いますわ」


「そう言って頂けると嬉しいです。実は私だけでなく、私の実家でもあるグラッセル侯爵家と、ミリア姉様の実家でもあるマスティン侯爵家も動いております。彼らはあなた様こそ、本当の王妃殿下にふさわしいと思っておりますし、エドワード殿下こそが、本来王太子殿下になる人物だと考えておりますの」


 僕が王太子になる人物?この人は何を言っているのだろう?王太子は、ルイード殿下なのに…そんな事を考えていると


「おにいちゃん、こんにちは。わたしはマリーです。いっしょにあそんで」


 金色の髪にクリクリの青い瞳をした小さな女の子が、ニコニコしながら僕のところにやって来たのだ。


「マリー、ダメよ。申し訳ございません、エドワード殿下」


 すぐに夫人が、彼女を抱き上げた。すると


「どうしてダメなの?おにいちゃんとあそびたい」


 そう言って今にも泣きそうな顔をしている。


「マリオネット様、確かに大人の話に子供は退屈でしょう。マリーちゃんと言ったわよね。エドワードと遊んできてもいいわよ。エドワード、マリーちゃんと遊んであげて」


「ほんとう?ありがとうございます、おうひさま」


 そう言うと、マリーが嬉しそうに笑ったのだ。何だこの子、可愛いな…それに母上の事を、王妃様と呼んでいるし。


「おにいちゃん、いっしょにあそぼう。マリーなかにわにいきたい」


 僕の手を掴むと、笑顔でそう言うマリー。小さくて可愛らしい手だな。気が付くと、ギュッと握ってしまっていた。


「マリー、部屋から勝手に出てはいけないわ。このお部屋で遊んでもらいなさい」


 すかさず夫人がマリーにそう伝えていた。そう、僕たちは部屋から出る事を禁止されているのだ。僕たちの姿を見ると、王妃殿下が怒り狂って手が付けられなくなるためとの事。


「それじゃあ、ごほんよんで」


 近くにあった本棚から、本を取り出すと、僕に渡してきた。しかたない、読んでやるか。そう思いイスに座ると、ちょこんと僕の膝の上に乗って来たのだ。柔らかくて温かくて、いい匂いがする。何なんだ、この可愛い生き物は!


 一気に鼓動が早くなる。落ち着くんだ、こんな小さな子にドキドキしてどうする。深呼吸をし、本を読んであげた。次から次へと本を持って来るマリーの為に、本を読み続ける。さすがに疲れて来たな。そう思っていると、マリーが僕にもたれかかって来た。


 あれ?どうしたのだろう?彼女の顔を覗くと、なんとスヤスヤと眠っていたのだ。


「エドワード殿下、マリーが申し訳ございません」


 話が終わった夫人が、急いでマリーを抱きかかえた。その瞬間、何とも言えない喪失感に襲われる。


「それではアンリ様、また来ますわ。エドワード殿下も、ごきげんよう」


 眠るマリーを連れ、帰って行った夫人。それからと言うもの、定期的に王宮にやってくる夫人とマリー。夫人のお陰で、母上も今まで見た事がないほど、穏やかな表情をしている。どうやら夫人は、完全に僕たちの味方の様だ。


 ただ、シャラティア公爵は王妃派の人間だ。その妻が母上についていて大丈夫かと母上が心配していたが、夫人が“そんな事は気にしないで欲しい。私達夫婦はとっくに冷え切っているから”と、笑顔で答えていた。


 元々夫人とシャラティア公爵は夫婦仲が良くなかったらしい。それにどうやら、公爵は他に好きな女性がいるのだと、夫人がさらりと話していた。


 自分にはマリーがいればいいとも言っていた。


 そしてマリーだが、すっかり僕に懐いてくれて、遊びに来るたびに、嬉しそうに僕の元に駆け寄ってくる。マリー家には、可愛いモフモフの犬がいるそうで、来るたびに犬の話をしてくれるのだ。


 僕もどうしてもその犬に会いたくて、ピクニックに行くと言って、何とか外出許可をもらい、公爵が留守の時に、犬に会いに行った。


 マリーの言う通り、モフモフでとても可愛い犬で、キャスというらしい。キャスとマリーと一緒に、思いっきり中庭を走りまくった。ただマリーはまだ2歳という事もあり、すぐ疲れて寝てしまう。


 スヤスヤと眠るマリーを見ていると、愛おしくてたまらなくなるのだ。ついギュッと抱きしめてしまう。そんな僕たちの姿を見た夫人が


「エドワード殿下は、随分とマリーの事を可愛がってくださっているのですね。いつかあなた様が国王になったら、マリーをお嫁さんにしてあげて下さいますか?」


 急にそんな事を言いだしたのだ。


「もちろんだよ。僕、マリーをお嫁さんにしたい!」


「エドワードったら。でも、マリーちゃんと一緒に過ごすようになってから、エドワードもとても明るくなったものね。そうね…いつか2人が結婚してくれたら…」


 母上も嬉しそうにそんな事を言っている。マリーはいつか、僕のお嫁さんになるのか。そう思ったら、なんだか嬉しくて、ついマリーの頬に口づけをしてしまった。


「まあ、可愛らしいわね。あなた達の幸せの為にも、もっと頑張らないと」


 夫人がそう言ってほほ笑んでいる。いつかきっと僕たちは結婚する、この時の僕は、そう信じて疑わなかった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。