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冒険者 傾奇者  作者: 豊葵 月


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第91話

第91話です。


山の散策が始まります。

薬草採取がメインですが、

勿論、魔物の情報収集もします。


では、楽しんでください。

《空蝉》が

『慶次、ちょっと待ってね。

何かいるんだけどね。何だろう?』

『魔物か?』

『うん、多分ね。

ただ、《松風》とか《風月》の

雰囲気に似ているんだよね。』

《空蝉》は地図にランプを点す。

『ここら辺。』

慶次は《風月》に話す。

『《風月》聞こえるか?

《空蝉》の地図に点いている場所を見て来い。』

《風月》は

『ご主人様、聞こえますわ。 

ちょっと見てきますね。』

《風月》は空を旋回して目的地に飛んで行った。

暫くして《風月》が戻って来た。

『ご主人様、ケルヴァーンが居りますけど、

どうされます?話を聞きます?』

「エルネーゼ、ケルヴァーンが居るらしいが、

どうしたい?倒すか?」

「え?ケルヴァーンですか?

話せますか?その魔物は神獣に近く、

この山の主かもしれません。」

『《風月》話を聞けるか?』

『ちょっと待ってくださいね。傍に行ってみます。』

《風月》はケルヴァーンの傍に飛んで行く。

慶次達は《風月》に任せて散策を続ける。

『薬草は無いのか?』

と《空蝉》に慶次が聞く。

『ちょっと待ってね。

薬草って草原に生えてる方が多いからね。

山の中だとキノコ類が多くなるのよ。

あ、キハダがあるね。群生しているね。』

慶次は

「キハダがあるそうだ。刈り取ろう。」

エルネーゼは短剣でキハダを刈り取って行く。

《風月》が帰って来た。

『ご主人様。

ケルヴァーンは凶暴化した魔物が

居ないかと巡回している様ですわ。

山の主としての役割を全うしていると

言っておりますわ。話を直接、聞きます?』

慶次はエルネーゼにその事を伝える。

エルネーゼは

「そうですね。

情報は多い方が良いと思います。行きますか?」

慶次は頷き

「そうだな。

山の情報は主に聞く方が良いだろう。

行ってみるか。」

慶次達はケルヴァーンの方へ歩いて行く。

ケルヴァーンは慶次の方を見て立っている。

慶次は《松風》に

『話せるか?』

と聞く。

《松風》はケルヴァーンに近づき挨拶を交わす。

『殿。大丈夫です。何を聞きますか?

凶暴化した魔物の情報以外で何かありますか?』

『そうだな。凶暴化した魔物の話は

一番欲しい情報だが、

他にはこの山で些細な事で構わんから

何かあるか聞いてみてくれ。』

《松風》はケルヴァーンに話をする。

ケルヴァーンは《松風》に

何かを訴えている様に見える。《松風》は

『殿。ケルヴァーンが凶暴化した魔物に

この山が侵されていると。

自分の身も危ういのでないかと心配しています。

山奥で大人しく生活している

魔物までもが侵されていると話しています。

好戦的な魔物は自業自得と話しています。』

慶次はエルネーゼに

「好戦的な魔物とは何がいる?」

「そうですね。

オークやゴブリンはそんな感じですね。

ドラゴン系の魔物も好戦的ですが、

ゴブリンやオークほど、この場所に居ません。

もっと高い山に生息しています。」

「ふむ。いつも居る魔物なら

討伐も容易いかもしれんが、

ここに居らん魔物と聞くと

そうはいかんという事か?」

「そうですね。

ケルヴァーンがこの山の主という事は

ドラゴン系の魔物はここに生息していないと

思います。しかし、凶暴化しているとなると

話は別という事ではないでしょうか?」

『《松風》ケルヴァーンは何と言うておる?』

《松風》はケルヴァーンに話をする。

ケルヴァーンは頷く様な素振りを

見せて話をしている。

『殿。やはり、この地域にいるはずの無い

ドラグニスやドレイク等が

凶暴化してこの山に来るらしいです。

その逆もあるそうで、凶暴化した魔物に追われて

ドラグニスやドレイクが逃げてくると。

本来ならこの山の麓には来ない魔物だと。

凶暴化していると話も通じないので

何も出来ずに別の場所に移動してくれる事を

願って息を殺してやり過ごしているそうです。

これはかなり厄介ですね。』

『そうだな。どうしたらいいか悩みどころだな。

今、対峙すれば、倒す事は出来るやもしれんが、

居ないとなると難しい問題だな。』

『そうだね。今なら戦えるけど、

そんな奇跡は早々無いからね。

今は魔物の気配も無いから。』

慶次は《風月》に確認する。

『ここらに魔物は居るか?』

『いえ、魔物は居りませんわね。

動物はケルヴァーンが居るから

隠れておりますわよ。

ここの魔物も動物も争い事には

関わりたく無いと思っていると思いますわよ。』

慶次はエルネーゼに今の話を伝える。

「そうでしょうね。

ここの魔物達は本当に大人しいのです。」

「という事はどうすれば良いと思う?

こちらも戦いは避ければ幸いだと思うがな。」

「確かにそうですね。

わざわざ、戦う為に魔物を探すのはナンセンスです。

現れたら戦うという事で良いと思います。」

「お主の報酬が少なくなるぞ。それでも良いか?」

「えぇ、構いません。

報酬よりも大切なものもありますから。」

慶次は納得して頷いた。

『《空蝉》探索は途切れずに発動しておいてくれ。

《風月》空からの警戒は怠るな。』

「それでは、もう少し奥に進むか。」

「そうですね。

何か得られるモノが有れば良いのですが。」

『《松風》ケルヴァーンに

出来る限りはすると言うといてくれ。

出来る事、出来ない事もある故な。』

《松風》は頷きケルヴァーンに伝える。

ケルヴァーンは大きく頷いて山の奥に消えて行った。


いつも読んでいただきありがとうございます。


今回は山の主が出現しました。

山の統制を司る神獣です。

しかし、その神獣ですら凶暴化した魔物は

手に負えない厄介モノですね。


次回はもう少し山の奥に行きます。


次回を楽しみにしてください。

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