第88話
第88話です。
今日の冒険が始まります。
《風魔》の訓練
凶暴化した魔物調査。
そして、ギルド依頼と
冒険者活動は忙しそうです。
では、楽しんでください。
部屋に残された2人は
「この家に住む様に誘導した気分ね。」
「そうかもしれないが、
その方がいいと思うぞ。
やはり、ソルメラは未だに危険が潜んでいる。
昨日帰って来てクリンゾンファルに入って
この店の雰囲気が変わったなとは思ったが、
裏通りには俺ですら
入りたくない雰囲気だったしな。
あそこは中々、変えづらいだろ。」
「まぁ、確かにね。
徐々に変わりつつはあるわよ。
でも、ドラグレイヴからの人達は
大なり小なり危険だわ。
あの人達の求めている強さは
私達には無いでしょ。」
ゼノンが頷く。
「確かにな。
俺達は力だけの強さ以外モノを手に入れた。
それはあの国では通用しない。
いくらあの国では力が弱くても
この国では強い部類に入る。
だからと言って拒絶もできないからな。」
そんな話をしているとドアが開き
慶次が入ってきた。
「3人でゆっくり話は出来たか?」
「あぁ、ゆっくり話せた。
マルティナの気持ちも聞けたし、
後はマルティナ次第だな。」
「そうね。マルティナが
どう思っているかが分かったから安心したわね。」
慶次は満足そうに頷く。
「お主達に任せて良かった。
マルティナのあんな明るい顔を初めて見た。」
ゼノンもエルネーゼも嬉しそうに笑った。
「さて、俺達もギルドに向かうか。
エルネーゼ、この時間ならもう依頼は無いか?」
「そうですね。
無いかもしれませんが、
行くだけ行ってみましょう。」
ゼノンも
「俺もギルドに寄ってみるか。
情報収集でもして帰るか。」
「では、一緒に行くか。
《松風》達を迎えに行こう。
それからギルドに行く前に
フェリアノーヴァに寄りたい。」
「分かりました。何か買われるのですか?」
「そうだ。
兵糧丸という俺の昼食だな。
兵糧丸の作り方を俺が教えて
女将が作って売っているんだ。
俺の兵糧丸より旨いから助かっている。」
慶次達は馬屋に寄り、
フェリアノーヴァに向かった。
「女将、兵糧丸はあるか?」
「あら、マエダ様。
いらっしゃいませ。
あら、エルネーゼもゼノンも一緒なの?」
「俺の家に用事があったからそのまま来たんだ。
今からギルドに行こうと思ってな。」
「そうなのですね。
2人が揃ってマエダ様の家に行くって…。
まさか…。」
マリエルの顔が青ざめる。ゼノンが
「そうなんだ。マルティナに話があってな。」
それを聞いたマリエルは泣き出した。
「そういう事なのね。」
慌てて奥からエヴァルトが出て来た。
「マリエル、どうしたんだ。」
「大丈夫よ。ちょっと哀しい話を聞いたから。」
事態を把握出来ないエヴァルトが
慶次の顔を見る。
慶次は黙って頷く。
事態を把握できたエヴァルトが
「そうですか。ガルヴァンが…。」
ゼノンとエルネーゼを見て、
「リュシエラとヴェルナーは生きているのか?」
2人は首を振る。
「『艶紅の炎』は全滅らしい。」
それを聞いた2人は息を呑む。
「そんな…。あのチームが全滅って。」
「それが、凶暴化した魔物の怖さだな。」
ゼノンが吐き捨てる様に話す。
2人は黙ったままで立ちすくむ。
「エヴァルトとマリエルが
そんな顔していたらお客さんが逃げてしまうわよ。
私達は大丈夫。その覚悟は出来ていたから。」
エルネーゼが話す。
「分かっているわよ。
貴方達が冒険者になった時から
私達もそういう覚悟はしているもの。
でも、あんなに小さかった子が。」
マリエルは涙を流す。
「え?マリエルの中では私達はまだ子供なの?」
エルネーゼが驚いてゼノンの顔を見る。
ゼノンも苦笑いして
「マリエル、俺達は立派な大人だぞ。」
「分かっているわよ。
でも、この街を走り回っていた
6人の中で3人が居なくなってしまったのよ。」
慶次が
「女将はゼノン達の子供の頃を知っておるのか?
それは聞いてみたいものよな。」
エルネーゼが顔を赤らめて
「マエダ様、やめてください。
恥ずかしいですよ。」
と顔を真っ赤にして話す。ゼノンも頭を掻き
「本当だ。恥ずかしすぎるよ。」
と俯く。エヴァルトが笑いながら
「それはしょうがないぞ。
お前達の小さい頃の話は話すと
尽きる事のない悪戯三昧だからな。
俺の店の被害も中々のものだぞ。」
慶次が笑いながら
「それは酒を呑みなが、聞きたいものよ。」
ゼノンが汗をかきながら
「慶次、やめてもらって良いか?耐えられん。」
それを聞いたマリエルは笑いながら
「本当にね。
あの頃の貴方達は親泣かせだったわね。」
ゼノンは
「勘弁してくれよ。いつの話をしているんだよ。」
と嘆く。エルネーゼも顔を真っ赤にして
「こんな事なら、
ギルドでマエダ様を待つべきだったわ。」
と話す。慶次はそれを見て笑いながら
「これは中々面白いな。
ゼノンとエルネーゼの過去の話を聞けるとは。」
と話す。
「慶次、今の事は忘れてくれ。」
と泣きそうになりながら話す。エルネーゼも
「過去の自分に話して聞かせたいわ。
これは恥ずかし過ぎる。」
慶次は笑いながら
「女将、兵糧丸を少し多めにくれ。
今日からエルネーゼと一緒に魔物を倒しに行く。
暫くは一緒に行動するから兵糧丸が多めに必要だ。」
「そうなのですね。分かりました。
この兵糧丸、評判が良いのですよ。
女性がこぞって買いに来られます。
ちょっとした美容食になっていますよ。」
「そうなのか?
俺には分からんが、それなら良かった。」
慶次は兵糧丸を買い、ギルドに向かった。
いつも読んでいただきありがとうございます。
兵糧丸を買うためにフェリアノーヴに寄りました。
ソルメラの街をゼノン達が駆け回っていた事が
暴露されましたね。
子供はそれがイケない事だと知らずに
やってしまう事が多々ありますよね。
親はその度に頭を下げて回ります。
昔なら子供のする事だからと許させた事も
今の世の中ダメな事が多くなっています。
それが良い事なのか悪い事なのか
それは分かりませんが、
子供はある程度イケない事をして学ぶ事も
大切なのかなぁと私は思っています。
次回は冒険者活動をします。
では、次回も楽しみにしてください。




